- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102167038
作品紹介・あらすじ
あの血みどろの逃亡劇から7年-。FBI特別捜査官となったクラリスは、麻薬組織との銃撃戦をめぐって司法省やマスコミから糾弾され、窮地に立たされる。そこに届いた藤色の封筒。しなやかな手書きの文字は、追伸にこう記していた。「いまも羊たちの悲鳴が聞こえるかどうか、それを教えたまえ」…。だが、欧州で安穏な生活を送るこの差出人には、仮借なき復讐の策謀が迫っていた。
感想・レビュー・書評
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☆3〜4。
原作小説と映画でエンディングが異なる、とどこかで見かけたかも、じゃあ…となり読み始めた。
羊たちの沈黙に続き、「クラリス・スターリング」というキャラクターが好きだと(改めて)感じた。
そしてレクター博士。おぞましさと優雅さのバランスが絶妙で、許し難いのにどこか惹かれてしまうというか……。地球上には数えきれないほどの物語があるけれど、その中でも屈指のキャラクターだと思った。
映画で「本当ムカつくこいつ!!」となったクレンドラー、小説でもそうだった。まだ上巻なので、ムカつき度合いはそこまで高くはないけど……こいつ!!
自分の読書経験値が足りないせいか……?と考えたりして……やっぱり、ちょこちょこと、翻訳(単語)が気になってしまった。一般的な単語。スペルにvがあるものを「ヴ」で書く、とか。(ヴェテラン、リヴォルヴァーなど)
それに、スペル?発音?の通りに表記されている単語も。ジャグゥアー(だったと思う)、インターポル、など。
できるだけ原語に近い表記がされたほうがいいかなと思うけど(人物名などの固有名詞)、世間に浸透している表記もあるわけで……その辺りってどうなっているのか。物語と関係ないところですごく考えてしまった。
しかし「グランドファーザー時計」には「?????」となってしまった。しばらく考えて、あの歌みたいな時計ね、と理解できたけれど……。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とにかく面白かった
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胸熱すぎる。サイコパスの頂上決戦みたいで最高。
その中で頑張るクラリス・スターリングが好き。 -
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あの血みどろの逃亡劇から7年ーー。FBI特別捜査官となったクラリスは、麻薬組織との銃撃戦をめぐって司法省やマスコミから糾弾され、窮地に立たされる。そこに届いた藤色の封筒。しなやかな手書きの文字は、追伸にこう記していた。「いまも羊たちの悲鳴が聞こえるかどうか、それを教えたまえ」……。だが、欧州で安穏な生活を送るこの差出人には、仮借なき復讐の策謀が迫っていた。
原題:Hannibal
(1999年) -
雰囲気が似通ったダン・ブラウンさんの小説はコロコロ場面が変わるけれど、こちらは1つ1つのシーンがじっくりなので、なんだか間が持たないような気分。
通勤・通学の合間の読書には向かないかも…。
レクター博士がどうして易々と脱獄したり、人を殺したり、別人を演じたりできるのかの説明が「レクター博士だから!」って感じなので、世界観に入り込めないとつまらないですな。
クラリスさんが「共感することと理解することは違う。大人になるということはその違いを学ぶことだ。残念ながら自分を理解してくれている相手が常に自分に共感してくれているわけではない。」みたいなことを言っていて、マジで大人の女性になったのだな…と思いました。 -
感想は下巻にて。
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レクターの物語。
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言うまでもなく、天才的精神科医で稀代の殺人鬼ハンニバル・レクター博士シリーズの最新作にして最終作。……最終作ではないのかもしれないけど、私はもうこれで完結でいいと思った。
たしかにすごく面白い。下巻に入れば一気読みだが、想像とは全く違う続編だったので、期待を裏切られたという意味で★マイナス1。個人的に期待していたのは「レッド・ドラゴン」のグレアム刑事とクラリスとレクターの三つ巴(笑)。やっぱり殺人者としてレクターにちゃんと裁きが下されるのを期待していたの……などと書くとレクターのファンから殴られそうだが、三人の鬼気迫る攻防が見たかった。
ところが、レクターは今度こそ完全なる主役(ヒーロー)になってしまった。ヒロインであるクラリスとの例の賛否両論のラストへなだれ込むためのお膳立ても十分に整っている。
「羊たちの沈黙」から7年後、なんだかんだいってまだまだ男社会のFBI上層部の中で孤立していたクラリスは避けがたい失敗を犯したことから職を解かれそうになる。そんなクラリスにレクターから手紙が届く。クラリスは数少ない手がかりからレクターの居場所を探り出そうとするが、同時に水面下でレクターを探す男がいた。大富豪メイスンはレクターの手にかかって生還した唯一の犠牲者だったが、四肢麻痺と顔の大半がなくなるという姿にされたのだった。復讐に燃えるメイスンはレクターが唯一接触をはかってくるであろうクラリスを使い、彼をおびき出そうと各策するが――
賛否両論あろうが、とにかくハリスが「羊たちの沈黙」によって確立したこのジャンルを今回自ら見事に超えたものを書いたことは間違いないと思う。ここまでくると「文学」と呼んでも差し支えないのではないかと思うほど重厚な部分もある。ただ、私はクラリスはレクターに催眠術か何かをかけられたのだと信じたい(笑)。 -
レクター博士は冷酷な食人鬼でありながら、冷静で知識教養があり、一人で生きていく力に満ち溢れている。そこがもうどうしようもないほどに魅力的に感じてしまう危険な人物。目を覆いたくなるような描写にうわぁ、と思うのに読むのを止められない。トマス・ハリス大好き!