悲嘆の門(下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.34
  • (40)
  • (134)
  • (180)
  • (52)
  • (11)
本棚登録 : 1857
感想 : 118
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369440

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  終章「悲嘆の門」が、なあ……(´ε`;)ウーン…
    「模倣犯」や「ソロモンの偽証」等々、ミヤベ大長編はどれもこれも最後の6分の1さえ「こうじゃなければ」大傑作なんだけどなあ……(´ε`;)ウーン…
     何なんだろう、事前に結末を考えずに書き進めていくタイプ? 広げた大風呂敷をうまくたためない? 物語が作者の手を離れて勝手な方向に成長しちゃう?……(´ε`;)ウーン…

     本作がこんなんなっちゃった最大の原因はキャラ造形なんじゃないかな?……(´ε`;)ウーン…
     孝太郎、都筑、並びに彼らの関係者、薄ペラでテンプレな悪役たちやモブキャラに至るまで、毎度おなじみ「劇団ミヤベ」の座員ぞろいというか、昭和下町ホームドラマの再現というか……(´ε`;)ウーン…
     ああいう人情ミステリー向けの単純明快で底の浅いキャラクターは、本作みたいな深刻な心の闇を探るシリアス作にもハードファンタジーにもまったくそぐわない(>_<)
     特に絵に描いたような好青年・孝太郎が完全に場違い(>_<)
     終盤こんな展開に放り込むんなら、序盤からもっとゲスでえげつない彼自身のダークサイドをしっかり描きこんでおかないと人物に説得力が生まれない(>_<)

     お話じたいも何だかなあ……(´ε`;)ウーン…
     まず「物語と言葉の源泉」というテーマそのものに何の興味も持てないし、小っ恥ずかしい西洋かぶれファンタジー世界観にも魅力を感じないし、観念世界の決着をつけるのがケダモノ同士の取っ組み合いっていう安易さ、「愛が地球を救う」おめでたいオチにもガックリだし……(´ε`;)ウーン…
     孝太郎がぬけぬけこっちの世界に戻ってきたときには本気で怒りを感じた(>_<)
     
     いっちゃ何だけど(正直大半の読者が思ってることでもあろうけど)、この作品、ファンタジー要素をぜんぶ取っ払えばかなりの傑作になってたろうな……(´ε`;)ウーン…
     ネットパトロール、いじめ、不連続殺人事件、元刑事のサガ……(ありがちながら)面白そうなネタ満載だし、動くガーゴイル像にしたって合理的なトリックさえあったならけっこう魅力的な小道具になっていたと思う……(´ε`;)ウーン…

     中巻(半ファンタジー)までの興奮に、終章(完全ファンタジー化)で冷水を浴びせられた感じ(>_<)
     結局ファンタジーと社会派ミステリーの融合という実験的試み(クーンツがよくやってるけど)は、劇団ミヤベ人情キャラという触媒の選択ミスで最悪の結果に(>_<)
     まあ、そうでなくてもこんな世界観のファンタジーはどこをどう料理しても面白くはなんないか……(´ε`;)ウーン…

     本作、売れないといいなあ……(´ε`;)ウーン…
     もうこんなシリーズ打ち切りにして、ミヤベさんにはもっと社会派ミステリーをたくさん書いてほしい……(´ε`;)ウーン…



     あと、「解説」。
     ひとつ根本的に読み違えてない? テーマでなくストーリ-そのもので。「嫉妬に狂って恋仇を殺す」? え?( ゚д゚)

    2020/03/08

  • 残念ながら、ガラが語る世界観というか、
    異世界があんまり理解できない。
    いろんなものがよく練られたものなんだろうなということは、わかるけれど。
    最後はめんどくさくなって、流し読み。

  • 最後まで主人公に共感できなかったことが全て。宮部みゆきは好きだが、これは自分には合わなかった。

  • ファンタジー小説。上巻のあたりまでは、この話をどのようにまとめていくのだろうと、自分勝手に、想像していたが、、。下巻は斜め読みしてしまった。

  • 最後のほうはなにを話してるかわからなくなってしまった。
    自分の理解力の問題かな。
    想像力がないのかなー。
    そんなだかはあまり響かなかった。

  • あー…………。
    あまり好みでない方の宮部さんでした、これは。

    現実世界の話は読む気が起こるんだけど、そこにガラや門やらなんやらが入ってくるともうダメでした。
    正直、かなりのページ読み飛ばしてしまいました……。
    最初から、どっぷり架空の世界、もろファンタジー(獣の奏者みたいな)とかだったら入っていけるんだけどねえ……。

  • 最初の連続殺人事件とは一体何だったのか…

    怪物の力借りてもいいし、事件が解決して終わってくれても良い内容。

    後半は自分にとって完全に蛇足。

  • うーん……やっぱりな終わり方。最近の宮部さんの作風、なんだかモヤモヤするなぁ……。
    「火車」や「理由」の頃みたいな、悪事を行う側への優しさ、みたいな視点がなくなったなぁ、と。
    私たちが生きている現在ではモヤモヤする事件ばかりだけど、だからこそわたしは小説の中でぐらい犯人側の主張に納得したい、のかも。
    あと、ファンタジーはあんまりです……学生さんが主役の話もあんまりかも。最後まで都築さん目線の話が読みたかったなぁ……。

  • 読み終わった。
    他の著作同様、サクっと読めた。
    現実世界と異世界をうまく混ぜ合わせた話。
    一応ハッピーエンド。
    話の流れだと、一番妥当な終わり方だと思う。

    解説でわかったが、英雄の書と絡みがあるらしい。
    でも、そちらはいいかな。

  • 宮部みゆきが言いたいことはわかる気がする。私にはこの方法はあわないけど。

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

宮部みゆきの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×