人生に生きる価値はない (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101467306

感想・レビュー・書評

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  • こういう事を言うひとに好感を覚えるのはなぜなのか。とはいえ著作を3作読んでみて、テーマは違えど言っていることが同じなのでもう分かりました、とも思う。「私の嫌いな10の言葉」にあらかた書いてあるので、それだけ読めば良さそうです。

  • 現代日本、思いやりのある社会を
    実現したら 百万単位の心の病
    戦国時代には戻れないので道は一つ
    他人にはもっと優しく
    もっと思いやりをもち
    そして自分はもっと病気に
    なりましょう!
    抜粋したのでひどく聞こえますが
    自己欺瞞の思想家や哲学者が言う
    優しさや思いやりではなく
    ホントの意味で 優しさ 思いやりを
    普通教 みんな一緒主義の日本では
    心の病に悩む方が正常だと
    そういうことなのかと

    戦う哲学者 中島義道さんは
    女性から非難されかねないことも
    言いますが 一理あるともとれる
    キツいことも言うけれど
    嘘偽りのない言葉で
    誠実で 優しく 愛情溢れる方だと
    感じます。
    誠実でないことに
    怒りっぽいけど(^-^;

  • 唯我独尊ともいえる発言を連発してもあまり嫌みがないのがいい。
    エッセイなので、哲学書にありがちな小難しさもほとんどなく、あっさりして読みやすい。

  • 中島義道先生による哲学エッセイ集。長年、カント研究に取り組んできた人だけあって、本書全体を覆うニヒリズムが心地よい。(中島先生の書くところによると、ニヒリズムの始祖はニーチェではなく、カントらしい)
    本書を読んで初めて知ったのだが、中島先生と、分析哲学の大家である野矢茂樹先生は同門(共に師匠は大森荘蔵先生)とのこと。このお二方、共通点がまるで見いだせないのだけど、実際、野矢先生は本書の解説で「人生に生きる価値はないとは、いったいどういう意味なのだろう」と記述している(汗)。でも、きっと仲は悪くないのだと思うが。
    話が逸れたが、私も、あと何十年か「生きる意味」とか「人生の目的」を探し続けて、見つからないまま墓に入ることが目に見えるようで、何とも虚しいことこの上ない。この虚しさを心から楽しめるようになりたいものだね。

  • 頭が良すぎる人の言ってることは, たまによくわからん。よくわからんが, 毒のある文章はいい。

  • 鬱病チェックにかならず入っている項目が、「人生に生きる価値はないと思える」であり、それにマルをつけると、すぐに「精神科受診」となるのですが、私としては「そう考えるのは異常なことなのだろうか?」と。
    中島義道氏は、自分という存在(錯覚)も含めて、世界のすべてがいずれ確実に消滅してしまう中で、世の中の「意味はある」というゲームに没頭して、「意味はあるかもしれない」と自己欺瞞を続ける人々に対して真っ向から批判を突き付ける。
    とにかく、中島氏の文章はニヒリズムのようでありながら、病気のように見えながら、その「諦念」とも言えるべきものは、むしろどこか極めて健康的で、人生にとって潔い態度でもあり、スッキリとしたものを覚える。

    高校生に、雑談にでも、とこの本の「死を克服する」の一節を読ませたら、まるで現代文の解読のような真面目さをもって「わかりません」の嵐で、すっかり1時間の「勉強」になってしまって、辟易した覚えがある。

    笑えたのは、電車の中で化粧をしている女子に水鉄砲で戦うとかいうもの(笑)

  • 書名に膝を打って購入。
    彼の言っていることを飲み込むには、私はまだ若すぎるのかなと思いました。

  • すごく自分と似た考えが多くて
    大人のユーモアもなかなか。

  • ほとんどの人には生きる価値などない。
    著者が大学教授をやっていけていたのかが疑問になる内容でした。

  • 生きる意味を見失っていた時に読んだこの本。
    人生がいかに意味がないかを書いていて気分が落ち込む本なの
    ではないかと思うが、そうでもない。
    生きることに殆ど意味はない、なら縛られず自分のやりたいように
    やろうっと思ったよりも前向きな内容だ。それ以外は
    作者の回顧録が多い。内容がぎっしりと詰まっていることを
    期待していた読者はがっかりしただろうが、新しい見解を取り入れると言う点ではいい本だと思う。

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著者プロフィール

1946年生まれ. 東京大学法学部卒. 同大学院人文科学研究科修士課程修了. ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士). 電気通信大学教授を経て, 現在は哲学塾主宰. 著書に, 『時間を哲学する──過去はどこへ行ったのか』(講談社現代新書),『哲学の教科書』(講談社学術文庫), 『時間論』(ちくま学芸文庫), 『死を哲学する』(岩波書店), 『過酷なるニーチェ』(河出文庫), 『生き生きした過去──大森荘蔵の時間論, その批判的解説』(河出書房新社), 『不在の哲学』(ちくま学芸文庫)『時間と死──不在と無のあいだで』(ぷねうま舎), 『明るく死ぬための哲学』(文藝春秋), 『晩年のカント』(講談社), 『てってい的にキルケゴール その一 絶望ってなんだ』, 『てってい的にキルケゴール その二 私が私であることの深淵に絶望』(ぷねうま舎)など.

「2023年 『その3 本気で、つまずくということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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