ちんぷんかん しゃばけシリーズ 6 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101461267

感想・レビュー・書評

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  • 「しゃばけ」の続編。「ちんぷんかん」「いっちばん」「ころころろ」3冊を一気に読了。
    お馴染み大店の若だんなと、妖たちが繰り広げる謎解きファンタジー。
    このシリーズは心休まる。段々、謎解きの内容がライトになってきている気がする。大半は、ご近所に住む友人たちの悩みごとを、彼らが解決していく話が多いのだが、人が死んでいくこともなくなり、平和な物語を好む私にはちょうど良い内容に近づいて来ている。
    中でも、「餡子は甘いか」と「ひなのちよがみ」が好き。
    「餡子は甘いか」は、珍しく若だんなの親友であり、菓子屋の跡取り息子の栄吉が主人公。栄吉は、老舗菓子屋、安野屋で修行中。しかし、相も変わらず餡を作るのが苦手。そんなとき、八助という新入りが現れる。そして、自分よりもその新人が評価されてしまう、という屈辱的なことが起こる。栄吉は、若だんなの前で悔しさを泣きながら吐露する。そのシーンが印象的。栄吉がストイックに自分の仕事に向き合う姿と、それを微笑ましく見守る親友思いの若だんなもとても素敵。
    「何事に付け、やり続けることが出来ると言うのも、確かに一つの才に違いないんだ。お前さんには、その才がある。」
    という、主人の言葉も心打たれる。

    「ひなのちよがみ」は、紅白粉問屋のお雛が、店の売り上げを上げる為に、新たなアイデアを考えて試行錯誤をしていくのだが、白粉を売る為に、千代紙と白い紙を幾つか張り合わせて小袋にし、それに白粉を入れて販売する、という策を思いつく。更に他の店と差別化するために、月によって袋の柄を変え、女子同士の話題のネタにしようという。
    自分も広告の仕事をしているので、こう言う売る為のちょっとした工夫などが物語の中に出て来ると自然と反応してしまうのだった。
    男性にも負けず奮闘するお雛は、私の好きなキャラの1人でもある。

    今年も100冊目指してどんどん読み進めていきます!

  • 新キャラが出てきたり、兄の縁談の話が出てきたりと少し転換期を感じさせるお話が今回多かったように思う。
    相変わらずほっこりする読後感がありました。

  • とうとう若旦那が逝く?!
    初めのお話のインパクトと、最後の話の切なさが良かった。

  • 若旦那ーどーなっちゃうの!!と思いながら読みました。お坊さんの話は、見てないようで見てる和尚さんがステキだと思いました。

  • 「はるがいくよ」がすごく切ない気持ちになるけど、すき。

  • いつものテンポで楽しい

  • しゃばけシリーズ第6弾。広がりに広がるしゃばけワールド。合いも変わらず若だんなは病弱に磨きをかけ、今回は三途の川まで行ってしまうとは。。。
    今作では「はるがいくよ」が好き。行ってしまう者と残される者。どちらにも生きることの無常さ、悲しさを残していく。若だんなの行動は、一見子供じみたものにも見えるが、そうして生きること・死ぬことを経験していくのだと、自分の今までを振り返ることにも繋がったので、読み終わった後なんともいえない気持ちになった。。。次回はどんな物語が出てくるのだろうか?

  • 表題作の「ちんぷんかん」がよくまとまっていて面白かった。サブキャラの話が面白いなんて畠中さんのキャラクター作成能力(?)はすごいなと思う。
    「はるがいくよ」は会ったばかりの妖に情けかけまくりの若だんなにちょっと違和感を感じたけれど、最後のまとまり方が素晴らしかった。

  • ☆3.7
    虚弱体質の若だんな、ついに死す!?火事の煙にやられ、気を失った若旦那が目覚めたのは三途の川のほとりだった・・・。
    まーあんなに過保護にされてちゃなかなか死ねないわなー。手代の二人や妖たちに囲まれていつもの若旦那。兄の松之介に結婚話が持ちあがったり、陰陽師の式神に狙われたり、父と母のなれそめを聞いたり、怪しくも楽しげな毎日。

  • 今回の話は火事から立ち直るあまりの早さにびっくりしました。知ってたけど江戸ってすごい;慣れてるからなのだろうか。松之助さんの縁談とか若だんなが三途の川見ちゃったりいろいろありましたが、最後の話が一番切なくて温かくて好きでした。命はいつか散り行くもの…。きっと若だんなも小紅と同じ気持ちだったのかなと。

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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