絵で見る十字軍物語

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103096320

感想・レビュー・書評

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  • 塩野七生の十字軍シリーズの序章。
    19世紀の歴史作家フランソワ・ミショーの文章に、版画家ギュスターヴ・ドレが描いた十字軍の挿絵を集めた版画集。
    ただし本書の解説文はミショーではなく、塩野七生。
    塩野七生が『ローマ人の物語』シリーズ、次いで『ローマ亡き後の地中海世界』に次いで描く『十字軍物語』シリーズの序章。
    そのため序文には、作者による『十字軍物語』全体の構成が説明されています。
    これまでにも『神曲』や『失楽園』の挿絵を描いてきたドレの版画により、十字軍の戦いが視覚的にも楽しめるうえ、物語全体のあらすじが判ります。
    十字軍の歴史を学ぶうえで、最良の入門書でしょう。

    ニン、トン♪

  • 地図が付いててありがたかった。
    サラディンの絵がすごくかっこいい!
    塩婆さんは倒置法使うのが好きなのね。

  • 十字軍の歴史をザッと概観するには最適な一冊。

  • ふとしたことから、映画アラビアのロレンスを、DVDにて再度、見返しております。TEロレンスの存在は、第一次世界大戦の中東キャンペーンを彩っております、ある意味、第一次大戦の英国軍は、十字軍的な立ち居地なのかと気づかされた次第。
    そして、現代の米国およびその多国籍軍もまた、然り、なのでしょうか。

  • 購入書店:BookLive; 読書環境:Android App; コンテンツ形式:.book; 感想:iPadで読めばまた違うかもしれないが、nexus7の画面では小さくて…この本は紙のほうが良い

  • 十字軍物語の全体を把握するには最初に読んでおいて良かった。

  • 入門書と書いているけど、やはり下地がないと楽しめないかな?でも絵とシンプルな塩野節文章が2ページで表現されている状況。
    あっと言う間に読めるのですが、もう一度読み直したい、と思われる本です。

    これは本当に魅せます。

  • 「十字軍物語1〜3」の序曲としての扱いで、ギュスターヴ・ドレの版画に塩野七生さんの解説が簡潔に書かれていて、十字軍の歴史のおおまかな流れを掴むことができます。さぁ、小説読むぞ〜!

  • まあなんというか導入?
    これ自体にどうのこうのはない。
    これ読んで十字軍物語に行きましょうって感じ。

  • 19世紀前半のフランソワ・ミショーの「十字軍の歴史」。そのドレの挿絵に塩野七生さんの文章がついた四部作の序章。

    十字軍というと世界史の教科書のたった数行の知識しかないのですが、ドレの絵、簡単な地図、簡潔な文章で大まかな流れは俯瞰できたと思う。

    罪深い悪人も聖地巡礼さえすれば救われる例の一つとなった極悪非道のアンジュー伯フルク。
    人間社会で起こりがちな不祥事を迫害だと過剰な反応をしてしまった隠者ピエールを利用して、「神がそれを望んでおられる」を旗印に始まった聖地征服への戦い。そこから500年近くの戦いへと突入していくこと。
    リチャード師子心王、
    ジハードを叫んで初めてイスラム教徒の統合に成功したサラディン、
    単身でスルタンの元に赴きキリスト教改宗を勧めたアッシジの聖フランチェスコ、
    第六次十字軍で無血で目的を果たしたフリードリッヒ二世(破門の皇帝が実施し、イスラム教徒を一人も殺さなかったという理由でローマ法王は認めず、無残に破壊された像が今も残されて居る)、
    第七次でイスラム側に捕らえられながらも、高潔な人格で部下が自由になるまではパレスチナから離れないと言ったというルイ九世(後に聖人に列せられて聖ルイと呼ばれた)
    などなど、たった数行の文章なんだけど、多くの物語があったのだろうなと思わされる。

    塩野七生さん、ローマ人の物語で挫折したので、ちゃんと理解できるか不安な所もあるんだけど続きを読んで見たいと思わされる一冊。
    年代も書かれているともっとよかったんだけど。
    無理を言うと世界史超初心者なので特殊な言葉や重要人物の用語解説なんかも少し…

  • 十字軍か~。
    正義のための軍だと思ってた・・orz
    宗教に狂って、勝手に正義だとか、自分の罪を消すために他国に進軍した人たち。
    イスラム教徒を殺せば罪が洗われ、何故か天国にいけると本気で信じた変な人たち。
    わたしは好きなれない。ただの野蛮人としか思えない。
    なんか失望したよー。
    ともあれ十字軍とイェルサレムにまつわる歴史が知れたのは満足。

  • 図書館にて。

  • 緻密なドレの版画とわかりやすい地図、簡潔な文章で、なんとなく十字軍とはどういったものかわかる本。
    十字軍や獅子心王、サラディンって名前だけは知っているけど、その実何も知らんって人や、ギュスターヴ・ドレが好きな人にオススメ。
    欲を言えば、年代も書いてほしかった。

