返事はいらない (新潮文庫)

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著者 : 宮部みゆき
  • 新潮社 (1994年11月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369136

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返事はいらない (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 宮部作品に「外れ」なし。
    「返事はいらない」が良い。
    読み始め、読むのを止めようかと思うほどのむつかしい方程式のようなくどいご説明がある。ところがエンディングはおしゃれに終わった。かっこいい「ちぇ、バレちゃったね」
    私のキャッシュカードの暗証番号は別れた彼女の誕生日のままだ。
    変えようか なっ

  • 巧い。
    巧すぎる。

    メジャー作家の作品を読んでみようと思い立って、ここ最近、宮部みゆきの短編を読んでいる。
    この短編集の作品はどれもさらっと読めてしまう物ばかりだが、まさかいくらトップを走る作家だからといって、簡単に書いてしまうとは思わないが、それでも頭を抱えながら書いているとも思えない。
    円熟の技が堪能できる一冊だ。

    中でも心を奪われたのが、「ドルネシアへようこそ」という作品だ。
    六本木の速記事務所でアルバイトをしている主人公が自分とは縁のないと思っていたはずの人気ディスコを訪れることになる顛末を描いた物語なのだが、伏線の張り方と最後の回収の仕方にうならされた。また登場人物の心の機微の描き方が丁寧で、ため息が出るほどだ。
    こんな些細な物語でも、どんでん返しで物語をひっくり返してくれるから、嬉しい。

    本当は巧いかどうかなんて、物語の本質とは関係ない。
    この作品集から巧さを抜いたところで、今度は心理描写にうならされることになる。
    読後の余韻をたっぷり堪能したい。

  • 宮部みゆきさんも大好きな作家さんですが、著作が多いので未読の本も多い!
    この本は1991年に刊行された2冊目の短編集です。
    25年も前の本ですが、楽しめました。

  • 息子の学校の「読書手帳」の課題だったので,彼のあとに読んでみた.(宮部みゆきさんの作品ははじめて)
    1.返事はいらない:
    ATMの盲点をついた(義憤による,とでもいう動機の)犯罪に,自殺しかけた傷心のOLが加担する.
    2.ドルシネアにようこそ:
    ドルシネアというのは高級ディスコの名前.そんなところに入れない青年が,表題のような伝言を渋谷(?)駅の白板に書いておいたら,レスポンスがあってーー
    3.言わずにおいて:
    「あ,あいつだ!」と車を運転していた見知らぬ男性が叫び,かれのクルマはそのまま壁かなにかにぶつかって炎上,乗っていた夫婦は死亡.名指しされたOLは,心当たりないよ,と訝りつつ,謎解きへ
    4.聞こえていますか:
    独居だった老人男性が亡くなったあとの家に引っ越して来た一家.そこの一人息子がひょんなことからその家にあった旧式の電話機にしこまれた盗聴器を発見!
    5.裏切らないで:
    軽佻浮薄な尻軽女が歩道橋から落ちて死亡.自殺か他殺か?→アパートのとなりに住む30代の女がけっきょく下手人だったのだが,その動機というのがおれになちょっとも理解できなかったです.
    6.私はついてない:
    これも軽佻浮薄な尻軽女の話.婚約指輪を借金のカタにとられてまっつぁおになるのだが,その指輪を巻き上げた職場の先輩OLというのが,”籠ぬけ詐欺”(=というのがあるんですな)を仕組んでいた.それを高校生が見破るのだ.
    →どうしてこの種類の小説が,学校の課題になるのか「??」だったが,まあいろんな種類の本を読んで,活字に親しむ,ともかく読書習慣をつけましょう,というのは意味のあることだと思う. こういうストーリーなら,生徒諸君もたぶん楽しんで読むだろうし.
    →※しかし,「この感想をさあ書きなさい」と言われると,どう書いていいんだか,ちょっとこまるかもね.
    まさか 「おもしろかった」で済ますわけにはいきませぬし.

  • 短編だけど、社会の闇を鋭く描かれていて、読了後、考えさせられるものばかり。時代を感じさせられるものもあるが、さすが社会派ミステリーがうまい宮部作品だなぁと思いました。

  • 短編で読みやすかったので、一気読みしてしまいました。
    ちょっと切ない話が多かったのですが、読後はなにか爽快な感じがするのは宮部さんならではですね。
    面白かったです。

  • 良い小説にはよい解説が似合う。よい小説にはよい読書感想が似合う。 茶木則雄がwikiにないのでどういう人か知らない。「優れた小説というのは、読み終わった後で誰かと無性に話をしたくなるものだ」には同感。短編6話のいずれも妙。「ドルネシアにようこそ」は、あれ、あれっと思いながら、まさかの結末。心温まる部分のある物語たち。

