家のロマンス

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103452089

感想・レビュー・書評

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  • 大きな波がない物語で、正直言うと印象が薄め。どこかで大きな展開があるやろと思って読んでたのもあって読了後あっさり感があった。

    家の狭苦しさ、歪さが気になった。
    4、5家族が同じ家に住み、同じ台所を共有している場面があった。コンロは何口あったんや、レンジは?冷蔵庫はどう言う割り方で使ってたんやろとか現実的なことを考えて読んでいた。4人の女性が同じ場所にいたのか〜狭くないのかなとか。
    あと、一緒の家に住んでいるのに食卓は囲まないこととか。
    自分のおばあちゃん世代にとって普遍的な家庭の図かもしれないが、少しイメージが湧きづらかった。
    だから、登場人物に感情移入できず、さっぱりした読了感なのかもしれない。

    おばあさんの視点だったのが、おばあさんの死後に孫のヨシノに視点が移った。これは一世代の一家の歴史を追いたかったからなのかな。もしそうだとしても、狙った効果はその一つだけなのかな。
    もう一度読むと他の効果も得られるかもしれないが、再読する気は今のところない。  

  • 家、そしてその内側の自分の場所から家族を、世の中を眺めていた女性の独白と、その孫から見た一族と家のその後。

  • 一族のお話にしては短過ぎたなぁ。あっさりしすぎてて淋しいと感じる間もなく駆け足で終わってしまった印象。
    久男叔父の生き方は大好き。でも前妻の立場に立つと淋しすぎる。

  • おばあさまが死にそう。早く、早く。駆けつけた孫娘に託されたものは…。祖母が語る家の過去、孫娘が築く家の未来。時を超え連鎖する生の物語。

    日本的な家族だな、と思った
    わずらわしいなら関わらなきゃいいのに執拗に繋がりを求める

    でも何故か暖かく感じた

  • 模試の問題文として出ていたもの。
    全文読んでみたい!

  • <あらすじ>
     第一部は祖母ミヤの話。明治生まれのミヤは7人の子を産み、戦前から住み始めたこの屋敷でほとんどの時間を過ごした。死の床で孫娘の到着を待ちながら人生を振り返る。
     第二部は孫娘ヨシノの話。大家族に囲まれて屋敷で成長した彼女は、家を振り切るように北の大学へ進学した。祖母の死からその後の“家”の末路を見つめる。

    <ひとことコメント>
     登場人物の名前こそ違いますが「佐智シリーズ」の一つと考えて良いのでしょう。時代は第一部が『夢の壁』から『苺畑よ永遠に』の途中まで。第二部がそれ以降。
    『読売新聞』(2006年12月19日付)にインタビュー記事、『波』2006年12月号に梨木香歩さんの書評、月刊『新刊展望』2007年1月号にインタビュー記事があります。
     今更ですが、劇作家の叔父は加藤道夫氏、その妻は加藤治子氏ですね。

  • 最初は妻となり、母となった人物の視点。
    そして次は、その孫の視点。

    戦前、戦争、そして戦後、それから…という話です。
    増えて減ってまた増えた家の中の家族のごたごたした問題と
    放り出す事も出来ない問題。
    いつか、誰しも必ず通る道、というものです。

    ちょっと読んでいて、こういう状態にはなりたくない、と
    思わずにはいられませんでした。
    書こうとしている所は確実に違うと思いますが
    それでもそこに注目せずにはいられませんでした。

  • 桜庭一樹の「赤朽葉家の伝説」第一章のように 祖母が語る「家」の物語。ロマンス とタイトルにあるけれど、ロマンスというより女の性(サガ)の物語と言う感じか。昭和の戦争をはさんだ旧家の物語。家 そのものだった祖母の死の床にある状態での回想。それぞれが自分の家族を守るために必至に闘う女。でもあまりドロドロとしたねちっこさは感じない。女の醜さに焦点を合わせていないからか。

  • 著者を間違えて図書館から借りてきてしまった本です。はなしが生々しくて、それでいて目をそらせない力のある作品でした。この本に描かれている親・兄弟、嫁姑のくりだされる力関係やいがみあいとかはあまりに身近すぎてすこし嫌でしたがw。

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著者プロフィール

1936年札幌生まれ。41年両親とともに北京に渡り、47年引揚船に乗り帰国。北海道大学農学部卒業。農林省農業技術研究所に勤める傍ら、「三田文学」に作品を発表。72~89年自然観察会代表。82年「野餓鬼のいた村」で第14回新潮新人賞、83年「夢の壁」で第88回芥川賞、91年『尾崎翠の感覚世界』で芸術選奨文部大臣賞、2002年『長江』で毎日芸術賞を受賞。08年から財団法人北海道文学館顧問。日本野鳥の会会員。

「2015年 『尾崎翠の感覚世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

加藤幸子の作品

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