ハックルベリィ・フィンの冒険 (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102106020

感想・レビュー・書評

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  • 頭っから「議題」として自らを提示してくるような本。
    楽しむ前にそこがちょっと露骨すぎてえ?と思ったりもする。

    ヘッセ作品なんかみたいに登場人物が延々議論しているわけではなくて、
    端的な判断と行動、「省察」にまで至らないごく手短な振り返りが、「議題」になりそうという意味で。
    (小中学校の国語の問題になりそうだ・・・横線を引いて、このときのハックの気持ちを選びなさい、とか。)

    トム・ソーヤ登場後のシーンはあまり好きじゃない。
    ハックが堂々の主役で、妙に大人びた視線で悪党二人を道連れにしている時の方が活き活きしてる気がして。
    (その合理的な、大人びた行動判断と、矛盾する道徳観念への一瞬の迷いへの、狡いように低能な浅さ、割り切りと。)

  • 泥くさい冒険

  • アル中の友達を遠い昔にトム・ソーヤになぞらえたりもしたけど、今じゃ、それさえもアル中が見た幻覚のよう。

  • トム・ソーヤのお友達のお話。
    こっちの方が文学書としての評価も高かったり、
    こっちの方が好きって人も多いですよねー

  • 金持ちになったハックルベリーが、家から飛び出して冒険をする物語。冒険、いいよね、冒険。そこには現代には無いロマンが存在していて、確かにイージーな世界ではないけれど、スリルとノスタルジーが横たわっている。
    ミシシッピーという壮大な流れの中に読者も巻き込まれて、自分と言う意識がハックになりきって楽しむことができる一冊。
    ただ、話としては中盤だらけてしまう感がある。確かに王様コンビのキャラクター性は、噴出してしまう面白みがあるが、蛇足の印象も否めない。
    争う二家族のエピソードも結局ハックは傍観者である立場からの観察であるから、のめりこむのは難しい。
    当時のアメリカを伝える意義や文学的価値とかは判らないが、もっと凝縮されていてもいいように思える。
    終盤のトムの存在は、リアリストのハックを遙かにぶっ飛んでいて、ここでも傍観者じみて感じられる。魅了される部分もあるが、あくまでも主人公はトムになっているし、かと言ってトムの考え方は理解できないし、冒険じゃなくてサスペンスじみたイタズラ劇になっているし、どうなのよ。と思わなくもない。
    個人的には、このように多々不満がある。
    それでも、お薦めできる面白みのある一冊である。
    やはり、冒険が好きなんだ。
    バックパックにパンを一斤詰め込んで、何も考えずに部屋から出て行きたいんだ。
    現実的に難しいのは解っている。でも、そんな雄大な世界に飛び込みたいんだ。そんなことを想起させられる一冊である。

  • 黒人を解放させることは政治的冒険という暗喩か、
    それとも、
    アメリカはこのように成長してきたという冒険譚か。

  • 親しみやすい文調、愛らしいキャラクターたち、許せない史実の数々・・・・・みごとに小説に結実。たまらない一冊。

  • この本を子供のころに読んで旅が好きになった

  • 高校3年生、図書館にて
    933.ト
    3380

  • ハックより トムが好きだと 叫びたい (心の一句)

    でもこっち読まなきゃならないんだから仕方がない。圧倒的に文学的価値で負けているトム。そしてこっちでは「トムが出てくる場面邪魔」と研究者に言われ続けているらしいトム。哀れ。
    人種差別のあーだこーだでアメリカじゃ裁判沙汰になったり禁書扱いだったり大変だけど、普通に面白いよね。冒険冒険。
    トムはドリーマー、ハックは現実主義者。かと思いきやトムの方がドリーマーを装っているだけでより現実主義者。だっていざとなったら金で解決です。

    「正しいこと」が何かなんて時代や場面よりけりだと思い知らされますね。
    「よし、それなら、オレは地獄に行こう」この台詞が。

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著者プロフィール

Mark Twain 1835年-1910年.
邦訳された自伝に、
時系列順に並べられている
『マーク・トウェイン自伝 〈上・下〉 ちくま文庫 』
(マーク トウェイン 著、勝浦吉雄 訳、筑摩書房、1989年)
や、トウェインの意図どおり、執筆順に配置され、
自伝のために書かれた全ての原稿が収録されている
『マーク・トウェイン 完全なる自伝 Volume 1〜3 』
(マーク トウェイン 著、
カリフォルニア大学マークトウェインプロジェクト 編、
和栗了・山本祐子 訳、[Vo.2]渡邊眞理子 訳、
[Vo.1]市川博彬、永原誠、浜本隆三 訳、
柏書房、2013年、2015年、2018年)などがある。



「2020年 『〈連載版〉マーク・トウェイン自伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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