- Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101369402
感想・レビュー・書評
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ついに完結!柏木の悪意に驚き。だけど神原が本当のことを言っているとは限らないと私は思う。結局死んだら負け。自殺は真実を永遠に遠ざけ、大切な人々を傷つける。「負の方程式」で見えた弁護人と検事のその後にニヤリ。
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不器用で手探りで
真実という結論を導き出したとき、
とにかく興奮せずにはいられませんでした。
だから読書って面白いんだ、って確信しました。
勝ち負けだけではなく、真実を見つけるために奔走した夏休み。
もしかしたら10年後、20年後には何も残っていないかもしれないけど。
ひとつの死によって、たくさんの事件や出来事が絡み合って、とにかく息つく暇もなく、読み終えました。
スピンオフの作品も入っていて、大人になった涼子に出会えます。
とても贅沢な一冊です。 -
6巻までやっと読み終わった!途中、長い…もっと短く…と思ったけど、最後まで読んだら面白かった!どうやって終わらせるのこれ…?と思っていたけど、想像できなかった結末!
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根拠なく自分に都合の良い意見をゴリ推しするのではなく、それぞれの立場の人が、相手を言い負かすことを目的とせず、論拠を積み立てていって答えに近づいていく、これが議論なんだ!
Twitterとかワイドショーとか国会とか高校生俳句甲子園とか、なんか「議論風だけど議論じゃないな」と思わされる何かを見てきた今、痛快さすら感じました。 -
一気に読めた。
薄々気になってはいたが、という
伏線も回収、スッキリ。
個人的には負の方程式も気に入った。 -
宮部みゆきさんの長編推理小説「ソロモンの偽証」。
中学校で起こった生徒の転落死の謎を同級生たちが学校内裁判で明らかにしようとする物語。
単行本で3冊、文庫で6冊。
超長編といっていいほど長いけれど、それをまったく感じさせないほどに面白かった。宮部さんの作品の中でも一二を争う面白さ。
僕も物語の舞台と同じ下町育ちなので、ぞっとするほどに臨場感があった。自分の歳ぐらいになってくると、社会における利害関係もおおよそは想像がつくようになってくる。だけど、例えば自分が属するコミュニティにいくつかの利害があったとしよう(そもそも利害がまったくないということはありえないけれど)。それらはいずれも些細なことだったとしても、そこから悪意が生まれ、悪意が連鎖すると想像だにしない厄介ごとに巻き込まれてしまう。この物語はそういったことを示唆している。
悪意による負の連鎖をどうやって断ち切るか。それをうまくやるのは大人になってからでないとむずかしいのかもしれない。でも、その連鎖から(自分だけでも)逃げるすべは思春期までに養われたほうがいい。そして、その手助けをいかにするかが大人の責任なのだろう。
エンタメとして秀逸なのはもちろんのこと、たくさんのことに気づく機会にもなるので、読んでみるといいかも。