- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102177617
感想・レビュー・書評
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本書を読まれるヒトは、まず、この難解な文体と難解な理論のニュアンスを理解する必要がある。かなり読者に要求する書き物であることは間違いない。この辛苦に耐え、下巻まで達した読者だけが本書がクライマックスに設定したノルマンディ上陸作戦当日の気象予報に関する手に汗握る葛藤を堪能出来るという代物である。本書に描かれるライマン教授は、リチャードソンという実在した人物がモデルである。おそらくこの物語は、かなり歴史に即していると思われ、様々な点で興味深い。気象に興味あるヒトには勧めたい一冊である。
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第2次大戦中のノルマンディー上陸作戦決行日の天候予測を命じられる気象学者たち。その革新的気象モデルのキーとなるライマン数を考案した科学者は隠遁。全ヨーロッパの命運は彼らの手に!・・・と聞くと、戦時中の命がけの緊張感にびりびりと振るえ、唸る砲弾、迫りくる機甲師団といった、バリバリの戦記ものを思い浮かべたのだったが、さにあらず。隠遁科学者ライマンから秘密を探り出すために、のんびりとビールを飲みながら研究を続け、人妻にくらくらきながらパーティなどで気晴らしをしている。戦時中とは思えない、幻想的ともいえる程のスコットランドの雰囲気。不思議な小説です。タイトルの「乱気流」のような激しさもなく、静かに下巻へ。これから荒れるのか???
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第二次世界大戦のノルマンジー上陸作戦の鍵となる天候を予想し、勝利に導こうとする気象学者のお話。