- Amazon.co.jp ・本 (623ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102105023
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
ロリータがとてもエロかった。
以上。
という感じで纏めてしまいたいくらい、掴みどころが無い気がした。ロリータを求めるハンバートハンバートの気持ちもわからなくはないんだけど、多分この小説の面白さは、記述の文体やら織り込まれた当時のアメリカの風俗の細やかさなどにもかかっているような気がする。説明が難しい。読んでいるのは面白かったから、興味がある人は一読したほうがいいと思った。 -
(わたしにもっと文学的教養があればナボコフの言葉遊びとかもっと楽しめたかもしれないのに...)
「ロリコン」という言葉が一人歩きして語源であるはずのこの本はあまり知られてなくて、
ハンバートの愛はやはり病的かつ変態的だけど不思議と嫌悪感は(個人的には)あまり感じなくって、
てゆうか愛なんてぜんぶつきつめればこんなもんなんじゃないの?ってゆう...
と思ったからみんなも偏見持たずに読んでみてほしいな!
って気軽に言うにはボリュームありすぎるこの本~~~~~ -
ハンバート・ハンバートが出逢ったロリータ=ドロレス・ヘイズ、当時12歳。「かよわくて、蜂蜜色をした肩、絹のようになめらかなあらわになった背中、栗毛色をした髪」。肩胛骨、鎖骨、生毛、着ている服装、巻き毛等、所謂思春期的体型の描写は詳細だが、顔の描写となるとひどく曖昧(初めての出逢いでは黒いサングラスをしている/美少女ではないらしい、そばかすがある)。ハンバートの手記の登場人物達は仮名だがこのロリータの「顔の曖昧さ」は特に匿名性を際立たせている様に思う。ハンバートが「魅惑的にして狡猾」な性格に魅了される「ニンフェット愛」の年齢(9歳~14歳)を過ぎたロリータの描写で瞳がグレイ、炭のような睫毛なのがわかる具合。ロリータのイメージは顔を隠した、若しくは顔のない、例えば後ろ姿やポーズしか思い浮かばない。ロリータ=ドロレス・ヘイズの人形はワタシには作れないと思った。ナボコフの『ロリータ』は至る所に言葉遊びと謎を仕掛けていてとてもおもしろかったが、ハンバートがニンフェット期を過ぎてもひたすらに愛した「ロリータ」には残念ながら魅力を感じなかった。
-
あいにくなことに日本では「ロリコン」の語源として有名な本書。多分に誤解されていると思うのですが…。
知的で滑稽で、でもやがて切ない、そんな小説です。
生理的に受け付けないというのでなければ、女性でも堪能できます。
小説の冒頭で触れられるように、主人公は最後は逮捕されて死ぬので、ちゃんと報いを受けるわけですし。
2、3年前に原書で読んでいたのですが、今回新訳で再読しました。
訳者もあとがきで書いている通り、色々な読み方が可能です。
主人公ハンバートの一人称の語りなので、少女好きの変態ハンバートの目線で見ることを強いられるようですが、「ハンバートは自分に酔っているけど読者には滑稽(あるいはおぞましい)」場面や、「ハンバートはさらっと流しているけど読者にはロリータの苦しみが悲しい」場面もあって、著者とハンバートの間には結構距離が感じられるので、主人公に感情移入しなくても大丈夫。
個人的には、それでもふっとハンバートに流されて彼目線になっているときがあって、そこに突然彼の醜さを見せ付けられて平手打ちを食らったような気分になったりするのがまた印象的でした。
最後の方はかなり切ないです。だからといって、「ハンバートの純愛物語」とは私は思わないんですが、でも切ない。
題材からエロティックなイメージをもたれる小説だと思うし、ロリータの「杏色の」肌やうぶ毛の描写なんかにある種のエロティシズムがあるんでしょうが、女の私としては特になんとも思いませんでした。
性的な言及があっても「うわ、ハンバート気持ち悪いって(笑)」「興奮しすぎだって(笑)」「ロリータ可哀相だろ…」という、滑稽か痛いかの感情しかわきませんでした。エロを求めて読むときっとがっかりです。
ハンバートのヨーロッパ的流麗な語りと下品なジョークの落差、ロリータのローティーンらしい話し方との落差というのも面白さのうちだと思うのですが、今回の若島訳はその辺とてもわかりやすかったです。原書ではロリータの若者言葉は”swell”とかなので、なんだかピンときてなかったのですが、ロリータはかなり「子供」なんですよね。なにしろ初登場時12歳だし。
言葉遊びや、他の文学作品への言及、引用もふんだんにあって、それが以前読んだときは「きっと何か元ネタがあるんだろうけどわからん」というフラストレーションになったりもしたのですが、今回親切な注釈で教えていただいてかなりすっきり。すべてを注で説明しているわけではないと思いますが、訳と原書を見比べることでポイントがわかった部分もあったりして、大分助けられました。ロリータには英語の原書のほかに、ナボコフ自身が訳したロシア語版というのもあって、若島氏はそちらにも当たっているらしく、素人が英語を読むよりよっぽど著者の意図が伝わる訳になっているのかなと思う部分もありました。時に注すら暗示的なときもあって(guilty of killing Quiltyのところとか)、なんとか読者に自分で考えさせようと苦心されてるんだなあとも思いました。
訳者も書いておられるように、再読に再読を重ねて、書き込まれた細部の意味を考えたおしてこその小説という感じ。今回訳を読みつつ飛ばし読みで原書も見返したりしていたんですが、親切で愛のある注や訳に助けられて、改めて原書の再読もきちんとしたくなりました。
以前に原書で、あるいは旧訳で読んだけどピンと来なかったよ?という人にもおすすめ。ただし初読の方は注釈は最後に読みましょうね。-
マツオタイチさん、コメント・お気に入り登録ありがとうございます!停電等でちょっとバタバタしていて(関東在住で被災はしていません)気づくのが遅...マツオタイチさん、コメント・お気に入り登録ありがとうございます!停電等でちょっとバタバタしていて(関東在住で被災はしていません)気づくのが遅れてしまいまってすみません。
とても人様にお見せするような文章ではないのですが、ご自分の文章に似ているとおっしゃっていただいて光栄です。
まだあまりゆっくり本棚を拝見できていませんが、こちらからもフォローさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。2011/03/25
-
-
途中まで読んで、ただの変態おやじの話か。と思いますが、最後まで読むと純愛です。
原文ではポエティックで素敵な表現が満載らしひ。 -
ここまで狂っていたとは。ただの小児愛変態ものだと思っていたら、完全なるポストモダン的実験文学の先駆けであった。後書きを読んで注釈を読み込んで、また一から読みたい作品である。
-
未来の世代へ慧眼を持って本書を届けると言う著者の意志を感じた。
-
映画とはだいぶ印象が違う。話がおもしろいというより文体が好きだ