- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103096375
感想・レビュー・書評
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・フリードリッヒはこの年長者二人を、徹底的に活用する。だが、徹底的に信頼し、徹底的にまかせることで活用したのである
・アユーブ朝のスルタンは、その創始者であるサラディンの考えを受け継いで、カリフとは常に距離を置くやり方で一貫してきた。「カリフ」とは宗教上の最高位者(キリスト教徒にってのローマ法王にあたる)であって、「スルタン」は世俗の最高位者
・カリフの周囲を固めているイスラム教の聖職者である「導師(イマム)」たち、つまりイスラム教の原理主義者たち -
中世の神聖ローマ皇帝とローマ教皇の権力構造について、細かな人間模様の描写から理解を深めることができた。
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13世紀ヨーロッパに現れた「玉座上最初の近代人」と呼ばれた神聖ローマ皇帝の伝記。前巻は治世の中盤まで。キリスト教の影響から政治を独立させるべく、優れた人々を率いて奮闘するのは後世の、しかもカトリックでもない人間にはわかりやすい。ただこれが当時のキリスト教世界の常識人にとっていかに認めがたいことだったか。皇帝一党に寄り添うような著述であるためアンチ皇帝派の気分がわからず、それゆえに事績の偉大さ、迫力を理解しきれなかったのがちょっと残念。
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シチリアに行きたくなります。
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「世界の脅威」とも称された、神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世の伝記。
中世の多才な皇帝を描いているが、どうしても彼のよい面しか描かれていないのではと思ってしまう。当然権力者としての暗い面もあっただろうが、その部分があまり描かれておらず、一面的なのではないだろうかと感じた。 -
13世紀初め、中世の絶対的存在であるローマ法王グレゴリウスⅨとの権力争いの中で、存在感を存分に発揮した人物の魅力がたっぷり。封建領主の時代において、法「メルフィ憲章」による絶対支配を試みるなどに関心を持った人物がいたとは奇跡!そのために法王から再三の破門を喰らうが平気の平左!実に痛快。十字軍に参加し、エルサレム王に就任する意味を知っていた!ナポリに初の国立大学(フェリペ2世大学)など読んでいて驚きの連続だった。