白いしるし

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1520
感想 : 271
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  • Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103070429

感想・レビュー・書評

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  • あなたは、狂気的なまでに人を好きになったことはありますか?

    叶わないと分かっていても、どうしても、どうしても…。

    報われなくてもいいから、どうか、想いが、救われますように。
    決して自分のものにはならない痛みと苦しみにまみれ、叫びだしたくなる、大人の恋の物語でした。

  • 初めて出来た恋人には髪を真っ青にされ、大人になってからも罵り合ってお別れするような恋愛ばかり繰り返してきた夏目。「真っ白な絵」を描く間島に会い、彼の絵に強烈に惹かれ、間島自身にも運命を感じてしまい…全てを持っていかれるような恋愛の怖さが生々しく描かれています。恋ゆえに「あかん人」になってしまう…角田光代さんの「愛がなんだ」がダメ男追っかけ恋愛本なら、こちらは面倒くさい男特集でしょう…間島も瀬田も、けして悪人じゃないのだけれど本気で彼らに惹かれた女は皆不幸…と言うのか。文庫版は可愛いにゃんこの後ろ姿と栗田有起さんの解説(男修行について)が良かったけど、本のイメージには単行本の表紙の方が合っているかと。

  • 瀬田も間島も美登里も夏目も、こんなにも人を好きになってしまう人はきっと幸せにはならないような気がした。安らぎを得たいとか大切にして欲しいとか、相手に求める気が一切ない「好き」の形。辛い痛いも恋のうち。人を好きになるってやっぱすごいことなんだな、って改めて思った。ハッピーだけじゃない、キリキリ胸が軋むことも恋のうち、なんだな。

  • 途中で読むのをやめられなくて、一気に最後まで読んでしまいました。激しい、痛い、当人にとっては死ぬほど苦しい気持ちだけれど、きっと誰もが経験する恋愛感情の一つにすぎないのかもしれません。その泥沼にすすんで入っていき、無理に這い上がろうとしない、夏目の強さ、潔さがとても眩しいです。

  • 一方通行の恋。相手の本命になることもなく、直接フラれることもなく、ただ自分で納得して気持ちを落とし込んで咀嚼していかなければならない恋。相手のどこが好きか考えても分からない。けれど、ただ好きという事実が原動力になっている。
    常識を逸脱させ、客観的に自分を見れなくさせてしまうのが「恋」だということに気付かされる。

  • 想像していたものとは違った。失恋小説を読みたい気分だったから読んでみた。

    短期間でもいくつか出来事があるのかなと思ったけど、おそらく数日間の話で
    もっと深く関わり合ったり何かしていてほしかったな、と願望です。

  • 登場人物全員がクレイジーな程に一途。そこまで何かに夢中になったことがないので、少しだけ羨ましくも思う。ただ、それよりも何に夢中になってそれが失われた時の恐怖感の方が強いのでいつも一歩引いてしまうのかな。芸術家や作家などの文化人は自分を全てさらけ出して作品を表現することができるので尊敬する。理性と衝動。

  • 2.0
    苦しいお話でした。
    読むのが辛かった、、、

  • 面白かった。大阪弁だけど、一気に読んだ。
    言葉の選び方がすごい

  • 好き嫌いの分かれる本でしょうね。そして私は苦手。
    精神科に連れて行ったら何か病名をつけられそうなエキセントリックな4人の主要登場人物による恋愛物語。(男性には)ちょっとついて行けない情念の世界。
    別にリアリティを期待するわけじゃないけれど、少なくともこんな、ある意味純粋すぎる男性は居ないでしょう。
    読ませてはくれるし、それなりに世界に入り込めたのですが、読み終えた後で残るのは「なんだったの?」という消化不良じみた感想だけでした。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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