偽りの楽園(下) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102169384

感想・レビュー・書評

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  • スウェーデンでの出来事を語る母親が、あまりにも自らの考えに囚われているように思えてきて、だんだん分からなくなってくる。
    そしてたどり着いた真実は、読んでいる分には文章が淡々としている所為かそんなでもないのだけど、想像してみるとなかなかにショッキングだった。

    子どもが独り立ちした後の家族の在り方というか親密度合いについて、子どもが親の嘘に気付かなかったり、しばらく親に顔を見せなかったりするのは、そんなに気に病んだり他人から責められたりすることなのか、と思ってしまう。
    そのあたり、どうも私とは感覚が違っていて、あまり気持ちが入っていかなかった。

  • 文章・構成や翻訳は非常に読みやすいのですが、何故か少しずつしか読み進められませんでした。不穏な雰囲気が辛かったのかも。母vs父、どっちが本当のこと言ってるのかな(自分としては、母の言ってることが正しいのでは?)、と思いながら読んでいたら、結末はちょっと意外でした。さすがそんな単純な話ではなかったですね。そういう意味で楽しめました。

  • 最後まで母の話を聞いたダニエルの結論は?
    ダニエルは真実を知るためにスウェーデンへと向かった。
    母親の実家や移住先へダニエルが知ったのは……。
    確かに驚愕の真実だけど…。
    上下巻あらすじ通りの内容、
    最後まで一気に読ませるけど…なんだろう「(ーヘー;)
    話の内容はあれれれ???あぁ…そうか。
    うん、そうなんだね。ってなるんだけど
    母親ティルデの語りについつい引き込まれてしまった!!
    そうゆう意味では読ませる小説。
    グイグイ上巻で引っ張って
    ワク(((o(*゚∀゚*)o)))ワクしながら下巻を読んだら…!!
    ある意味上手だよ。

  • 図書館で。
    真実を告げているのはどっちだ?というようなちょっと怖いお話。
    それにしてもお母さん話長い。
    息子じゃ無くても母さん何言ってるの?と言いたくなる気分。でも警察に行くと言って精神病院に連れて行った息子も酷いなぁと思うけど何がヒドイって諸悪の根源は彼女の父親だよな。いやぁ、酷い父だ。最後の2年だけ悪い親だったって言われても…そう言う問題じゃないだろ、と言いたい。

    結局は彼女はスウェーデンに戻って彼女自身の忌まわしい記憶を取り戻してしまった、という事なのかなぁ…
    息子じゃ無くて娘だったらまだ違ったのかもしれないなぁなんて読んでいてぼんやり思いました。

  • 2016.09.15

  • 面白くなるまでが長かった

  • 全編読み終えれば、なるほどねえという感慨がある。あるのだが…。

    上巻があまりにもつらかった。どういう所に向かう話なのか、なかなか見えてこなくて。精神を病んだとされる母親の、まともなところとヘンなところが混在する語りを追っていくのに疲れる。結局どういうことなのか、という興味に引かれて最後まで読んだけれど、読んだ甲斐があったかどうかは微妙。

  • この本を手に取り、読んでいる人の大半は
    一方的に語られる内容とその人に「何かある」
    と思っているだろうから、その何かが何であり
    どう明かされるのか、気になるところだろう。
    実は不安定な精神ではなく、認知症や癌などによる
    の脳への疾患かと思っていたが・・・
    息子が母の故国を訪れて知った事実は、
    現在の「事件」と遠く結びつけられるような
    過去の「事実」。読者が薄々感づきながら
    やっぱりというより、そうだったのかと思う種の。
    原題と邦題の関係を確認していないが、
    二重、三重の意味で楽園など
    偽りでしかなかった、偽りにしかならなかった。

    北欧で話題になったミステリーを読もうと思って
    北欧が舞台のミステリーを間違って
    買ってしまったような気がする。
    しかし、一方的な独白に嫌気がさしても
    我慢してじっくり読んでみては、いかが?

  • 10月16日読了。図書館。

  • ☆ネタバレありの感想

    イギリスの青年の元にスウェーデンに移住した母親がやって来て、突如恐ろしい陰謀の話を語り出す。それは移住先の村人達が若い女性を性的虐待していて、青年の父親も関わっているという驚くべき話だ。一方で父親は母親は心の病気だという。青年はどっちを信じればいいのか。
    主人公も読者も何が正しいのかあやふやなまま、母親の陰謀の話をじっくり聞くことになる。だが徐々に話の中に奇妙な点が出てきて彼女の狂気が伝わってくる。事実を語っているところもありどこまで真実なのか分からない。青年は真実を見極めるために、スウェーデンに自ら赴く。
    読み始めた時は母親の偏執的な態度が辛かったけど、こんな展開だとは思わなかった。大がかりな陰謀の話かと思わせて、実は一人の孤独な女性の内面な葛藤の話だった。初めは自分がゲイであることを親に打ち明けられずに悶々としている弱々しい青年が、母がどんな状態になろうとも愛し信じ続け、何とか状況を打開しようと力強くなっていく。その過程に引き込まれた。再度初めから読み返したくなる。

著者プロフィール

1979年、ロンドン生れ。2001年、ケンブリッジ大学英文学科を首席で卒業。在学当時から映画・TVドラマの脚本を手がける。処女小説『チャイルド44』は刊行1年前から世界的注目を浴びたのち、2008年度CWA賞最優秀スパイ・冒険・スリラー賞をはじめ数々の賞を受ける。

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