  • 11世紀半ば、聖地エレサレムをイスラム教徒の手から取り返そうと
    ヨーロッパのキリスト教徒たちが行軍を開始した。
    これが、有名な『十字軍』である。

    キリスト教もイスラム教も、
    自分たちの信じる神以外の神は認めないとする共通点があった。
    だからこれは、お互いの神を旗印に掲げた、宗教戦争だったのだ。

    「神がそれをのぞんでおられる」という言葉をかわきりに、主に民衆が集結した「第一次十字軍」が始まり、武装した騎士団を中心とした第2次、第3次、第4次と何年かごとに、十字軍の遠征は続く。その間の数多いエピソードや英雄伝、文化の交流など、十字軍の果たした役割は大きいようだ。
    また、宗教に没頭する人々のエネルギーもすごい。
    一つのことを一途に思う民衆の力は計り知れないものだと感心する一方で恐ろしくも思った。
    1571年の「レパントの海戦」でこの宗教戦争が終結するが、
    最初から500年もの歳月をかけているのだから…。

    著者はこの本を筆頭に、十字軍の歴史を物語る三部作を書いている。
    十字軍に興味があっても、全部読み通すのは、なかなか根気がいるなと思っていたところ、この本1冊で十分に十字軍の世界を楽しめた。

    まず、その構成。
    ページを開くと、左側にギュスターヴ・ドレの版画絵。
    右側の上部に、遠征地図。下部に一話完結のエピソードとなっている。
    絵本のようなわかりやすい構図がずっと、、
    8ページから204ページまで続いていくのだ。

    ギュスターヴ・ドレの名前を私はここで初めて知ったのだが、
    彼はその独特な技法で「聖書」や「神曲」「ドン・キホーテ」の押し絵画家として成功し、19世紀のビジュアル・アーティストになったという。
    その版画絵を見ているだけでも、十分に十字軍の状況が伝わってくる。

    物語の残酷さや政治・宗教がらみの胡散臭さも感じられ、
    ひょっとすると、『十字軍物語』は読まなかったかもしれないが、
    ドレの版画絵はとても魅力的だった。とても美しい歴史絵本だと思う。

  • 十字軍の始まりから終わりまでのダイジェストが、絵と地図と簡潔な説明でわかりやすく描写されています。
    これから読む予定の十字軍物語1~3を読む際の、ウォーミングアップなったような気がします。

  • ミショーが書いた十字軍物語に付けた挿絵を利用~悪逆非道のアンジュー伯フルクは3度イェルサレムに出掛け,2度目は買った聖遺物を法王に差し出して免罪された。これが流布して巡礼ブームが起こり,十字軍遠征に繋がる。当初は一般信者中心で隠者ピエールが率いた烏合の衆でハンガリーでは同じキリスト教徒から厄介者扱いされたのも当然の10万の群衆であったが,ゴドフロア・ド・ブイヨンが小アジアで追いついた時には2万に減っていた。ニケーアではイスラム兵士の首千を巡礼は町に放り込み,アンティオキアでブーリア公ボエモンドが夜中に縄ばしごを登って塔を占拠し,大殺戮が行われた。飢えと渇きに苦しんだ末,先頭で城壁に立ったゴドフロアに続いた巡礼はイェルサレムを陥れた。住民の家に隠されていた聖なる十字架に感激する中,イスラムの太守たちはゴドフロアを訪問し,金貨を積んで退去を求めるが,あまりに簡素な様子に感銘を受ける。1年後に兄の王位を継いだボードワンの下で,地中海東岸の港町で皆殺しが始まって,イスラム側はこれが宗教紛争だと気がつく。エデッサが滅ぼされるとフランス王が出馬し,ダマスカス攻略戦が展開されるが,国を長く空けておくことが出来ずに撤退。イスラムにサラディンが出現し,対キリスト教徒のジハードが催されてイェルサレムが奪われると独帝・仏王・英王が出馬,ドイツ軍は惨敗し,リチャードだけが奮戦。アッコンを確保し,違約して大殺戮を行うと,目的達成と考えた仏王は引き上げ,ヤッファを攻めるが,弟ジョンの不穏な動きにリチャードもサラディンと講和。サラディンは翌年死去し,後継争いが開始される。リチャードはキリスト教徒の捕虜になり,母によって釈放される。ビザンツ帝国が十字軍情報をイスラムに流していて,ビザンツ皇帝位を巡る争いで,ヴェネウィアの元首はコンスタンティノープルを占領。皇帝を殺した親族の即位を認めず,帝位は空に。法王が認めた軍が攻めた他派のキリスト教徒も敵なのだ。少年達の十字軍は途中で行き倒れ騙されて売られる。聖地を放っておけないオリエントのキリスト教徒はハンガリーやポーランド・ノルウェーの騎士達を加え,ナイル河口のダミエッタを攻略するが,運河や支流や沼地に足をとられ,休戦協定が成立し撤退する。カイロのスルタンの許には聖フランチェスコが場違いな改宗の勧誘をする。神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒ2世が率いた第6次十字軍は血を一滴も流さず,スルタンとの直接交渉で,10年間のイェルサレムとベツレヘムとナザレの獲得に成功したが,破門の身の皇帝が催した軍をローマ法王は十字軍と認めず,多くのキリスト教徒もそれに倣った。フランス王ルイ9世は南仏のエーグモルトを大改造して港にしジェノヴァを頼りにエジプトに遠征。上陸したダミエッタは簡単に攻略したが,マンスールで大敗を喫し,撤退中に捕虜になり多額の身代金の支払いを約束して解放されるが,船が港を離れる時にスルタンは殺害された。ハレムの女性までがスルタンになる混乱の中,マムルーク朝が成立する。スルタン・リバルスはシリア・パレスティーナの十字軍諸都市に強硬姿勢をとり,イスラム支配に屈した。ルイ9世はチュニスから陸路でエジプトを攻めようとするが,上陸後間もなく王が死に,王弟は自主的に撤退。コンスタンティノープルを陥したオスマン・トルコは西欧への圧力を高めたが,レパントの海戦で完敗した。この戦いも最後の十字軍だ~十字軍は遠征7回,数え方によって色々だが,オリエントのキリスト教徒によるエジプト侵攻は数えないのが一般的で,ルイ9世の弟・シャルル・ダンジューと英王太子エドワードのアッコン遠征(成果なし)を最後にする場合もある。フランスにおけるアルビショワ十字軍では,シモン・ド・モンフォールも活躍する。これはインノケンティウス3世が提唱した。十字軍を概観するには良い本

