人生に生きる価値はない (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101467306

感想・レビュー・書評

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  • 2018.03.08 社内読書部で紹介を受ける。

  • どうせ死ぬから人生に生きる価値はない、その考え方は極端ではあるにしろ理解はできる。この本は、かなり極端であり社会的に生きるとすれば考え方は変わってくるであろう。しかし、中島義道自身が社会的に生きようとしない常人ではないのであるから、そのような凡人的な話をしても意味がない。中島義道はあらゆることに鈍感な人を嫌ったが、私はあえて鈍感に生きている人に関しては社会的な意味では評価しているため今の段階では中島義道は生きづらいとわかっていながら、社会に負け生きやすくしない点でプロだとしか言いようがないなと思った

  • 【版元の内容紹介】
     人が生れるのも死ぬのも、苦しむのも楽しむのも、何の意味もない。人類も地球もどうせ消滅するのだから、この世のすべてに意味はない。だからこそ好き勝手な価値を創造し、自分の奥底から湧き出す欲望の実現に励むのだ。ニヒリズムの向こうに輝く一筋の光明、全身に横溢して来る自由な気分。一度読んでビックリ、二度読んでスッキリ。「明るいニヒリズム」がきらめく哲学エッセイ集。
    http://www.shinchosha.co.jp/book/146730/



    【目次】
    目次 [003-005]

    I 道徳の暴力 009
    いじめの「本当の」原因
    鹿鳴館
    「女性は産む機械」発言
    哲学と心の病
    池田晶子追悼

    II あれも嫌い、これも嫌い 055
    知的エリート主義
    ラカン
    特攻隊
    人間嫌い
    ワルシャワ旅行
    クールジャパン
    キレるおやじ

    III 哲学的に生きるには 119
    死を「克服」する?
    他人の幸福
    哲学塾・カント
    誠実であること
    コミュニケーション力?
    現代学生気質

    IV この世界が「ある」ということ 175
    ニーチェの季節
    明るいニヒリズム
    客観的世界?
    世界は消え続けてきた!
    ベルヒテスガーデン
    オリンピックとノーベル賞

    V 中島さんってそういう人? 229
    持続するいま
    ルドルフ
    「哲学塾カント」一周年
    城山三郎さんのこと

    あとがき(二〇〇九年元日 一万年後の今日(一二〇〇九年元日)、地球はどうなっているんだろう? 中島義道) [265-267]
    文庫あとがき(二〇一一年七月一六日 最後のオーストリア皇帝カールの長男、オットー・フォン・ハプスブルクの葬儀の行進を炎天下のもとずっと見学した後、やはり「過去」はないと確信して……。 中島義道) [269-271]
    解説(二〇一一年七月 野矢茂樹) [272-284]

  • 読了

  • びっくりするタイトルだが、読んだら生きる希望がなくなるというわけではない。
    むしろ生きる意味がないからこそ、小さなことにクヨクヨせず楽しんで生きようと言っているように思えた。

  • 仰る通りですと、思わずひれ伏してしまう自分が
    います(ま、冗談ですけどね 笑)

  • 哲学者によるエッセイです。あまりに直球ど真ん中勝負のタイトルなので、つい手に取って読んでみました。タイトルから予想し、期待したものとは、多少内容が異なりました。ふむふむとうなずけるところもありましたが、う~ん?と首を傾げたくなるような部分もありました。でもそれは、きっと自分の理解が足りないのだろうと思います。もっと深く読み込めば、著者の意図するところがわかるかもしれませんが・・・。
    時間は過去から未来へ継続・持続しているものだなんて錯覚かもしれないし、実際に過去も未来も存在しないし、いまこの一瞬だってすでに消え去ってないものだし、そういった見方をすれば、世界はまさに観念の集合なのかもしれません。在るのにない。ないのに在るものの中で、ひとはなぜ人生に意味を求めてしまうのでしょう?意味なんかないと言い切ることに、どうして躊躇してしまうのでしょう?
    そもそも、意味があるのか?価値があるのか?なんて考え、決めつけてしまうことが、不遜な態度なのかもしれませんしネッ。


    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

  • ネガティヴになりたい人向け

  • オーストリア帝国の最後期の皇太子ルドルフは偏執的に緻密な動物のデッサンをしたと、当書には記述されている。その先不幸の人となってゆく少年ルドルフのデッサンに没頭する姿を想像すると、胸を突かれるような感覚になる。人がその人の風合いの残るものを手がけているときの姿に、ときどき物悲しい感覚を憶える。これはどうしたことだろう。

  • オーストリアに対する示唆が面白かった。
    そのほかは、タイトルほどパンチを感じられなかった。

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著者プロフィール

1946年生まれ. 東京大学法学部卒. 同大学院人文科学研究科修士課程修了. ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士). 電気通信大学教授を経て, 現在は哲学塾主宰. 著書に, 『時間を哲学する──過去はどこへ行ったのか』(講談社現代新書),『哲学の教科書』(講談社学術文庫), 『時間論』(ちくま学芸文庫), 『死を哲学する』(岩波書店), 『過酷なるニーチェ』(河出文庫), 『生き生きした過去──大森荘蔵の時間論, その批判的解説』(河出書房新社), 『不在の哲学』(ちくま学芸文庫)『時間と死──不在と無のあいだで』(ぷねうま舎), 『明るく死ぬための哲学』(文藝春秋), 『晩年のカント』(講談社), 『てってい的にキルケゴール その一 絶望ってなんだ』, 『てってい的にキルケゴール その二 私が私であることの深淵に絶望』(ぷねうま舎)など.

「2023年 『その3 本気で、つまずくということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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