ちんぷんかん しゃばけシリーズ 6 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101461267

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらずの短編集ですが、縦軸に恋愛要素を絡めてます。
    若だんなのおっかさんの若い頃の話は良かったです。祖母が大妖で~とは毎回書かれているけど、その娘であるおっかさんの話はとんと出てこないので、ああやっぱり見えるのね。と安心(?)したり、屏風のぞきや鳴家たちはこの頃からもう長崎屋にいるわけねとちょっと歴史が見えてみたり。そりゃ長崎屋が妖でうるさくても大丈夫なわけだと納得。
    他にも腹違いの兄、松太郎の結婚、幼馴染の栄吉の修業、若だんなの淡い恋心など、出会いと別れが描かれてます。

  • しゃばけシリーズ第6弾。

    若旦那が三途の川へ行ってしまったり
    父母の馴れ初め話があったり
    お馴染みの広徳寺の話などありましたが
    1番 心に残ったのは【はるがいくよ】
    桜の古木の花びらの妖。古木の妖ではなく花びら。
    桜の花は散るのが早い。
    それを2人の兄や達が若旦那と重ね合わせ…。
    去りゆく側、見送る側、どちらも切ない。
    人と妖の時間の流れは大きく違うんですよね。
    若旦那の「私もいつか、皆を置いてゆくんだね」の一言がとても切なかった。

  •   しゃばけシリーズ第6弾。5編の短編集。
     いつもぎりぎりのところを生きている若だんな、ついに三途の川へ・・・そんな時でも、一緒に来てしまった鳴家やそこで出会った末松たちの心配をしているところが若だんならしい。根っからの善人。
     ラストの『はるが行くよ』では、桜の花びらの妖・小紅との出会いと別れから、若だんなと仁吉・佐助たち妖とのいつか来る別れを感じさせるものだった。

  • 人の一生は儚いものだと感じました。
    誰もが死にたくない、ずっと誰かといたいという気持ちで生きているが、生き続けるという選択肢も選びたくない。
    なんて贅沢だろうと思いましたが、何も心配なく健康に過ごせているのが幸せなんだなと、考えさせられました( .. )

    今回も相変わらず、緊迫感のあるストーリーで楽しめました

  •  「鬼と小鬼」は伊邪那岐・伊邪那美で卒論を書いた私には面白かったです。漫画なんかでよくある話ではあるけれど、若だんなののんびり加減ややなりの可愛さがたまりません。オチは結局いつもの苦い薬みたいだけど(笑)。
     涙目の兄や達にこちらもじんと来ました。若だんながあんまり焦らず石積んでいる内に、兄やたちは心配で大変な日々を送っていたんだろうな、と。
     「ちんぷんかん」は秋英の悩みと成長が逞しい話でした。和算の問題と答えは読み飛ばしましたが(笑)、狸と切羽詰まった問答はハラハラしました。
     秋英は兄や達が人間でないことも早々に見抜いていたし、やなりもお獅子も普通に見えているし、才能を多分に秘めている気がします。是非自信をつけて再登場して欲しいです。
     「まじめな牛蒡という妖!」「牛蒡はまじめでありましたか!」このやなり達の会話が可愛すぎです。最後に「牛蒡」と嬉しそうに秋英を撫でているのも、ツボにはまって笑いました。最後はやっぱりやなり達が持っていきますね。
     「男ぶり」はおたえさんの前に普通に妖達が寛いでいて、ちょっとびっくりです。おたえさんと妖で謎ときしていく様子は若だんなそっくりでしたが、ちょっと若だんなの方が頭が良さそうかな。
     「はるがいくよ」の全体を包む切なさが、私はちょっと苦手でしたが、傑作だと思いました。 

  • 若だんなと妖たちの不思議な冒険の日々はまだまだ続く。

    しゃばけシリーズ第六弾は、おなじみの短編集。長編『うそうそ』を経て、また少し成長する若だんな。愉快な仲間たちの様々な気持ちも知り、ますます広がるしゃばけの世界。

    「鬼と小鬼」若だんな、とうとう三途の川へ。なんとか生き返れたけれど。火事の多い江戸の町で、長崎屋も火事にあう。三途の川を見るって結構ピンチだと思うけど、いつも通り焦らない若だんなになんだかほっとした。

    「ちんぷんかん」広徳寺の寛朝様の弟子・秋英の話。縁談の相談かと思いきや、本の中に連れ込まれてしまう。ぼやきつつも、寛朝の思う通りに妖の面倒事を片付ける秋英。寛朝様は食えないお人である。

    「男ぶり」母・おたえの恋愛話。普段息子に甘々の父母だけど、少なくとも父・藤兵衛の方は昔から甘い人だったようで。

    「今昔」松之助兄さんの縁談と、陰陽師騒動。兄さんの縁談をまとめようと、(もしくは若だんなを攻撃した陰陽師をやっつけようと)妖たちも奮闘。意外な犯人と、もうひとつの真相。

    「はるがいくよ」花びらの精・小紅をどうにか留めようとする若だんなと、反対する兄やたち。はかない命を留めようとするわがままな想いは、兄やたちもよく知るもので。若だんなのした判断は。優しくも、切ない物語。

  • 若だんなは屏風のぞきよりいい男なのかーと普通に納得しかけて、もしや皮衣の面影があって仁吉は皮衣がずっと好きで……?????と考えていたら小紅の話があって血文字を書いて死ぬ!!!

    普通に見ても若だんなは可愛い顔はしてると思います。童顔らしいし

  • 2016.02.29.読了

    鬼と小鬼
    ちんぷんかん
    男ぶり
    今昔
    はるがいくよ

    鬼と小鬼
    火事にあった若だんなが
    賽の河原に行ってしまうお話。

    ちんぷんかん
    上野 広徳寺の寛朝様の弟子 秋英のお話。

    男ぶり
    若だんなのお母さん おたえさんが
    何故長崎屋の奉公人と結婚したのか
    おたえさんの若い頃のお話を

    今昔
    陰陽師と松之助の縁談が絡んだお話。
    久しぶりに貧乏神の金次が登場。

    はるがいくよ
    この話がこの中では一番好き。
    桜の花弁の妖
    小紅ちゃんのお話。
    若だんなは
    桜の花と同じ寿命の小紅ちゃんの命を
    長くしたいと
    植木屋さんや
    広徳寺の寛朝様に
    相談するが それはどうしようもないという。
    そんなお話。

  • しゃばけシリーズ6作目。
    「男ぶり」若だんなの両親の馴れ初めの話。
    その他、若だんなと兄やたちの話。

  • 畠中さんのしゃばけシリーズ

    相変わらず面白くて、あっという間に読んでしまう。

    今回の見所は、若だんなの母おたえとちちのなれそめや、若だんながついに三途の川へ!だったり、新しく小紅という妖が長崎屋に現れたり、懐かしい貧乏神金次も登場するところ。

    あやかしの愛くるしさがたまらない。

    また、解説では詳しくしゃばけシリーズのもととなったであろう文献も紹介されて、より江戸時代に興味が湧く内容となっていた。

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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