  • ミショーが書いた「十字軍の歴史」の挿絵であるドレの絵に塩野七生が文章を挿入した本。ミショーの文章が塩野七生に変わった。十字軍の歴史の全体の流れが一冊で視野に収めることがえきる。キリスト教 対 イスラム教。2代宗教の争い。聖地イエルサレムの興亡。昔も今も宗教に伴う争いは絶えないのだ。

  • 十字軍物語のイントロ。 ドレの絵をもとにその背景を紹介しながら十字軍の歴史をざっと紹介。

  • 「絵」が素敵です。

  • 塩野七生さんの十字軍 4部作の序章にあたる作品で、十字軍の遠征500年を広く浅く描いており、見開き左半分が絵、右上に地図、右下に文章という構成なので2時間ぐらいで読める.

    十字軍、「なんか響きがかっこいい」程度の知識しかなかった自分が呼んでも分かる.
    自分ではキリスト教徒がイスラム教徒に対して行ったことを理解することができず、十字軍に対するイメージが.ガラリと変わった.
    ローマ法王も十字軍遠征について謝罪しているらしい.

  •  十字軍の始まりから終焉までを版画と単文で紹介しています。文章も重くないしですし、十字軍史の入門書としてオススメですね。

  • 地中海の風光明媚な写真を期待していたら、陰気くさい挿絵が延々と続き、かなりガッカリ。(書名はよく見なアカン!(笑))でも十字軍の歴史をコンパクトにまとめていると思う。世界史の観点からは過度に美化されているような十字軍でも、相当ムチャな試みやったのがよくわかったし、それ故に悲喜こもごものドラマが生み出されたのだと思う。

  • 大別すると2種類の本がある。わかりやすくイメージが伝わる本と伝わらない本。
    本書は前者である。

    見開き半分がモノクロームの精緻な版画、半分が塩野七生氏の文、そして版画の描かれた場面の地図で構成されている。
    500年に渡る十字軍遠征の歴史が、切り取られた時間の積み重ねで版画と文で表現されている。
    版画の選択、対応する地図、そして適切な解説。塩野七生氏のすばらしい労作である。
    キリスト教徒が必ずしも十字軍の味方ではなかった。何が正義か?
    それぞれの異なる正義が現代にも延々と引きつがれる。

    大別すると2種類の本がある。歴史から現代を振り返えることができる本とそうでない本。
    本書は前者である。

  • 小説を早く読みたい

  • あっという間に読み終わった。簡潔な文章ながら実に分かりやすく、なおかつあっさりではなく深い文章。今まで「ローマ人の物語」ではなんだかまどろっこしい言い方で苦手だったが、これくらいならいける。なんといってもドレのイラストが素敵。これを読んで確かに「十字軍の物語」を読んでみたくなった。

  • ドレの挿絵は見事だけど、記述は超ライトな入門書程度。詳しくは続編読んでね、ってことか。

  • 塩野七生氏の短く的確で客観的な解説が良いのです。

  • 十字軍入門にぴったり。

  • 塩野七生さん十字軍四部作の第一作目。絵と地図の分かりやすい入門書との触れ込みだが、塩野さん自身はこの第一作をオペラでいうところの序曲と考えている。「幕が降りている前で演奏される序曲が終わると幕がするすると上がり、第一幕が始まると言う具合だ」。その通り次の幕をわくわくしながら楽しめる作品となっている。

  • そうだったのかぁ...がいっぱい

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