- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101443102
作品紹介・あらすじ
「夏樹静子のお葬式を出しましょう」-苦しみ抜き、疲れ果て、不治の恐怖に脅かされた闘病の果てに、医者はこう言った。時には死までを思い浮かべた鋭い腰の疼痛は、実は抑制された内なる魂の叫びだった。そして著者もいまだに信じられないという、劇的な結末が訪れる。3年間の地獄の責め苦は、指一本触れられずに完治した。感動の腰痛闘病記。
感想・レビュー・書評
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「病は気から」を筆者の経験から証明されており、同病者にとって元気づけられる一編です。
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センパイに勧められたのだが、言われたとおり置くこと能わずグイグイ一気読みさせる筆力! 夏樹氏本人の3年にわたる謎の腰痛との闘病記だが、西洋東洋医学と除霊系まであらゆる治療を試しても悪化していく痛みと恐怖と絶望の描写の凄さ。そして、本当の原因がわかり、それを受け入れていくまでの変化。大長編を読んだ気分。
私自身も走り続ける性格であり、自分の感覚ばかり信じるきらいがあるので大いに反省しつつ、10年も治らぬ肩の痛みももしかして…と思ってみるのである。 -
ブログをこちらに書きましたので、宜しければお読みください。
↓
http://sommelierofbooks.com/study_training_history/backpaindiary/
大作家である夏樹静子が、
3年間にわたる腰痛闘病生活について
面白おかしく綴った本
『腰痛放浪記 椅子がこわい』。
腰痛の原因は大抵の場合『椎間板ヘルニア』だったり、
『脊柱管狭窄症』だったりと身体性のものです。
しかし夏樹静子の場合身体治療をどれだけ
施しても治らない。
果たして彼女の結末やいかに? -
夏樹静子自身の経験、自覚もない長年の心への負荷から、多様な体の症状を発症、原因にたどり着くまで、ありとあらゆる試行錯誤と赤裸々な心の声を丁寧に記録した闘病記。心身症という状態がありうることに目から鱗。
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ミステリー作家が語る実体験。心因性の腰痛ということで、その治療を通して深層心理と向き合うところは推理小説のよう。ただ、理解できない描写も多くこの評価。
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腰痛の描写が恐ろしい。
痛みが読み手にも伝染しそうなほど。
たまたま自分の腰痛の調子が悪いタイミングだったので痛みが増しそうで読み進めるのが怖かった。
8合目ほどまではひらすら著者が腰痛に苦しむ描写ばかりで何を試しても良くなる兆しもなく、このまま終わってしまうのではないかと思った。
担当医にあたる描写などもあけすけに書かれているが、それほど痛みが辛く酷いものだったのだろう。
よく耐えたものだなと思う。
著者は様々な支えがあったから乗り越えられたものの、もしもこれが孤独な人間だったら…と思うとゾッとする。
心の負荷がこれほどまで身体へ直結するものだとは知らなかった。
本質とは逸れるが、複雑な感情や高度な知能なんて持たない方が人間は幸せだったのではないだろうか。
心身症やうつなどはそれらの副産物だとしか思えない。
こんなリスクを抱えるくらいならもっと単純な別の生き物でいたかったと思ってしまった。 -
病気に対峙することで自分を知ることができた、ということなのでしょうが、自意識強めの文章がちょっと鼻につく。
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自身の体験記。