囚人狂時代 (新潮文庫 み 27-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101473215

感想・レビュー・書評

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  • 殺人犯の書いた本というのは意外と少ない。あったにしても、あくまでも殺人犯として書かれた手記のようなもので、作家として書かれた本は少ない。

    見沢知廉は極右として活動していたが、近しいところの鈴木邦夫が90年代サブカルシーンで活躍していたように、見沢の筆致もその頃の匂いを放つ。
    サービス精神は旺盛な文章で、ただそれは当時のサブカル読者との距離の近さ、共犯関係が成立しているからで「このようなことを書けば喜ばれるだろう」という推測の精度が高かったからのようにも思える。ちなみに文庫の解説は香山リカである。

    著名犯罪者の塀のなかでの様子も書かれるが、それ以外の部分もおもしろかった。巻末には千葉刑務所の受刑者への案内、ルールなどが書かれた書面なども転載されている。

  • あまりにも普段の生活とかけ離れた生活について、たくさん驚いた。

  • 新左翼から新右翼へと転向し、ゲリラ事件で懲役12年を千葉刑務所で過ごした著者が綴る異色のルポルタージュ。鬱屈した刑務所の生活や「大物」犯罪者の素顔をどこかコミカルに描いている。一柳 展也のエピソードと医療房での生活が特に面白い。

  • 中が見えない塀の内側って気になるのが人情です。
    まっとうな人がなかなか見ることができない塀の中。
    この本では、刑務所の中の様子をしっかり伝えてます。
    ある意味、読者の知りたい欲求をある程度満たしてくれます。
    塀の中の日常が割りと読みやすく軽いタッチで描かれていて、
    とかく重くなりがちな「塀の中のあれこれ」が良くわかる。

  • 囚人達のキャラクターがいい
    刑務所の環境にも色々とあることがわかる

    終盤、著者の話が始まって鼻につく

  • 一生触れることのできない世界は超★魅力的!!それが刑務所の中であっても。

  • けーむしょの中のお話しなのですが、あっけらかんと記されてるです。
    そして、やっぱり悪いことはしない方がいいわ。とな、思うです。
    おお!っちう大物もでてらっしゃるので、読み応えありでした。

著者プロフィール

1959年、東京都文京区生まれ。高校在学中に共産主義者同盟戦旗派に加盟、1978年の三里塚闘争で成田空港占拠闘争に参加。中央大学法学部2部除籍中退。1980年より新右翼活動に入り、1982年、新右翼の一水会・統一戦線義勇軍書記長に就任。日本IBM、英国大使館等への火炎ゲリラ活動を行い、同年秋、スパイ粛清事件で逮捕。懲役12年の判決を受け、千葉刑務所などで1994年12月まで服役。1995年、獄中で執筆した『天皇ごっこ』を発表し、第25回新日本文学賞の佳作。

「2011年 『背徳の方程式 MとSの磁力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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