恋文・私の叔父さん (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101405209

感想・レビュー・書評

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  • 直木賞を受賞した短編集です。全5編で、どの作品も男と女の人生が描かれています。有名なのは、表題作『恋文』と『私の叔父さん』でしょうか。
    私は恋愛に関する小説というものが苦手で、これまであまり読んでいません。なぜ苦手なのか考えてみると、なんとなく馬鹿馬鹿しいというか、そのような印象を受けるのです。
    しかし今回の作品達はどれも興味深く読むことができました。それはきっとミステリーだからだと思います。特に好きなのは『恋文』と『ピエロ』です。『恋文』は「愛とは相手に一番やりたいことをやらせる勇気」という言葉とラブレターが感動でした。『ピエロ』は男性の生き方が素敵でした。
    ぜひ読んでみてください。

  • 恋愛小説をあまり読まない私には、連城さんは縁がない作家さんだと思っていました。表題作の『恋文』を読んだら「やられたー!まずいなぁ」と思いました。いいじゃないですか、とっても。女心も男心も共感せずにはいられません。いや、本当はダメな男は好きではありません(苦笑)が、ヒロインの女性にしてみれば、そんなところもほっとけなくて愛しいのではないだろうかと思うわけです。
    『紅き唇』も好きです。
    この短編集に登場するのはどちらかというとダメ男さんが多いですが、女性は気が強いタイプが多いですね(笑)
    物語が美しいというか情緒的というか、連城さんの恋愛小説は絶品ですね。(この本しか読んでいないですけど^^; ) 本当に困るのです。とっても素敵な文章で間違いなく好みなのですが、こうオンナオンナしているのは読んでいて気恥ずかしいというか自分の痛さに触れるというか、居心地が悪いというか…。雰囲気は好きだけど、ストーリーは好きじゃないというのが今の私の心境です^^;
    でも好きじゃないけど、きっと連城氏の作品を読んでしまうのだろうなぁと(笑)
    それだけ魅力的でした♪

  • 本自体は短編集で最初の「恋文」から始まり、「私の叔父さん」で締められています。私は短編集だと読み終わるころには最初の方の話がぼんやりしてしまうのですが、私の叔父さんでは写真という形でラブレターが残されていて、初めの恋文を思い出させてくれました。一つ一つの話も短編とは思えないくらい深い味わいがあり楽しめました。
    愛ってなんなんだろーなー

  • 自己犠牲が通底している純愛短編集。『紅き唇』『13年目の子守唄』が印象深かった。直木賞受賞の表題作は今ひとつチューニングが合わなかった。チューニングが合わないと、タバコを海岸に棄てたりするそんな些末なシーンですら気に障ってしまう。おもしろいものだ。

  • すーっと読める、恋愛物の短編集。

    そして、深ーい愛のお話です。
    男目線で。

  • 10年振りで振向くのは男だからだろう。

  • この小説を書いているのは男なのだ。恋文なんてとても勝手な話だけど十分にありえると思ってしまう私は、男的な恋愛なのかしら??

  • 良かった。と同時に、上手い。と感じた。
    あとがきに書いてあったのだけど、「素人の名優」たちの一瞬の名場面からあれだけの話を紡げるのがすごい。

  • この作者のどの話も映像化しやすそう。(実際いくつか映画化されてる)
    男性目線(しかも年配)で女を描くとこんなふうになるのか〜。
    (良い意味でね)

  • これは最近映画になったとかいうことで、なんとなく買ってみた一冊。

    連城三紀彦(れんじょうみきひこ) 余談ながら作家らしいカッコイイ名前である。

    常人の感覚からは離れた様々な愛について書いてある。小説というよりもシナリオ、という感じがした。映像にしたら別の映え方をするんじゃないか、というものばかり。女の人からしたら「小説中の女が都合よく扱われている」という気持ちにさせられることもあるのかもしれない。

    地の文と会話が独特の混ざり方をするので、何となく慣れず読みにくいと感じたこともあった。これについては著者がミステリー作家である、というのを知ってなんとなく腑に落ちた感がある。

    本当にその人のことを好き、ってのは果たしてどういうことなのかとぼんやりと考えさせられる。

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著者プロフィール

連城三紀彦
一九四八年愛知県生まれ。早稲田大学卒業。七八年に『変調二人羽織』で「幻影城」新人賞に入選しデビュー。八一年『戻り川心中』で日本推理作家協会賞、八四年『宵待草夜情』で吉川英治文学新人賞、同年『恋文』で直木賞を受賞。九六年には『隠れ菊』で柴田錬三郎賞を受賞。二〇一三年十月死去。一四年、日本ミステリー文学大賞特別賞を受賞。

「2022年 『黒真珠 恋愛推理レアコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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