魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101465227

感想・レビュー・書評

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  • 久々の米原本返り咲き。

    タイトルと表紙のかわいらしいイラストから彼女はおとぎ話系も書けるのかと思い込んでその表紙を開くとそこにはいつもの知的かつ猥雑な米原節があった。ひと安心である(笑)

    今後も定期的に彼女の文章に触れて脳みその洗濯をしたい…、またもやそんなふうに思わされた次第。続けてゆこう。

  • 1996年に出版されたエッセー。1990年代前半までの出来事を取り上げており、歴史を感じさせる一方、視点が鋭く、内容は普遍的なものだった。また、切れ味がよい文章で、読んでいて小気味良かった。

    本書は、豊富な異文化体験を有する著者ならではの語り口で、物の見方や価値観が如何に相対的なものに過ぎないかを、適度にシモネタを交えなが教えてくれました。

  • 再読中。自分の常識は世界の非常識、ものの見方が変わる警句にあふれたエッセイ集。あらためて読むと、のちの創作活動の芽というか種のようなものもそこここに。何年たっても変わりない真理ばかりなのでエピソードはなつかしいものでも内容が古びることもなく、定期的に読み返したほうがいい本の一つかもしれない。
    ひさびさに読み返して、仮名ででてくる須藤某て佐藤優じゃないの?と思い当たったりもして…

  • 万里さんがトランプがアメリカの政権握っていること知ったら何ていうかなぁ。
    各国政治からシモネタ、小咄、守備範囲が広すぎる。
    徳永氏のエピローグもさすが万里さんの師匠...男だったとは。

  • 読書日:2017年5月5日-5月6日.
    数字の13は日本に於いては縁起が良い数字だと初めて知りました。
    Friday the 13th等で13は不吉な数字という思い込みがあったので驚きました。

    русский языкの通訳者ならではのрусскийや旧СССРの国々等のうんちくを笑いを交えて伝えてくれています。
    中でも笑ったのが、極寒の中外で小をする事と国際会議でのAdamとEveの出身地国の議題です。

    料理を最大限に発揮する国等々、面白い小咄が多くあります。

  • 目次からたいへん興味深い。


    「無知の傲慢。経験主義の狭量」


    メモ
    「努力しだいで改善が見込める分野にはどんどん理想パターンを取り入れ、容貌とか年齢とか努力の余地のない分野にはゆめゆめ理想パターンを描かないこと。これが幸せになるコツ。」

    「弱みとは、その人間が弱みと思いこんだ時点から弱みとなる」

  •  日本で暮らしているとどうしても物事を日本人の基準で考えてしまう。そして普段はそのことに気づくこともない。しかし著者のこの本を読むと当たり前だと思っていたことが実は世界の非常識かもしれないことが分かる。特に特に先の大戦についての話で、被害者側の視点に立つことがいかに難しいかを考えさせられる。また先進国の傲慢さの指摘など、メディアが口を噤む話題にも鋭く切り込んでいる。
     ソ連などの東側に精通していながら染まらず、相対的に物事を捉える著者の見識は示唆に富んでいる。そして毎回下ネタが上手い(笑)。

  • 文化違えば、立場違えば、考え方次第で、物事の捉え方はこんなにも違う。それを面白がれる余裕があれば人生楽しくなりそう。

  • 「相手の気持ちになって考える」はよく聞くが、国際交流には「第三者視点で考える」という事も大切だと分かりました。
    『人類の半分の価値』に大爆笑。

  • 同時通訳家であった彼女の言葉のセンスが光る一冊。そのリズムは軽快で、どこまでも言葉は美しい。
    いろいろな国のお国事情や小噺がいっぱいで楽しい。イスタンブールの海峡の眺められるホテルのバルコニーなんかで、ビールでも飲みながら読めたらすごく素敵なのにな。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。作家。在プラハ・ソビエト学校で学ぶ。東京外国語大学卒、東京大学大学院露語露文学専攻修士課程修了。ロシア語会議通訳、ロシア語通訳協会会長として活躍。『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川文庫)ほか著書多数。2006年5月、逝去。

「2016年 『米原万里ベストエッセイII』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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