- Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103045328
感想・レビュー・書評
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絶望に効くブックカフェ
『自省録』マルクス・アウレーリウス詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初読。
おー…。最後にまさかこういう展開があるとは…
ユカが長谷川あやちゃん、涼子が尾野真千子、
五月が萬波ユカちゃんで再現されました。
年代違うけどw
設定にも描写にもずっと危うさは内包されていて、
そこは私の趣味とは合わないなーっと感じたけど
それが故の普遍性や描写に所々グッときたり。
ユカの「自分は傷つけるつもりも悪意もなかったのに他人が傷つくという事が現実にあり得るとは思わない」
とか。
セックスにしても妊娠にしても出産にしても
他者と自己、というのは強烈なのだなぁ
そっか、そうよねぇ… -
子育ての最中に感じる孤独と絶望。
それをここまで鮮明に描いた小説は今までになかったはずだ。
絶対的に「愛する者」だからこそ、その泣き声が、わがままが、わざとではないはずの失態が、「母」を追い詰める。
そこは地獄。地獄から逃れるために、ある者は不倫に、ある者はドラッグに、ある者は虐待に救いを求め突っ走る。
子育て中の苦しみをまざまざと思い出し、鳥肌が立った。
こんなに大変なの、というレビューもあったが、いや、こんなもんじゃないよ、と言いたい。
子育てをした誰もが経験していて、それでいて言葉にできずにいたものを、金原ひとみは鮮やかに切り取り、世にさらけ出してくれた。その快挙に拍手を送りたい。
ユカがどのようにしてドラッグから抜け出したのかなど、少々ツメが甘いところがあったので星は4つ。それ以外は素晴らしかった。 -
小説家のユカ、専業主婦の涼子、モデルの五月、それぞれが、育児と母であることと1人の女性であることの狭間で苦しみ戦っていた。
苦手意識で手にしたことのなかった金原作品。
強烈でした。
ドラッグ、虐待、不倫、主人公が3人いるので、全てが上手く散ってはいましたが、すっかりお腹いっぱいです。(笑)
幼児の子育てはホント大変。はるか昔の経験者ですが、遠い記憶の中で思い出すことがありました。
自分の子は可愛い、があれば、最後は乗り切れることでしょうが、世間の数々の事件を見ると、乗り切れないこともあるのかなと思ってしまいます。
子育て終了間際、今でも子育ては悩みの種で、幾つになっても、その時々の問題に振り回されています。
全てが終わって笑えたら、それで良しかなと、最近は思っています。 -
3人の若い母親の物語。
3人とも自分中心で子供に優しくないので読む進まない。
80ページで挫折。
子供を持つことで生活と価値観は変わるけど
3人とも楽しくなさそうなの が分からない。
共感できなさすぎた。 -
3人の母親が出てくる話。
それぞれかなり厄介な問題を抱えて生きている。
抱えている問題は一般的ではないが、子育てに関わる細部はとても現実的。
園のお迎えから明け方まで預かってくれるベビーシッターや、働いてなくても預けられ、病時にも細やかな対応をしてくれる保育園は都内ならではだと思う。 -
ノイローゼのひとたちのおもしろくないはなし!
おまえのはなしはつまらん! -
重たかった。でも気付かされることも多くて、色々と振り返って考えさせられた。自分の中の消化不良だったものに気づいたような気がする。
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自分は大丈夫かなぁって不安になる
最後の涼子の章、涙があふれてしまって苦しかったー
こどもは可愛いけど、でも、辛くなる、逃げだしたくなるんだろうなぁ
うまく力まず、まわりをたよって楽しめるといいな
育児で追いつめられるお母さんの様子がリアルで、
ぜひ夫にも読んでほしいと思った作品。 -
幼い子供を持つ3人の若い母親の物語です。3人の性格も生活も違うし、私から見て「あり得ない」と思うエピソードもたくさんありましたが、子供を愛さなくちゃ、ちゃんと育てなくちゃという焦りにとても共感しました。よその子供と比較してしまったり、母親・姑の言葉に傷ついてしまったり、夫に他人事扱いされてしまったり、忙しい時に限って寝てくれなかったり…。数え始めたらきりがないくらい辛かった気持ちが思い出されました。
だからと言って3人の母親の行動を肯定するわけではありません。正直言って不快感を覚える箇所もあります。でも、子供たちはどんな母親でも大好きで、母親に笑ってもらうためなら命がけで頑張るのです。
私が一番気になる人物は涼子です。最初に登場した場面から完璧な育児を目指す神経質さを感じました。物語が進むにつれ、行動が変化するのに伴って感情が変化していくのがとてもリアルに思えました。
子育ては私にとってはもう随分前のことですが、本書を読んで当時の様々な出来事や感情を思い出し、胸が痛くなりました。この気持ちを忘れないようにしようと思います。