僕の名はアラム (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102031063

感想・レビュー・書評

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  • この時代に生きたわけでもないし、外国に移民したこともないが、それでも懐かしく切なく胸に迫った。
    これ、若い時に読んでたら、面白いとは思っただろうけど、ここまでグッときたかどうか。こういう老人やおじさん、悪ガキが、どんどんいなくなっていっている。そういう人がいた時代には結構うっとうしかったりうんざりしたりしたものだけど、いなくなると何とはなしに寂しいものだ。
    日本であれば戦争を経験した人の言葉はやはり重みがあったが、雄弁な孫に対して祖父が言った言葉は実際戦争を経験したからこそ言えるわけで、今のジジババなら、孫が弁論大会の代表に選ばれて過去の戦争には意義があったとする演説をしたなら、誇らしくて大喜びするだろう。
    馬を盗んだ子どもに対する大人の取った態度や、本当に耐えがたい悲しみを言葉を超えて共有できる人たちのことは忘れずにいたい。
    もちろん切ないだけではなく、笑わずにはいられないユーモアもある。社会悪を告発するような作家ではないが、こんな風にノスタルジーを、愛しさを、ユーモアを描ける作家がどれだけいるだろうかと思う。
     挿絵がドン・フリーマン(『コールテンくん』!)なのもとてもいい。当時の様子が本当によくわかる。挿絵がもっと大きくても良かったのにと思う。
     こんないい本がこんなにいい訳で安く買えるなんて最高。たくさん買って「いい本だよ」とみんなに配って歩きたい。子どもが読んだら、ユーモアの方を大きく感じるだろう。歳を経るにつれ感じ方が変わるけど、いつ読んでも面白い本だと思う。

  • 楽しく読んだ。
    ユーモアがあり、力強さがあり、優しさがある。元気になります。
    原文をきちんと読めるわけでは無いが、この作品は訳によって印象は随分変わるんだろうな。サローヤン+柴田元幸が最高に良いということだと思います。

  • 年一

  • 10年、あるいはそれ以上前でさえ、細々としか読まれていなかったサローヤンがこうしてまた話題になっている、それだけでたまらなく嬉しい。

  • 登場人物たちは皆力強く、ルールから微妙にはみ出しマイペースに生きている。人間を肯定すること。一般的な正当からはずれた人への共感。
    短いセリフから人物の性格を表現するのが上手い。
    長老派協会聖歌隊の歌い手達 の ミス・バライファル など。

  • 叔父さんのほのぼのとしたキャラクターが何ともいえない味わいを醸し出していると思う。とくに、世界大戦の意義に関する演説を聞いたあとの反応が絶妙で面白いと思った。
    著者の実体験というよりも創作だと思われるが、妙に現実感あふれる雰囲気がよいと思う。

ウィリアム・サローヤンの作品

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