たそがれゆく日米同盟―ニッポンFSXを撃て (新潮文庫)

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著者 : 手嶋龍一
  • 新潮社 (2006年6月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101381138

たそがれゆく日米同盟―ニッポンFSXを撃て (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 平成18年刊(底本1991年)。対米自立しうる幻想が持てたバブル期、完全国産戦闘機を夢見た日本とそれを許すまじと対応した米国との相克を描く。米国議会・議員間のやりとりが生々しい。小さな対話の積み重ねが信頼関係を醸成するが、国内調整や選挙対策を優先する余り対日不信を招くならば、不幸なことだろう。失われた20年、人的・物的面で、相対的にも絶対的にも国力(主として経済力)が低下した日本。日米両国がwinwinの関係を持つには、日本も確固としたビジョンと丁寧な説明が重要となろう。「同盟」を考える上での好著。
    あと、米国議会の実相、議会評決の実態、議会権力の源泉を知るにも有益か。

  • アメリカで反日感情が強かったというのが、想像しにくいが、ちょっと一官僚が火をつけるだけで、ここまで燃え広がるものなのか。前に読んだ湾岸戦争期といい、アメリカが日本に無茶を突きつけるシリーズだが、アメリカ外交はいつもこんなものだとしたら、相当やね… この時期だけだとしたら父ブッシュ…
    あと、米国の統治構造に関する細かい知識がちらほら得られたのも良い。

  • 日米同盟の根幹を揺るがしたFSX問題を取り上げる

  • 手嶋氏の論調は、ジャーナリストの持つべき公正性に時に強く拘束され、日本という国の持つべき資質というか素養というか、読みてが意識しながら、または無意識のうちに帰結していくポイントへの切り込みを避けて書き込んでいるように思える。日本の次期戦闘機選定を巡り、激しく対立する日米。単純に日本人の税金で日本の為の防衛力を賄う事が許されなかった現実がそこにある。

  • 中堅の一外交官の孤軍奮闘により、日米大国二国間関係がここまで翻弄されるのは圧巻で、感銘すら覚えた。

  • いただき本。ありがとうございます。

    たそがれゆく日米同盟
    FSX次期支援戦闘機をめぐる日米外交の攻防史になりましょうか。
    1980年代のお話で、
    レーガン大統領からブッシュ(パパの方)大統領へ移行時の一悶着二悶着です。
    アーミテージとかチェイニーとか懐かしい名前が出てきます。

    国対国のインテリジェンス(諜報、情報かけ引き)は我々一般人には理解を超えるところにあって、へぇこんなことになってたのか!ということになり、非常に面白く読めます。
    ただフィクションが混ざってるのか、ノンフィクションなのか。一般人にはまったくもって把握できなく、関係者のみが懐古できるんですよね。あたりまえですけど。

    手嶋さんって何ものですか?って感じになりますね。
    9.11のときに号泣しながらNHKでニュース読んでましたけど。

    ウルトラダラーもオススメできます。

  • ウルトラ・ダラーの書評を読んで著者に注目していた。期待に違わぬ濃い内容で、沢山のニュースソースから得た情報で構成され適当な記述は感じられない。1980年代末の当時の次期支援戦闘機(現在の三菱F-2)誕生前の日米の政治状況、特に米国上院の内幕は、実際に現場で見聞きした者でなければ描けないと思われる。ビル・ブラッドレー、松永信雄といった登場人物に強く惹かれた。軍事的には同盟関係を堅持している2国が経済、政治的にどのようなバランスのなかで付き合っているのかよくわかり、一線の方々の労苦が忍ばれる。
    初版年から日が経っていることでかえって客観的に読み進めることができる。

  • 国産戦闘機を開発しようとする日本と自国の戦闘機を購入させようとするアメリカ。日米同盟の陰で次期支援戦闘機を巡る政治戦争が始まった。

    日米の航空機産業、国防省、商務省、防衛庁、通産省、反日勢力、それぞれをバックに控え、米議会議員、駐米日本大使が大統領府を巻き込んで闘う。

    接戦となった投票戦、相手の真意を読もうとする心理戦の連続で、静かに動くその様は手に汗握る頭脳戦であった。

  • 外交関係のスペシャリストであり、文章も上手な手嶋氏の作品。

    FSXの開発がレーガンからブッシュ父の政権交代であり、ベーカーを陥れるための道具として使われたことがわかり、日本にとっての国益が損なわれた。冷戦後の日米同盟を考える上で、非常によい作品。

