迷宮百年の睡魔 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (586ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101394336

感想・レビュー・書評

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  • 多少時間が掛かってしまった。
    移動時間の減少が考えられる。

    ミチルとロイディの関係に憧れが巻き起こって仕方がない。
    それは、まるで漫才師に求める感覚に近いものがあるように感じた。

    精神と肉体は、果たして分離できるものなのであろうか。
    常に感じる疑問である。
    どうなのだろうか?こんなこと倫理的にはマズい…という陳腐な思考が浮かび上がる。しょうがない。
    百年シリーズはいつぐらいに最終が出るのだろうか。
    この、感覚を忘れない内に読みたいという贅沢な願いは叶うのでしょうか。

    最後に、エピローグの、夢の世界に震えた。
    ミチル、血、生きていることと、死んでいること…って?

  • ミチルとロイディの2作目。ウォークアローンというアンドロイドであるはずのロイディが前作と比べて人間臭くなっているのがなんとも可愛らしい。
    ミステリとしては反則技が多いので評価しにくいけれども、SFファンタジー的な雰囲気と世界観にどっぷり浸りこめるので好みでした。

  • 百年密室を読んでおかないと、愕然とすること間違い無し。

    メグツシュカ様はあの人だよねぇ、やっぱり・・・

  • なんか、うん、森博嗣読んでてかつ、これを読んだ人には感想言わなくても何を考えてるかわかるでしょう。わざわざ言うまでも無いですね失礼しました(・ω・)読んでない方も読めばわかりますw 時間を忘れるくらい面白かった。 \メグツシュカ/

  • 古い読書記録より。

    女王シリーズ第二弾。
    ミチルとデボウ・スホの間柄がますます親密に。
    そして深まるスホ家の謎。

    SMシリーズでは分からなかったが、G、X、と読んでいき、スカイクロラシリーズなどにも手を付けていくと、
    森博嗣は意外とファンタジー・幻想寄りの話につよいことに気付いた。
    中でもこの迷宮シリーズは特に幻想チックな語りと世界観が強い。
    推理小説のときは抑え気味の、独特の調子を持ったリリカルな言い回しや表現が頻発するので、
    途中から夢と現の区別がつかなくなったような、ふしぎな感覚を持つことになる。

    しかしこのシリーズ、確か三部作と聴いていたが、
    随分な時間が経ったものの3作目の声をとんと聞かない。切に完結を望む!

  • 前作を2回読んで好きになったので、こちらも。
    ミチルを勝手に凄い美少女として想像したがら、楽しく読み終えました。(漫画もあるみたいですが私は読んでませんので。)

    ストーリーは相変わらず、ミステリーだなんて思ったら負け、な感じでしたが、主人公達の行動や言葉に、ずぶずぶ入り込んでとても楽しめました。

  • 2ヶ月かけて2回読んだ。本の内容というよりも、読んでる自分自身が不安定過ぎて、中々進まなかった。ただ純粋に生きようする躰と、コントロールしようともがく頭脳。それに『心』を与えられては、「悩」みは尽きないものだな、と。私は、ロイディがとても好き。元から『心』を持ってて思い上がってる人間より、ミチルに与えられたものを少しずつ積み重ねていって、真っ直ぐに情を向けてくれるロイディが、とても好きだなと思った。

    p.211 「きっと教えないことに価値があるからです」
    ●ある意味真理で、どこか綺麗事のようで、いつまでも理解できないと思うことば。
    「教えないことに…」
    ≒「考えることに…」?
    ≒「自分なりの答えを見つけることに…」?
    ≒「言葉にしないことに…」?

    人はいつも、そういうのが好きだと思う。不確定で、曖昧で、思わせぶりなことが。

    p.238 知りたい、と思っている、この状況が、なにかを忘れさせてくれる。
    ●過去におっきな後悔があると、無理にでも前を向くことだけが、思い出さない手段なのかな。「未来の可能性」。またの名を「希望」。
    すごく都合のいい私自身にあてはめると、未知の事なら何を考えてもいいから、それを思うときは今までの間違いや失敗を一瞬でも忘れる免罪符にしたいのかなって思った。

    p.513 「生きているのは、ミチル、あなたです。間違えないで。人間は意志によって存在するのです」
    p.559 「あなたが生きていれば、あなた以外の誰かが、あなたに会いたいと思う。他人に、そう思わせるキーワードが、生きているということかしら」
    ●メグツシュカの言葉だけに、重い。逆に、「自分の意志で生きなければだめ」って言ってるみたいにも聞こえる。生きて欲しい、と。
    超ドライで、頭も超良くて、超人間離れした美貌の女王様が、意外と「普通」の「意志」で生きているんじゃないかと思った瞬間。

    ラストの次が楽しみだけど、これ、完結するの?過去は変えられないし、ミチルは相変わらずだし、女王様は謎だらけ。

    何回読んでも楽しめる本。

  • ようやっと読みました。漫画版を先に読んでいたのですが、内容をきれいに忘れていたので、また読み返そう。砂絵のとこしか記憶にないもん。
    読んでいるとだんだん、生死の境が曖昧になる、ある意味戦慄の小説。
    「あなたが生きていれば、あなた以外の誰かが、あなたに会いたいと思う。他人に、そう思わせるキーワードが、生きているということかしら」(P.559)
    じんとくる。

  • s&mシリーズやVシリーズなどの他の森作品も好きだが、この百年シリーズが一番好きかも知れない。

  • ミチルとロイディのコンビが本当に好きです。舞台が変わっても作中に流れる奇妙な不気味さと二人の独特で素敵な関係性は健在でした。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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