偽りの楽園(下) (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102169384

感想・レビュー・書評

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  • この本を手に取り、読んでいる人の大半は
    一方的に語られる内容とその人に「何かある」
    と思っているだろうから、その何かが何であり
    どう明かされるのか、気になるところだろう。
    実は不安定な精神ではなく、認知症や癌などによる
    の脳への疾患かと思っていたが・・・
    息子が母の故国を訪れて知った事実は、
    現在の「事件」と遠く結びつけられるような
    過去の「事実」。読者が薄々感づきながら
    やっぱりというより、そうだったのかと思う種の。
    原題と邦題の関係を確認していないが、
    二重、三重の意味で楽園など
    偽りでしかなかった、偽りにしかならなかった。

    北欧で話題になったミステリーを読もうと思って
    北欧が舞台のミステリーを間違って
    買ってしまったような気がする。
    しかし、一方的な独白に嫌気がさしても
    我慢してじっくり読んでみては、いかが?

  • 10月16日読了。図書館。

  • ☆ネタバレありの感想

    イギリスの青年の元にスウェーデンに移住した母親がやって来て、突如恐ろしい陰謀の話を語り出す。それは移住先の村人達が若い女性を性的虐待していて、青年の父親も関わっているという驚くべき話だ。一方で父親は母親は心の病気だという。青年はどっちを信じればいいのか。
    主人公も読者も何が正しいのかあやふやなまま、母親の陰謀の話をじっくり聞くことになる。だが徐々に話の中に奇妙な点が出てきて彼女の狂気が伝わってくる。事実を語っているところもありどこまで真実なのか分からない。青年は真実を見極めるために、スウェーデンに自ら赴く。
    読み始めた時は母親の偏執的な態度が辛かったけど、こんな展開だとは思わなかった。大がかりな陰謀の話かと思わせて、実は一人の孤独な女性の内面な葛藤の話だった。初めは自分がゲイであることを親に打ち明けられずに悶々としている弱々しい青年が、母がどんな状態になろうとも愛し信じ続け、何とか状況を打開しようと力強くなっていく。その過程に引き込まれた。再度初めから読み返したくなる。

  • スウェーデンはもちろん北欧の物語ははじめて。
    スウェーデンにも日本以上に古臭い社会問題があることを知った。
    機会があれば、このような社会問題をテーマにした欧州の物語を読んでみよう
    ところでマークはいったい何だったんだろう。
    主人公か準主人公だと思っていたのに、資金のスポンサーでしかないように見えるが。

  • 後半の急展開に驚愕

  • 初読

    えっ、まだ母親の母親の叙述は続くのか…
    しかもかなりの頁、これをどう畳むのか?

    息子ダニエルがスウェーデンに行って調査?するわけだけど、
    う〜〜〜ん、ビターな上にイマイチすっきりしない…

    自分の知らない母親の過去、知ろうとしなかった両親の現実、
    見方によって変わる他者の姿、見ないようにしてきた自分の姿。
    うーん、余りにも苦いわりには、随分あっさりと辿り着いてしまった拍子抜けもあるのかも。

著者プロフィール

1979年、ロンドン生れ。2001年、ケンブリッジ大学英文学科を首席で卒業。在学当時から映画・TVドラマの脚本を手がける。処女小説『チャイルド44』は刊行1年前から世界的注目を浴びたのち、2008年度CWA賞最優秀スパイ・冒険・スリラー賞をはじめ数々の賞を受ける。

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