- Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102110010
感想・レビュー・書評
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非常に読ませる。映像的な情景描写も見事である。
不倫の恋と信仰の目覚めを扱いながら、倫理的判断を徹底的に排した視点が見事だと思う。神への信仰によって良心が不倫を咎めるという安易な構図には決して陥らない。
物憂い、抑制の利いた中年男性の一人称視点も居心地がよい。 -
図書館の本
内容(「BOOK」データベースより)
私たちの愛が尽きたとき、残ったのはあなただけでした。彼にも私にも、そうでした―。中年の作家ベンドリクスと高級官吏の妻サラァの激しい恋が、始めと終りのある“情事”へと変貌したとき、“あなた”は出現した。“あなた”はいったい何者なのか。そして、二人の運命は…。絶妙の手法と構成を駆使して、不可思議な愛のパラドクスを描き、カトリック信仰の本質に迫る著者の代表作。
初グレアム・グリーン。
仏教徒のわたしから見ると、キリスト教はとてもバランスを取るのが難しい宗教だと思うの。
そのバランスの危うさを、信仰心と愛をつかって、とても上手に描いてくれたように思う作品です。
愛しているから信じられる。愛がないから信じられない。
とても考えさせられるいい作品だと思います。
The end of the affair by Graham Greene -
面白かった!
情事っていうといやらしい感じに聞こえるけど、純粋な恋愛小説だと思う。
恋人が神によって奪われてしまったらどうしようもないと思う。
人間の複雑な心理が魅力的に描かれてる。
特にサラァの日記の部分で、砂漠の泉を求めて彷徨う比ゆがすき。 -
2008/12/30
第二次大戦末期のロンドンが舞台の物語。
上級役人の妻サラァと小説家ベンドリクスは不倫に陥るが、
ある事件をきっかけに二人の関係は終わってしまう。
この説明だけだと、軽い恋愛小説のように思われるが、
グレアム・グリーンの人生観や宗教観が
色濃く反映された、重厚な小説。
恋愛観や宗教観について、
読者に疑問を投げかける(葛藤を与える)良作です。 -
[16][08.07.27]<m市 「あなた」とののっぴきならない関係は本質的には日本人には理解しえないものなのかもしれない。「取り残された」感じが強く、そういう意味での感情移入はしやすい。おもしろかった。