十字軍物語2

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103096344

感想・レビュー・書評

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  • 第3世代以降の十字軍国家の低迷が記される。低迷の理由は人材難。もはや建国なった十字軍国家にわざわざ臣下に下る理由もないといえばそれまでだか。一方、病院騎士団、聖堂騎士団の成り立ちに紙幅が割かれる。騎士は中世の花。その騎士道精神がイエルサレムを征服するサラディンをも動かす。イスラムにも騎士道精神に通じる寛容があったのだ。

  • サラディン登場!なぜ、イスラムの英雄なのか勉強になりました。長年積ん読だったけど、

  • 12月14日読了

    十字軍とは遠征軍を指すと思いますが、この「十字軍物語」は次が最終巻だというのにまだ第二次までしか書かれていません。第十次位まであるんですよね?
    それでこの巻では十字軍は「十字軍国家」を指すのだと思いました。
    十字軍国家を維持していくためには一次の子孫たちの他に聖堂(テンプル)騎士団と病院(ホスピタル)騎士団そしてイタリア海洋都市国家(ピサ・ジェノバ・ヴェネツィア)の存在が大変重要だったのです。
    この巻で一番上手くいっているのはヌラディンに続いたサラディンなんですが、私が一番好きなのはボードワン四世。
    イェルサレム奪還が彼の時代ではなくて、姉の夫、顔がいいだけが取り柄のルジニャンが王の時でよかったー。
    でもそれ以外にも面白いキャラクターがたくさんで厚いけどどんどん読めます。
    すでに発売されている第三巻が超楽しみ♪地元の図書館で一番なのです。早くこないかなー♪

  • ううむ。塩野婆さん、この巻は中盤以降、筆が走り過ぎているんじゃないの?
    繰り返しも多いし、文章もおかしなのが散見されるし(これは編集者の責任も大きいが)もしかして◯◯てきたのでは?
    ま、ともかく次巻はライオンハートが登場する。楽しみだ。

  • エルサレムを奪ったキリスト教諸国が守りに入るが敗れ去るのがこの二巻。それはイスラム側の反撃を意味し、対十字軍の英雄サラディンの登場を意味する。エルサレムを巡る戦いはここから一つの転換点を迎え、その遺恨が現代まで尾を引きずっている。

  • サラディン現る。圧倒的な軍略を持つ天才の前に十字軍は敗れ去る。こうして100年にわたる十字軍のイェルサレム統治は終焉を迎えるのだった。

  • 史実と異なるところや誇張はあるのだろうが、難病患者でもあったボードワン4世の奮闘に心を動かされた。

  • 塩野七生氏の良い所は、疑問をそのまま放置しないことだ。

    この第2巻は第二次十字軍と共に、十字軍と十字軍の間の時代を丁寧に描いている。

    中近東に築いた十字軍国家が如何に存続できたのか、華々しい戦闘の記録よりも、地道な努力に焦点を当てているのである。

    実に地味であるけれど、塩野氏は彼女の疑問を正直にぶつけ、面白くない話を実に面白く描いている。

    次のハイライトがサラディンである。

    サラディンの名前は誰でも聞いたことがあるであろう。

    イェルサレムを占領する時、篭城していた異教徒たちを殺害しなかったことで知られる、アラブの英雄である。

    だが、その裏にはバリアーノ・イベリンというキリスト教側の英雄の存在がいたのだ。

    そういう、歴史の表には出てこない人々も丁寧に描いている。

    塩野氏といえば、ローマ人の物語が有名であるが、途中でダレた感は否めない。

    このくらいの長さで収まるテーマのほうが彼女の長所が発揮できる。

    ISとの戦闘で注目されているシリア情勢を、過去の歴史に遡って理解するために必須の本である。

  • 長い。。。図書館から延滞の連絡が来てしまった。十字軍と言えばダヴィンチコードにチラッと出てきたテンプル騎士団。十字軍の存続に欠かせない存在だが、結構やんちゃな騎士団だったらしい。大人っぽいのは病院騎士団。休戦中は医療行為への従事が義務付けられ名家の子息しか入れなかったみたい。イェルサレムなど侵攻するまではイケイケで進めたけど、その後、その領地を守るのはかなり大変だったみたい。

  • 読書日:2014年2月12日-17日
    イスラム側にもキリスト教側にも何人も王や貴族達が入れ替わったが、最も印象に残ったのはBaudouin IVです。
    持病という点で可哀想だからか、感情移入が強かったです。
    死ぬ時の様子に至っては涙ぐみました。
    幼い頃から利発な王は、落馬しても怯まず敵陣に攻め入る姿は、国を治める責任の重さを久々に垣間見ました。

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