さびしい女神: 僕僕先生

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103030546

感想・レビュー・書評

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  • 短編が2冊も続いていたので、もう短編のまま進むのか、と思いきや
    今回は長編でした。
    しかも、望んだもののかけらまで手に入れるという状態でw

    望んでいなかった大役から逃げ出したかったのかと思いきや
    別の理由で戻りたかった少女。
    確かにそれは重要で、とにかく大事な事ではありますが
    それをしてしまえば己の未来どころか、全ての未来をつぶすという…。
    ちょっとどころでなく、考えなし、ではあります。
    しかしこの状態に陥った時、どういう選択をするか、と言われれば…どうでしょう?

    1人は寂しい。
    誰かと寄り添って生きていきたい、と思うのは
    人も神様も同じかと。
    都合によって起こされて、都合によって封じられて…。
    文句のひとつも言いたくなります。
    むしろこれで怒らない方が驚きです。

    微妙に、先生の正体も分かったような気がします。
    引っかけがなければ…w

  • また短編集だと思って半分くらいまで読んでたら一冊とおして一編の書下ろしだったのでびっくり。
    道理で話が派手な感じだと…。
    表紙絵のせいもあって、魃、どうしてもジョージ秋山絵で想像しちゃう。
    あとリュウキンをアンガ田中さんで想像しちゃう。

  • 今までのシリーズの中で一番の傑作。
    泣けた。
    魃の寂寞が切ない。
    王弁の懸命さに、じーんとくる。
    今までの話に、太古の記憶や神々も巻き込み、スケールの大きな物語に。
    少しにおわされた、僕僕先生の過去も気になるところ。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-4b0a.html

  • 涙もろくてラストで泣いちゃった。一巻の次におもしろかった!
    王弁頑張るの巻。

  • シリーズものは、だんだん魅力が薄れていくものと
    だんだんと面白くなっていくものとはっきり分かれるけれど、
    「僕僕・・・」は断然後者です。

    今回は長編ということもあって本当に面白かった。
    へたれの弁ちゃんも大活躍??!

    蚕嬢と茶風森はどうなったのかな・・・気になります。

  • 噛めば噛むほど味が出てくるこのシリーズ。
    そろそろ佳境に差し掛かったというべきか、いよいよ主人公王弁が仙骨の一部を手に入れる。
    人間と、神や仙人といった存在との間で揺れる主人公の気持ちや行動が読みどころ。

  • 走狗煮らるる。理の相反するものが共存を願うというのは昨今私が好んでいるテーマなので、読んでいてとても楽しかった。

  • 魃が…魃が…ッ!
    王弁がヘタレなうえに鈍感だということが発覚しました。そりゃあな! ずっとニートやってればな!
    先生の過去がちらりと見せられます。しかし雷娘とは酷い言われようだ。昔はちゃんと大人の女性の姿をされていたんですね先生。でも私は今のほうが好きです。名探偵コ〇ン見てるみたいな心境です。
    杏の香りがする、って読むたびに綺麗な表現だと思います。長く生きてきた先生ならではの香りが甘い果物の香りに似ているというのが何とも。杏仁豆腐も杏の花も中国風で…つくづく私はそう言った風情に弱いです。杏の花は美しいので花見の対象になるみたいですよ。
    全体通して吉良のターンでした。王弁を主として守ろうとしていることがよく伝わりました。司馬さんとこの童子(なんか語弊がありそうな言い方だな)としゃべっているところが可愛かったです。
    劉欣がとにかくいい男。薄妃との絡みも蚕嬢との絡みも好きです。殺し屋をしていたのも育ての親のためでしたし、世界の暗いところを知ってなお大切なものを見失わない姿勢が本当に格好いい。ツンデレわがまま蚕嬢に頭を下げさせた男です。
    ツンデレと言えばこの巻では「決してお前たちを待っていたわけではない」という名言が。かわいいなふふふ。
    茶風林…だったかな、あれは本当にいい子です。誰かどうかあの子を幸せにしてあげてください。恋敵も認めるいい子です。自分の恋心が碧水晶(蚕嬢の元の姿)に届かないことを知っていて、利用されていることを知りながら体を重ね、それでも自分には十分だったと命を差しだすあの心の美しさ。どうか あの子を 幸せに。
    先生が少しだけ王弁を見てくれたようです。頑張れ王弁でも道は多分まだまだ長いぞ。

    このシリーズを読むと世界が見たくなりますね。旅したい。

  • 僕僕先生の中で、このお話が一番好き。

    切ない。
    無力を呪う という状況は、
    生きていればある意味日常で。
    時に、見苦しい程に足掻く事でしか
    光明を見出せない。
    時に じゃなく 常に かな。

    この本にはその 足掻き が描かれているよ。

    是非、一読有れ。

  • 僕僕先生シリーズ第四弾。今回王弁出張ってたなぁというのが印象的。対して先生はあまり出てこなかったけど、しっかりキーパーソンになってました。王弁の神仙への好かれっぷりにほっこりしつつ、少年漫画的展開にドキドキしながら後を追いました。魃の最後の言葉が印象的。それにしても、これから一体僕僕先生と王弁はどうなるんだろう。

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著者プロフィール

1973年大阪府生まれ。信州大学人文学部に入学後、北京に留学、2年間を海外で過ごす。2006年『夕陽の梨─五代英雄伝』で第12回歴史群像大賞最優秀賞、同年『僕僕先生』で第18回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。「僕僕先生」シリーズは読者の圧倒的支持を集め、ベストセラーとなる。著書に「千里伝」シリーズ、「くるすの残光」シリーズ、「黄泉坂案内人」シリーズ、「立川忍びより」シリーズ、『撲撲少年』『真田を云て、毛利を云わず 大坂将星伝』『三舟、奔る!』など多数。

「2022年 『モノノ怪 執』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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