移動祝祭日 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102100158

感想・レビュー・書評

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  • NHK Eテレ「 100分de名著」2021年10月号で取り上げられた作品で、ヘミングウェイの事実上の遺作です。

    年を跨いで読了したことからもわかるようになかなかその世界に入って行けませんでした。

    ヘミングウェイの周りには本人も含めて銃で自殺した人がとても多いことが分かりました。

    アメリカ

  • ヘミングウェイの集大成ともいえる作品。2冊目にこの本を選んだのは順序的におかしいかもなと思ったけど、多分これから著書を読むにあたって理解の補助になるだろうと思い、むしろプラスになるのではないかと思ってみたりする。
    やはりヘミングウェイの書く文章は明快で生き生きとしていて、さも自分自身がその世界に入り込んでいるかのように感じられて好きだ。もしかしたらリラでのエヴァン・シップマンのトルストイのくだりにあるように、翻訳者の手腕も一因としてあるのかもしれないが...。
    この本を通じてエズラ・パウンドやスコット・フィッツジェラルドなどの著書も読んでみたいなと思ったし、リラにも行ってみたいと思った。私のやりたいことが増えたことが読んで得たものの中で1番大きいことだろう。
    私にとってのa moveable feastは多分熱海だと思う。ただ、訪れた場所が少ないこともあり、比較対象が少ないため、これから色んな場所に行って、真のa moveable feast見つけたいな。

  • 虚実ないまぜの回顧録。小説としておもしろいかというと微妙なところ。事前情報がない方がいいです。なんか事実ねじ曲げてる感が強くなってしまう。でも、ウッデイ・アレンの映画「ミッドナイト・イン・パリ」はちょうどこの頃のヘミングウェイを模写していると思うのでイメージの助けにはなりました。

  • 1920年代のパリの雰囲気を感じられた。もっとヘミングウェイを読んでから、この本を読んだ方が楽しめるのかもしれない。フィッツジェラルドとのやり取りは映画になりそうだなと楽しく読んだ。

  • 彼の最後の作品。1961年自殺してしまう年に書き上げた。

    最初の結婚(4回もしている!)相手ハドリーとのパリでの思い出をエッセイを越えた芸術論、創作論に表しているもの。

    作品が売れ始める(認められる)までのみずみずしい感性があふれるように書かれてあり、引き込まれてしまう。いかにしてヘミングウエイになったか。

    1921年から1927年までのパリにいる作家達とのやりとりが実名で出てくる。フィッツジェラルドの章など興味津々。

    もちろん創作、誇張し過ぎ部分もあるという。

    そうだろう。思い出は切なくも美しいのだ。
    しかし、翻訳で読んでも文章がいい。やっぱり本当の作家だ。

  • ヘミングウェイが1920年代にパリでの修行生活を振り返ったメモアール.
    晩年の作品なので多分に美化はあるだろうがベルエポックを体現したような回想録.
    私は諸事情に詳しくないのでほとんどの登場人物は知らないが,フィツジェラルドは知っている.この本に出てくる彼はとんでもない.日常からラリっているような感じ.実に嫌.
    私はヘミングウェイの世代になんの共感もないが、やっぱりパリというのは実にその何というか魅力的な街.20年代でない今でも歩く楽しみのある街.あの街で仕事ができるというのはやはり羨ましいところがある.
    私の周りにいるパリで若い頃を送った人たちを見ていると,世代がずいぶん違うにもかかわらず何か共通のものを持っている気がする.

    永きにわたったヘミングウェイ読破もこれで終わり.共感の少ない読書だったがちょっとは寂しい.

  • 文豪アーネスト・ヘミングウェイが何者でもなかった頃のこと。

    愛する妻と、お金はないが幸せな日々を送るパリでの時間。
    懐かしさと苦さと甘さが混ざった回想録。

    100年前のパリをヘミングウェイが、フィッツジェラルドが、ジョイスが、ピカソが歩いて声を交わしていたんだな、本当に。

    誰も拒まないパリの懐の深さを知った気分。

  • 面白かったです。ヘミングウェイの1920年代のパリでの作家としての修業時代、パリで暮らす文壇、画家達、ガートルード・スタイン、フィッツジェラルドとの交流が描かれています。また、最初の妻との破綻と二番目の妻となるポーリンファイファーとの三角関係で悩むヘミングウェイがさらっと書いています。

  • 何気ないささやかな日常を、こんなにも色彩豊かに綴ることができるなんて。

  • 老いたノーベル賞作家が、若き日の海外生活をノスタルジックに振り返る。売れない作家の苦しみ、貧乏、焦燥感が生き生きと伝わってくる。

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著者プロフィール

Ernest Hemingway
1899年、シカゴ近郊オークパークで生まれる。高校で執筆活動に勤しみ、学内新聞に多くの記事を書き、学内文芸誌には3本の短編小説が掲載された。卒業後に職を得た新聞社を退職し、傷病兵運搬車の運転手として赴いたイタリア戦線で被弾し、肉体だけでなく精神にも深い傷を負って、生の向こうに常に死を意識するようになる。新聞記者として文章鍛錬を受けたため、文体は基本的には単文で短く簡潔なのを特徴とする。希土戦争、スペインでの闘牛見物、アフリカでのサファリ体験、スペイン内戦、第二次世界大戦、彼が好んで出かけたところには絶えず激烈な死があった。長編小説、『日はまた昇る』、『武器よさらば』、『誰がために鐘は鳴る』といった傑作も、背後に不穏な死の気配が漂っている。彼の才能は、長編より短編小説でこそ発揮されたと評価する向きがある。とくにアフリカとスペイン内戦を舞台にした1930年代に発表した中・短編小説は、死を扱う短編作家として円熟の域にまで達しており、読み応えがある。1945年度のノーベル文学賞の受賞対象になった『老人と海』では死は遠ざけられ、人間の究極的な生き方そのものに焦点が当てられ、ヘミングウェイの作品群のなかでは異色の作品といえる。1961年7月2日、ケチャムの自宅で猟銃による非業の最期を遂げた。

「2023年 『挿し絵入り版 老人と海』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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