新宿熱風どかどか団 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101448282

感想・レビュー・書評

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  • 前作、本の雑誌血風録と少し被っているけど、椎名誠が会社をやめて、作家としてどんどん活躍していって、本の雑誌社が正式に株式会社になって、といった時期のことが描かれている。それにしても、椎名の遅筆にいらついた星山編集長がケンカでタイホされて、あわてて書きはじめたり、あるいはサイン会やった同じ書店で一週間後に取りたい本の前に陣取った男をなぐりつけたり、なかなかに荒っぽいご時世だったんだなあ、と(今ならアウトだよなあ、と思いつつ)。前に読んだ時も一番印象に残ってるのは、「もだえ苦しむ活字中毒者の味噌蔵」のイラストを沢野ひとしがぜんぜん書かずに逃げ回って、滞在先の長崎から小包がとどいて、ようやく描いたかとみんなが安堵したら、中からカステラと、ごめんねてイラストが一枚出てきて目黒考二が「ばかやろう!こんなカステラ捨てちまえ!」と怒ったシーン。結局、発売は10ヶ月遅れた…と。あと群ようこの仕事が、総務庶務経理営業編集配宣伝広報担当かつ椎名誠への原稿依頼の窓口ってすさまじいなあ、と。そして、初サイン会への助っ人学生のサクラを頼んだ椎名誠への、目黒考二のただしくもクールな対応と、けど心配で見に行ってしまうあたりがほっこりしました。最後の方は、目黒社長が「会社を経営する、ということは無知でいてはいけない、ということでもあるんだ。非常に怒りつつ、そういうことがわかったよ」(p.328)と語った、本の雑誌社あわや倒産の一幕も垣間見えたり。

  • その昔、学生時代に夢中になって読んだよなーと回顧。
    25年前の著者が、フリーになる辺りの話。

    椎名本でたまに出てくるゲスト達が、
    こういううふうに繋がっていたのかとか、
    こういう出会いだったのねと、当時はどういう人?
    だったのかが不明だったが、これ読んで納得。

    野田さん亡くなっちゃったんだよねー...としみじみさせる一冊。

  • 30数年前は、何冊も読んだが、今読むと唯の雑文。
    じっくり読み込む小説を読んでいると、
    若い頃、何でシーナ本に熱中したのかナって不思議です。

  • 「哀愁の街に霧が降るのだ」から始まる、椎名さんの周辺のお話。

    「哀愁の街に〜」は学生時代のひとつの拠り所になっていた作品なので、その続編と言うことで当時を思い出しつつ読む。

    それにしても、良く出来事を覚えているもんだなぁ、と感心。

  • いつものメンツによるドタバタ私小説。時代は1980年代、「本の雑誌社」創業前後。本書は、今で言うと、個人のブログを読んでいるような感覚か。
    登場する名前が、糸井重里、嵐山光三郎など、当時を席巻したハイセンスサブカル系の名前。著者もそのムーブメントの中にいた。群ようこさんが、「本の雑誌社」の第一号社員だったとは。

  • 彼の「ハリホラ調」の文体が動員されるわけで、同類の感性をもつ俺には妙に伝わってくるのだ。登場する沢野ひとし氏のキャラは生きてるぞ。

  • これ続編だったんかい!?
    と読んでて気がついたんですけれども、前の巻のを読んでいなくても分かる内容ですので安心しました…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、実録の小説? みたいなものですかね。椎名氏の著作は時に小説なのかエッセイなのか、判然としない時がありますけれども、どちらも面白いので問題ないです。 ←え?? 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    何やら雑誌の会社を創設するとか? でまあ、その関連の話なんですけれども、どこかで似たような内容のを読んだことがあるような…内容が重複しているようなしていないような気がしますけれども、椎名氏独特の文体は健在ですので問題なく楽しめました。

    そうか、群よう子氏も椎名氏の会社で働いていたのですね…という、意外な経緯を知れただけでも収穫でしょうか…さようなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • シリーズ最終巻。名作「銀座のカラス」との、余りの落差......

  • 軽く。

  • 初めての椎名さんの作品。リラックスして読めた。

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著者プロフィール

1944年生まれ。作家。1988年「犬の系譜」で吉川英治文学新人賞、1990年「アド・バード」で日本SF大賞を受賞。著書に「ごんごんと風にころがる雲をみた。」「新宿遊牧民」「屋上の黄色いテント」「わしらは怪しい雑魚釣り隊」シリーズ、「そらをみてますないてます」「国境越え」など多数。また写真集に「ONCE UPON A TIME」、映画監督作品に「白い馬」などがある。

「2012年 『水の上で火が踊る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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