  • ウルトラダラーがおもしろかったので読んでみた。次世代戦闘機FSXを国内開発したい日本とF15や他の戦闘機を売りつけたい米国との駆け引きのつぶさな記録。戦闘機を作って飛ばすという技術者のロマンは、転がり転がって日本に対する漠然とした不安のスケープゴートとして闇にきえる。本書で日本側は外務省が一番の役者になっているが、実際のところ三菱重工の中にはもっと熱い思いがあったのではないかと感じた。1980年代の空気、菊倶楽部という誇らしげなエリート集団、表舞台には現れない水面下の戦争のお話である。

  • 議会が大きな力を持つアメリカの政治システムを改めて勉強させてもらった。

  • ★くさいが深い★どうやってここまでの細かな情報を、それも米国側の動きを拾えたのか、いまさらながら元NHKワシントン支局長の取材力を知る。文章の表現はくさいが(これはその後の小説にも共通する)、ディティールに圧倒される。FSXを巡る日米の綱引きのノンフィクションはもちろん興味深く、その上、エピローグに記した湾岸戦争を巡る日本のスタンスの定まらなさが最も気にかかった。のど元を過ぎた今、あのときの熱さは忘れてしまい、結局国としての指針は得られていない。個人としても、完全徴兵制のあるトルコ人に国際社会の中での日本の軍事的な立場を問われて、それまで考えたことがなかったので何も答えられなかった悔しさを思い出した。とはいえ、結局今も自分に意見はないのだが‥。単なる「戦争反対」が国際的に通じるわけはなく、万が一北朝鮮が日本に爆弾を落としたとき、どう答えるかくらいは少なくとも考えておかねば。

  •  外交ジャーナリスト、手島龍一の本。
     『外交敗戦』と同じテイスト、同じ問題意識を持って描かれている。相変わらず彼の著述は、複雑な外交過程を余すところなく描いており、圧巻。日米それぞれの政府・議会の思惑、国内のナショナリズムが絡む外交の動態を描く稀有な書である。
     特に最終章「黄昏の日米同盟」では、戦後の日本外交・日米同盟に生じたゆがみ、貿易不均衡が日米の同盟関係にいかなる影を落とし、同盟国相互の猜疑心が生まれていく様子を描き、興味深い。そしてこれが決定的になるのが、1991年の湾岸戦争であり、それについては『外交敗戦』に詳しい。
     さまざまな利害がからみ、いわゆる「正義なき」国際社会の中で
    、政策担当者はどう考え、どう国益を実現するために動くのか。そもそも「国益」とは何か。本書は冷戦直後の日米関係を描いたものであり、現在の外交問題と直接的な関連があるわけではないが、それでもなお、日本が国際社会でいかに立ち振る舞うか、外交官としていかなる戦略を立てうるか、といった点で、示唆に富むものである。

    「最良の外交交渉とは、勝者も敗者も作ってはならないのだ。」 byリチャード・アーミテージ、p85

  • F-2関連。読み物としては面白くないかも。

  • 緻密な取材に基づくノンフィクション。でも緻密過ぎて読み物としての躍動感にかける。

  • 超大国アメリカは、どんなにひどい外傷を受けようと、時に平気で受け流す。だが、脊椎そのものに触れようものなら、慢心の力を込めて反撃に出る

    というのが一番印象に残る

  • F−2を語る上で避けて通れない本です。F−2、日米関係、航空産業、キーテクノロジーどれかに深い関心を持ってる方ぜひ読んでください。

  • 『外交敗戦』よりは読みやすい。日本人の鬱積されたナショナリズム、そして、日米同盟の真の目的。どうして日米同盟は大切なのか、難しい問題ですが、この本にはそれを分かりやすく噛み砕いて解説してあると思います。

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たそがれゆく日米同盟―ニッポンFSXを撃て (新潮文庫)の作品紹介

次期支援戦闘機・FSXを自主開発したい-。それが、日米同盟のジュニア・パートナー日本の悲願だった。だが米国は、ニュー・ゼロファイターを許そうとしなかった。ニッポンが独自の航空機産業を育て、ワシントンから自立していくことを恐れたのだ。国家的ビジョンを持たぬまま、孤立無援の闘いを続ける哀しき外交戦士たちの姿がここにある。

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