  • 宮部みゆきらしい短編集。

    『返事はいらない』
    付き合っていた男に振られるOL、銀行のキャッシュカードの磁気テープの暗証番号、狂言誘拐、その事件を追った刑事、そして。
    今はもう解決された問題、懐かしさと切なさ。

    『ドルネシアにようこそ』
    今はヒルズ、で鬼っ子だった六本木駅も綺麗になしました。
    そう、小さくて汚かったんだよね、前は。あの駅。
    速記も駅の伝言板も消えていくもの。

    『言わずにおいて』
    自分を見て「あいつだ!」という言葉を残し事故を起こした車、
    その事故で亡くなった夫婦を追いー、
    この作品はひろげた風呂敷の畳み方は上手くないような気がするw

    『聞こえてますか』
    母親と祖母の嫁姑の不仲で引っ越した先の一軒家の電話で
    不審な黒い機械を発見する少年。
    前の住人はスパイ疑惑のあった老人、さてこれは。

    『裏切らないで』
    火車の前身のようなクレジットカードによる借金と、
    「東京に住む若い女性」であることへの執着と苦しみ。
    「お風呂に入ってるんです!」はこれでしたw

    『私はついてない』
    会社の先輩に借りた50万の借金のかたに婚約指輪を
    とられてしまった従兄の為に奔走する男子高校生、そして。

    どれもトリックよりも、物語を通じて人間のやるせない感情、
    でも決して救いのない絶望は感じない、どこかで温かみの残る
    実に、宮部みゆきらしい、短編集。

  • 「ドルシネアにようこそ」はほぉ~と思って面白かったんだけど、「言わずにおいて」はせつなくて。短編それぞれの表題が話しにマッチしていて良かったです。

  • 短編集です。
    ミステリですが、殺人事件は一件だけで物騒な話はあまりないと思います。
    読んでいて優しさが感じられる話もあります。

    ◆返事はいらない
    主人公は失恋をしていて、死ぬ程落ち込んでいた。
    そんな状況で、とある夫婦と出会い犯罪計画に手を貸す。

    この話では、キャッシュカードの怖い面を知ることになります。
    かなり前の話なので、今の銀行はちゃんとしたシステムになっているようです。

    主人公が協力した犯罪は狂言誘拐だった。
    お金が目的ではなく、首謀者の旦那さんが勤める銀行の杜撰さを世の中に伝える為である。

    刑事さんや犯罪を企てた夫婦は温かくて優しい人達です。
    主人公は失恋から立ち直るといいですね。

    ◆ドルシネアへようこそ
    日常ミステリでしょうか。
    主人公の青年はアルバイト先に行く時、必ず「ドルシネアで待つ」と駅の伝言板に悪戯書きをする。

    ある日、悪戯書きに返事があった。
    返事は誰が書いたのか。

    高級ディスコバーが作られた真の意味を知った時、「主人公は救われたな」と思いました。

    ◆言わずにおいて
    少し物騒ですが、ラストは悲しいですね。
    主人公が上司の軽口にキレる様子が妙にリアルでした。

    主人公が深夜に外を歩いていると、見たことのない男に指を差される。
    しかも、彼は目の前で事故に遭って死んだ。

    演技だったとはいえ、こんな目に遭うのは嫌だわ。
    ところで、主人公はあの会社を辞めたのかしら。

    ◆聞こえていますか
    主人公の男のコが引っ越した先に、黒電話が置いてあった。
    電話には盗聴器が仕掛けてあった。
    前の住人だった老人の正体とは?

    家族は大変ですよね。
    嫁姑問題だけではなく、血の繋がった親子でも円満に暮らせないこともありますから。
    独り暮らしは寂しいのに、子供に「一緒に暮らそう」と言われても老人は怖くて素直に言葉を受け取れなかったようです。
    何とも、やりきれない話です。

    ◆裏切らないで
    唯一の殺人事件です。
    カード破産、ブランド狂い、若さが衰えることへの焦り。
    こうして並べると恐ろしいな。

    バリバリ伏線がありましたね。
    「カード破産なんて、どこのバブリーな時代だよ」と思ってしまいます。

    ◆私はついてない
    ドタバタしています。
    ガールフレンドと喧嘩をして、主人公はブルーになる。
    そこに、イトコの姉ちゃんが助けを求めてきた。

    イトコの姉ちゃんはだらしなさ過ぎだろうに。
    色々とトラブルが起きてピンチになりますが、結果はオーライ。

    父親から貰ったダイヤを売って、偽物をつけている主人公の母親が怖かったです。

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