- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103096122
感想・レビュー・書評
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第3巻は、紀元前146年カルタゴ滅亡から、紀元前60年ポンペイウスによるオリエント制圧完成、地中海をめぐる全地域がローマの覇権下に入るまで。
シリア・エルサレムがこの時期ローマの属州となり、ユダヤ・キリストの世界と結びついていく。
「いかなる超大国といえども、長期にわたって安泰であり続けることはできない。国外には敵をもたなくなっても、国内に敵をもつようになる」
「多くの普通人は、自らの尊厳を、仕事をすることで維持していく。ゆえに、人間が人間らしく生きていくために必要な自分自身に対しての誇りは、福祉では絶対に回復できない」
「無知な大衆とは、政治上の目的でなされることでも、私利私欲に駆られてのことであると思い込むのが好きな人種である」
「人間とは、食べていけなくなるや必ず、食べていけそうに思える地に移動するものである。、これを古代では蛮族の侵入と呼び、現代ならば難民の発生という・・・民族の移動とは、多少なりとも暴力的にならざるをえない」
「すべての物事は、プラスとマイナスの両面を持つ。プラス面しか持たないシステムなど、神の技であっても存在しない。ゆえに改革とは、もともとマイナスであったから改革するのではなく、当初はプラスであっても時が経つにつれてマイナス面が目立ってきたことを改める行為なのだ」
「恵まれた階級以上に頑迷な旧守派と化す プアー・ホワイトは、いつの世にも存在する」
「戦争とは、それが続けられるに比例して、当初はいだいてもいなかった憎悪までが頭をもたげてくるものだ。・・・内戦が悲惨であるのは、目的が見えなくなってしまうからである」
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88 スッラ 執政官
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ポエニ戦役でカルタゴを破り「外患」を克服したローマが国内に蔓延する「内憂」を一掃すべく一大改革に乗り出す時代にグラックス兄弟からポンペイウスまで世界史の教科書でもお馴染みの改革者の生き様をより精緻に描いた一冊。
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ローマ人のことを語りながら出版された頃の現代日本人と対話している作品。歴史書の体裁をとった社会論になっている。
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内乱時の話。
身内同士の争いは読むに耐えないが、そこに現れるリーダーはかっこいい