- Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103143222
感想・レビュー・書評
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いい意味で主人公が成長しない。
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最初から最後までうっすら泣きそうな気分で読みました。
なんでか山崎ナオコーラさんの作品は私の琴線に触れる。
率直で良い文章。人との繋がり方について、私はずっと模索している。 -
愛を免罪符に女に寄生したあげく使い捨てる男は当然理解できないし、それをすべて承知のうえで社会慣習に染まりたくないからなどという陳腐な理由で尽くしてしまう女もわたしとはまったくちがう生き物で、そんなわけで主人公ふたりに終始苛立ちながら読み進めた気がする。
ゆるさはこの作者の持ち味だし、文章自体もまったく嫌いではないのだけど、人間のまっすぐさやひたむきさ、一生懸命さといったものがあまりに欠けていて、わたしはそういうのをきっと、現実にも物語にも求めてしまっている。
要するに、おまえら流されすぎだろ!って、おもったわけです。
生きるということは崇高な営みでもなんでもないのはわかっていながら、それでも生きるということのうつくしさやみにくさを、あいしているのだよなあ。 -
「新潮」2009年12月号にて。
「恋愛否定」の小説ということで読んでみた。この話の主人公はあきらかに作者で、自伝小説風な色彩が強い。途中、「これは日記か!?」とツッコミを入れたくなる箇所も多少あり。でもこの作者の感性はやっぱりわりと好き。文体も問題ないし、途中までは「うんうんわかるわかる」な箇所もありつつ快適に読み進められたのだけど、後半というか最後ら辺、ものすごい、怖かった。
「ひとりの愛より、みんなの小さな好意をかき集めて、生きていきたい」
そうか…。わたしも恋愛至上主義とは程遠い価値観を持っていると自負しているし、「まだ誰も見つけていない、新しい性別になりたい」というのもわかるけど、この結末にはちょっとした恐怖を感じた。人間としてのどろどろした中身がなくなっていくようで、怖かった。
作者は恋愛に代わるものとして「芸術」を提示したいのかもしれない。その気持ちはわからなくもないけれど、愛のない芸術は成り立つのだろうか?やっぱり創造のきっかけは「誰かに伝えたい」、その「誰か」がない作品って、熱量が全然感じられないということだよね…と思ったら、確かにこの小説からは「熱量」というものがあまり感じられなかった(だから「面白くない」「価値が低い」と言ってるわけではなく)。不思議な感覚。 -
山崎ナオコーラさんの文章を初めて読む。
平易で、わかりやすい文章で淡々と日常を書き綴っているだけなんだけど、なんか全然軽くない。
むしろ重みがあるなあと感じた。
ハマる人にはハマるんだろうけど、今の私にはあんまり。でも他の作品も読んでみたいと思った。 -
感想
社会は自分に何を求めるのか。上手に役割を演じているつもりでも無理をすれば歪みは生まれる。自分なりに生きれば角が立つが歪みはないのか。 -
2010/3/29
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シオちゃんの気持ち。わかるようで、わからない。
自分はここまで深いとこまで考えてないんだろうな〜と思う。でもそんな呑気な自分が嫌いじゃない。
し、呑気なりにちょっとは考えているから、許してください。
気付いたら数時間で読み終えていた。 -
社会とは何か。社会に求められる自分のありかたを考えるきっかけになる。20代の色々考える主人公に、共感できた。