アナーキー・イン・ザ・JP

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 269
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103046325

感想・レビュー・書評

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  • 作者の中森明夫氏といえば
    「おたく」という言葉の生みの親だとか
    一時期、サブカルチャーのコラムニストとして
    彼の名前は様々な雑誌などで目にした事がありました。
    そんな氏の初純文学作品が
    この「アナーキー・イン・ザ・JP」なワケですが。

    はてさて、どう感想を述べたものか……

    大まかなあらすじは(出版元の新潮社から抜粋)
    伝説的無政府主義者・大杉栄。
    その精神が、17歳パンク少年に憑依して復活した! 
    混沌の21世紀と、激動の明治・大正。
    100年の時を超えて、
    パンク少年の心とアナーキストの魂が交信する。
    そして少年は動き出す。閉塞の時代を打ち破れ。
    “恋”と“革命”のドラマ

    だそうです。

    えっと違うと思います。勘違いしちゃいます。
    多少なりとも少年は動きますが、ほんの僅かです。
    小指の先程も無いぐらいの少年の自我の覚醒です。
    私は書評&あらすじを読んで、かなりの期待をしたのですが…

    まあ、例えばベタな話しになると思われますが
    小説中盤あたりから少年が目覚め、
    この腐った日本で革命を起こすとか。
    パンクロッカーとして覚醒のための伝道師になるとか。
    まあ、そういった事を期待しつつ読みました。

    しかし、この本は日本唯一のアナーキストと言われた
    大杉栄の単なる解説本に過ぎません。
    と、私は思う。
    読んで、そうとしか感じなかったワケです。

    主人公のバカでお茶目な少年や
    少年を取り巻く人物達に何の意味もありません。
    ただ少年がイタコ(霊媒師)的な役割で
    大杉栄なる人物を描いていくのみの物語ですね。
    サブカルのコラムニストが
    簡単に明瞭に何も知らない人達に
    アナーキーとは大杉栄とは。を
    教えてくれるだけの本です。
    でも、やはり、明治・大正時代の
    社会主義紛争に関わった人間ドラマを
    ある程度、理解していないと
    分かりづらいところがあるかもしれません。

    私は以前、友人から借りた谷口ジロー作
    坊ちゃんの時代5部作を読んでいたので
    それなりに楽しめました。

    が、あの時代、大杉栄に興味のある人だけに
    おすすめするだけの本であります。
    だから、「小説としてどうなのよ!?」 という事です。

  • 私にとっては、評判ほどの楽しさは見つけられませんでした。
    ただ、参考文献の数は凄まじいです。

著者プロフィール

1960年生まれ。作家・アイドル評論家。著書に、『アナーキー・イン・ザ・JP』(新潮社)、『学校で愛するということ』(角川書店)、『アイドルにっぽん』(新潮社)など。

「2013年 『午前32時の能年玲奈』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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