下町不思議町物語 (新潮文庫 こ 54-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101381619

感想・レビュー・書評

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  • いつも元気な直之の真っ直ぐさと、純粋さは思わず子どもの頃の事を思い出してしまいます。

    最後も心が温かくなるようなハッピーエンドで、読み終えた後もいい夢が見られそうな心地よさが残るいいお話でした。

  • 初めて読んだ香月さんの本。最初は不可思議でどこか憧れる日常風景の描写に読みすすめて行ったら最後の最後で泣かされました。あらためて家族愛について考えさせられる一冊。

  • とにかくナオが健気で可愛くて、大人が愚かに見えてくる程でした。
    不思議町の方々とナオが笑っていると、ほっとするような心配になるような。これからどんどん世界が広がっていくといい。
    温かいお話でした。
    良いお話だったのですが、「高塔さんのとこへ行くのに貯金箱を持っていくだろうか」と疑問を持ったのに、大人であり親である宏尚がいきなりトトロを求めるのはなんだかなぁ、という気分です。サツキでもあんなに捜し回っていたというのに……。

  • 大都会の路地を抜けるとそこは不思議町でしたという香月さんワールド全開の物語。本文中によく出てくるキーワード「トトロ」をオマージュしたようなストーリー展開で、ジブリ好きな私としても読んでいて楽しめた。
    後半は私の心の琴線に触れたようで、ずっと泣きっぱなしだった。私はどうも子どもが不遇を受けてそれを一生懸命我慢しているという内容に弱い。そういうわけでナオが家出をする場面は切なくてたまらなかった。また、それを引き起こした事件を父親が悔いる場面でもすごくつらくて泣いたけど、最後はあたたかくて、感動の涙を流すことに。まさか香月作品でこんなに泣くことになるとは…。
    今まで読んできた香月さんの本はそんなに多くないけど、これは他の作品とは少し毛色が違う印象だった。彼女の作品の大人たちはすごい人たちばっかりで、その人たちと接していくことで子どもが成長していく話が多かったけど、今回は大人も子どもと一緒に成長する話だった気がする。

  • 2013/8/13
    ほのぼのした短い本。
    お化け大好物ですよ。
    これシリーズもんなの?
    ママはそのまんまの人なの?
    縁があったら読みます。

  • この世のものではない不思議な者たちとの関わりを持つ人々が登場し、
    主人公の心を支えながら成長させていく物語です。

    ************************************************************************************
    大阪から転向してきた小学六年生の直之。
    幼い頃の病気が原因で年齢の割には身体が小さく、
    方言のことや、母親がいないことなどを同級生にからかわれるが、
    元気いっぱいで明るい直之は徐々にクラスで仲間が増えていく。
    父親の実家は昔からのお金持ち。
    両親が離婚してから父親に引き取られて実家で育てられるが、
    厳しい祖母の辛く当たられても直之は挫けず精一杯毎日を過ごしていた。
    直之がくじけないのには理由がある。
    それはふと迷い込んだ路地で知り合った不思議な能力を持った師匠と、
    その怪しくも優しい仲間たちがいつも励ましてくれるから。
    そんな時、学校で大きなトラブルがあり直之は家出をしてしまう。
    ************************************************************************************

    著者の香月日輪さんは『妖怪アパートの幽雅な日常』を書かれた方で、
    妖怪のすむアパートで仲良く暮らす若者を描いたこの作品は大ヒットシリーズとなっています。
    また、先日読んだ「僕とおじいちゃんと魔法の塔(1)〜(5)」も感動的で、
    現在発売されている第5巻まで一気読みしてしまいました。

    香月日輪さんの作品には妖怪や不思議なものが数多く登場しますが、
    物語の中心になっているのは「成長していく子ども」という設定が多く、
    読んでいて心が温かくなってくるものばかりです。

    今回ご紹介しているこの作品でも、
    身体が小さくて勉強が出来なくて母親が居なくて、
    それでも元気いっぱいに明るく頑張っている小学生が主人公です。

    喧嘩を売られてもしっかりとやり返したり、
    苦手な勉強も「師匠」のおかげで徐々に成績が上がってくる。
    頑張っていれば必ず報われるということが、
    物語の中にさりげなく盛り込まれているんだなと感じました。

    主人公の周辺にいる不思議なものたちも、
    主人公を温かく見守り優しく接することで、
    主人公の男の子が素直にスクスクと育っていきます。

    物語の構成はシンプルながらも軸がしっかりとしていて、
    読み進めるうちに物語の中にグイグイと惹き込まれてしまいました。
    結末もとてもシンプルで心温まる内容なんですよ。
    休日にノンビリと部屋で涼みながらサラッと読むのに最適な一冊です。

  • 子供向け、だったなぁ。文字も大きくて、薄くて。
    悪くないけど、私には必要なかったなぁ。

  • 必要な人だけが辿りつける町に、主人公はたどり着く。

    そこは幽霊が普通にいてて、不思議な力を持つ人の町。

    その人たちと出会ったことが、主人公をかえる。

    子どもの想いが、とても切なく、愛に涙する。

  • ちびっこが一日一日を頑張って生きている作品。
    ラストでギスギスしてばらばらだった家族が、ほんのちょっとした言葉で絆が結びなおされるところにはホロリとした。

  • 夏休みにおすすめ。

    小学生の直之とちょっと不思議な町に住む彼の師匠のお話。
    師匠の言葉は心にすとんと落ちつく。

    大きい手で頭をぽんっと撫でてもらったときのようなあったかい気持ちになった。

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著者プロフィール

和歌山県生まれ。本シリーズの第1作目で産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞。「ファンム・アレース」シリーズ(講談社)「大江戸妖怪かわら版」シリーズ(理論社)など、YA(ヤングアダルト)小説の作家。

「2023年 『妖怪アパートの幽雅な日常(26)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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