ムーン・パレス (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (532ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102451045

感想・レビュー・書評

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  • クリスマスが近い雪の降る夜にトムウェイツを聴きながら #読了

    大切なものを失うことでしか生を感じられない青年の、奇妙な偶然に満ちた半生

    青春とはこのようにして終わるのだな

    素晴らしい小説だった

  • 楽しい時も、そうでない時も、いつか終わる。巨人軍は永遠に不滅です、はあるが、ほとんどは滅ぶ、祇園精舎。
    映画の「最強のふたり」を思い起こした。
    長い旅路、ストーリー。p526巨編。
    世の中、宇宙、ええ、だよね、狭い。ほんとに。
    なんだかなあ、と思った。しみじみと。ああ。

  • 村上春樹を彷彿とさせるような、
    非常に読みやすい文体。

    書き出しが本当に素晴らしい。
    この書き出しに、ノスタルジーもワクワク感も凝縮されている。

    再生と喪失を繰り返す人生
    登場人物もみんなチャーミング
    青春小説の傑作!

  • アメリカ文学の人気作家、ポール・オースターの青春小説。
    物語序盤では、主人公は大学で勉学に励む最中、唯一の家族を失い、失望のあまり死を待つようにホームレス生活に身を投じることとなる。
    その後の主人公の転落から再生を描く中には、諦念からの自己認識、そして無我の境地という、どこか仏教的な思考の経過を辿る場面がある。
    所々にインディアンと現代アメリカ人の対比なども散りばめられていて、主人公が生きた時代(第2次大戦後からベトナム戦争真っ只中)、その当時のアメリカの価値観から逸脱した生き方や哲学が強く現れていると見てとれた。
    作中前半、『欲しいものを手に入れるには、それを欲しがってはならない』と主人公が語るシーンがあるが、物語の流れ自体まさにそのように進んでいく点に、作者の繊細な筆致を見ることができる。
    物語の中盤から後半に至っては、主人公がことごとく大事なものを失っていく様が描かれていて、少し見ていて辛くなるが、青年期だからこその心の痛みや気持ちの整理を上手く付けられない不器用さなどが端的に表されていて、美しさを感じた。
    さらに自身の家系の謎が解けていく過程や、最愛の恋人との関係性の変遷・物語の全体的な哀愁・また主人公を取り巻く周囲の人たちとの出会いと別れ、あらゆる所に「月」を連想させる事象が散りばめられていて、非常に美しい作品だった。

  • 実存とアイデンティティーを巡る旅が、
    こんなふうに結びつき、
    答えに行き着くとは。

    3人の男性(いや、おじさんも含めて4人か)が己を見出し解き放たれるために、
    それぞれがすべてを得て、
    すべてを失う必要があったわけだが、
    みなそこに一筋の希望が生まれている。

    ポール・オースターが、
    自作のうち唯一のコメディだと語っているらしく、
    それはわかる気がする。
    すれっすれの切実な破滅が中心にあるからこそ、
    各々の悲劇性が抜群の喜劇になって昇華されている。

  • 良い本だ。
    M.S.フォッグの生き方に対しては、自分もそうなってしまうのではないかという不安と、羨ましさの感情が混ざる。

  • ①文体★★★★★
    ②読後余韻★★★★★

  • 村上春樹みたいに変な甘ったるさがあり、個人的には面白いと思えなかった。

  • 抗いようのない絡み合う運命って感じがした
    本当にできすぎた話なんだけど、引き込まれる
    終わったあとの何もない感じがある意味さっぱりしてていいのかも
    ブレイクロックの『月光』と最後の月の描写が好き

  • 作者曰くコメディ、らしいけどめちゃくちゃバッドエンドで切ない

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