- Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102186220
作品紹介・あらすじ
ちょうどいい大きさの太陽、地球を甘やかしてくれる月、原子社会のセックスアニマル炭素、防護用コンクリートほどに頼もしい大気、そして無尽蔵のマグマ。地球万歳! ここは生物のパラダイスだ! イギリス屈指のユーモア・コラムニストが徹底的に調べて書いた、最高のサイエンス・エンターテイメント。イギリス王立協会科学図書賞、読めば文系のあなたも「科学通」に。
感想・レビュー・書評
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読めば科学のことが好きになって、自分が少し賢くなった気分になる。上巻下巻とも飽きずに夢中になって読めた。
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まず、この長い道のりを調べ尽くし、書き終えた著者に賞賛をおくりたい。
専門家でないコラムニストだからこそ、このユーモア全開で宇宙や生命のことを、面白おかしく、学者たちの言葉を代弁することなくができたのだろう。
旅をするように、好奇心に任せ、科学の歴史を紐解いて、読者に、人類に、願いを込めて問いかける形で終えた文章がいつまでも心に響き続ける。
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上巻が天体や地殻に関するマクロ的視点だったのに対し、下巻は生命に焦点を当てたミクロ的視点(時間軸はマクロ)。
46億年のうち人類が繁栄した時間を示せば一瞬であるという記述が印象に残る。とともに人類は自分が体験どころか見もしない出来事を推察し検証し解明しDNAのようにそれを誰かが引継ぎ研究する、そうした人々の営みと叡智の偉大さを感じさせてくれる知的好奇心に溢れた本である。 -
物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。
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貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください
返却:物性研図書室へ返却してください -
20180203
生命が生まれるまでのプロセスと人類が生まれたプロセスを、生物学、物理学、地質学、化学の内容を織り交ぜた科学史。膨大な科学的教養に基づいた著作であり、何よりも著者の好奇心が素晴らしく参考になる。
我々は地球、自分たちのことに関して知らないことの方が果てしなく多い。事実として知っていることでも、なぜそうなったか?何が因果関係になるのか?については全く知らない事柄が多い。
現在、我々がこうして知的な本を読んでいられるのも、50億年前に地球が誕生し、原子のスープから分子が誕生し、5億年に生命の大爆発が起こり、霊長類のサルからヒトに進化し、祖先の父母たちの奇跡的な結合で受け継がれた結果の私たちなのである。
奇跡のバランスを保っている地球環境を保全する義務が人間たちにはある。人為的な生命の絶滅を止め、地球環境の悪化は止めるべきだ。具体的にビジョンは無いが、自然環境保護をトラストの仕組みを使って行うことができないか?
科学的に進化していく仕組みは更に深掘りしていきたいのと、人間独自に積み上げている文化を守ること、深めていく事についても活動していきたい。これも具体性はまだないが、食文化や地域文化=グローカル活動へのコミットや、情報発信、金融プラットホームを作り経済支援など夢がある。
ウォーズ
生命の樹→3つのカテゴリーを追加=ドメイン
①バクテリア
②古細菌
③真核生物
人類の起源
アウストラロピテクス
→チンパンジーは人間とと98.4%同じ遺伝子を持っている
ホモハビリス
ホモエレクトゥス
ネアンデルタール
クロマニョン -
非常に楽しい読書でした。勉強になったが、早くも上巻のことを思い出すのが難しくなってきている・・・
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ビル・ブライソン「人類が知っていること すべての短い歴史(下)」読了。今の自分はどのような経緯を辿って形成されたのだろうという根源的な問いに著者の旺盛な好奇心と軽妙なストーリテリングでそれをまとめ上げた本書に心から魅了された。特に、氷河期と間氷期を繰り返す厳しい地球環境に生命が生き残ってきた歴史から僕らが今奇跡的にいる事を知り自分の中の常識が大きく覆った。
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個人的に物理よりも生物の方が好きなので下巻の方が楽しく読めた。
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一般読者向けの科学史の本。
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『人類』について考えるには、一体どれだけの知識が必要となるだろう。
その半分を占める宇宙と地球については上巻で語られたので、下巻では生命の誕生から。
はじまりの極限世界、空と海と大地の歴史、原始タンパク質誕生の奇跡。
ミトコンドリアとの共生、シアノバクテリア、ストロマトライト。
細菌の貢献、進化と絶滅、DNA。
氷河時代、二足歩行、原始人類。
歴史、化学、数学、地理、生物、宇宙、統計、さらには分類学までも!
ただ自分自身を知りたいという誰もが一度は考える欲求の解決には、人類がこれまで学んできたおおよそ全ての知識が必要とされる。
その全てが文庫上下巻2冊で網羅できるはずもないが、専門的になりすぎた各領域から一旦距離をおき、全景を眺める振り返りは、今後何度も必要となるだろう。
物理的に決して知りえないはずの『過去の出来事』は、残滓の調査と推測の研鑽だけでここまで明らかになった。
これから先、研究が線形に進むわけもなく、大きなどんでん返しや飛躍的な展開は何度もあるだろう。
結果だけでなく、過程すらも楽しめる旅路の先は、まだまだ遠い。