フラニーとゾーイー (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102057025

感想・レビュー・書評

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  • 今年は海外文学を読んでいきたいので、ずっと気になっていたサリンジャーから。
    大崎清夏さんのエッセイで『フラニーとズーイ』のラストが触れられていて、野崎訳で読みたかったところ、古本発見!

    神経衰弱の妹フラニーと、あの言葉この言葉で慰めようと奮闘する兄ズーイのお話。
    解説を読んで更に納得なんだけれど、
    “どうでもいい”ようなほんのわずかな動きや言葉選びが、その人物の人格まで細かに伝わってくるように描かれていて、立体的。没入感。

    海外文学独特の遠回し&ユーモアが難しく感じてしまうけれど、慣れてくるとクセになりすっごく面白い。

    ラスト、ズーイが他兄弟のフリをしてフラニーに電話を掛けるシーンからは涙も出そうに…。
    私は自分ごととしても落とし込める作品だと思った。(正しく解釈できているのかはわからない。。。)
    サリンジャー他作品も読みたい!

  • ・新潮社は村上春樹訳
    「世界の主役は、別に、自分じゃない。社会や他人は理想通りになんか進まない。そしてそんなことに拗ねるのではなく、自分にとっていちばん美しいことを目指して生きてこうな。この本はそんな、きわめて当たり前のことを説く。」
    「しっかりとその思春期のめんどくさぁい自意識に向き合ったうえで、「それだけじゃアカンで」とにっこり笑って釘を刺す。いつまでも自分が世界の主人公みたいな顔をして、自己愛ばかりこじらせてちゃアカンで、と。その釘の指し方が、ほかの青春小説よりもずっと地に足がついていて、私は嬉しくなる」
    (『人生を狂わす名著50』三宅香帆著 ライツ社 の紹介より)

    内容:
    「アメリカ東部の小さな大学町、エゴとスノッブのはびこる周囲の状況に耐えきれず、病的なまでに鋭敏になっているフラニー。傷心の彼女に理解を示しつつも、生きる喜びと人間的なつながりを回復させようと、さまざまな説得を試みる兄ゾーイー。しゃれた会話の中に心の微妙なふるえを的確に写しとって、青春の懊悩と焦燥をあざやかにえぐり出し、若者の感受性を代弁する連作二編。」

  • 『ライ麦畑でつかまえて』の主人公と同じように、偽りのない本当の自分としての人生を送ることに価値をおき、それが出来ない人達のことをインチキだとして蔑むタイプの主人公が出てきます。
    『ライ麦畑でつかまえて』と違うのは、彼らが、相手を啓蒙しようとする点です。「フラニー」編では、フラニーが恋人のレーンを、「ゾーイ」編ではゾーイが妹のフラニーを、それぞれ啓蒙しようとします。
    ただそれは一方的な教師ー蒙昧な民といった権力構造ではなく、啓蒙する側も錯乱と試行錯誤の中にいる、というエクスキューズとともに描かれます。それでも、なんだか、押しつけがましさを彼らに感じてしまいます。
    だいたいカフェテリアの座席や、部屋の一室で、悩み会話の果てになんらか人生を変えようとするからそうなってしまっているのであって、ホールデン・コールフィールドみたいに家の外に出たらどうなんだ?って思いました。

  • 高校生の時読みました。ピンと来なかった。わからなかったのかなあ。

  • 新潮文庫の野崎孝訳版のみ「Zooey」の読みが「ズーイ」でも「ズーイー」でもなく「ゾーイー」になっている。最初に読んだのがこの野崎版なので、村上春樹新訳版「フラニーとズーイ」に置き換わる前に、野暮ったくも愛着のある「ゾ」の字を本棚に置いておきたくなったので購入。

  • むずかしい。

  • サリンジャーの読後は決まって「ううむ」とつぶやいてしまう。作中の人物は、しゃべっていないことを伝えようとしてしゃべっているので、読者に異常な集中力を要求し、結果としてその答えはわからずじまいということになる。読者の不満を募らせるのが目的で書いているのであれば、それは作家の死後においても成功している。

  • 見栄や欲や体裁や、飾られたうわべで塗り固められた俗世で、真剣に高邁な生き方を求めることは、とても苦しく時に迷い目が曇ることもあるのだろう。
    フラニーの苦悩を客観的に見つめて、導こうとするゾーイーの愛情と知恵に感服した。
    言葉は、やや回りくどいけれど。

    訳は、古いからか、少し読みにくい。
    ナイン・ストーリーズに収録されているお話とのリンクも興味深かった。


    1999.3.7
    サリンジャーの文体は技巧的でやや難解である。この本も読むのに時間がかかった。しかし、内容は実に豊かだと思う。ゾーイーのフラニーを思う心が、その会話から伝わってくる。また、フラニーの姿や言動から推し量ることのできる心の痛みもよくわかる。特に、最後のシーンで、ゾーイーがフラニーに電話で話した言葉は、私にもすごく響いた。おそらく、フラニーはこの後も悩み迷うことだろう。でも、子の家族があればきっと大丈夫だ、と思う。私はゾーイーやフラニーといった少し不器用だが一生懸命生きている人も大好きだ。でも、やはり、シーモアが気にかかる。

  • 服装の描写が丁寧だなと感じたフラニー
    ズーイーの話は長々と感じてしまって記憶が薄め、再読せねば、あるいは村上春樹訳の方が読みやすいのかしら

  • 3.8/3269
    『アメリカ東部の小さな大学町、エゴとスノッブのはびこる周囲の状況に耐えきれず、病的なまでに鋭敏になっているフラニー。傷心の彼女に理解を示しつつも、生きる喜びと人間的なつながりを回復させようと、さまざまな説得を試みる兄ゾーイー。しゃれた会話の中に心の微妙なふるえを的確に写しとって、青春の懊悩と焦燥をあざやかにえぐり出し、若者の感受性を代弁する連作二編。』(「Amazon」サイトより)

    原書名:『Franny and Zooey』
    著者:J.D.サリンジャー (Jerome David Salinger)
    訳者:野崎 孝
    出版社 ‏: ‎新潮社
    文庫 ‏: ‎238ページ

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