わたしの隣の王国

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103503118

作品紹介・あらすじ

すぐそばにいる。名前も記されている。でもあなたには、この犯人を、決して見抜けない! 高校を卒業したばかりの空手少女、杏那。研修医の彼、優さんと訪れた日本有数のテーマパークで楽しい一日を過ごすはずだった。ひとりぼっちになり、それを目撃するまでは――。どこに行ったの、優さん? 二つの密室に犯人消失、暗号と魔法、消去法とねじれた論理。夢の国からの挑戦状。ミステリ・ラバーズに捧ぐ、究極のはなれわざ!

感想・レビュー・書評

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  • 世界のファンタジー小説やコミックをモチーフとし完璧に作り込まれた世界感で大人気のテーマパーク『ハッピー・ファンタジア』を訪れた『杏那』。好奇心から入り込んだ塔中で恋人の『優』とはぐれてしまい、キャラクターの『エドガー』が殴られるところを目撃した直後自分も襲われ意識を失う。目を覚ますとそこは本物のハッピー・ファンタジアの世界だった。
    一方杏那を探していた優もまた、現実世界で殺人事件に巻き込まれていた。

    所々リンクした二つの世界の謎を解いていくファンタジーとミステリーの融合した作品、とでも言うべきなのでしょうか。
    ただ王国サイドは某超有名テーマパークが浮かびっぱなしだし、現実側の謎解きもあり?と思う仕掛け。犯人もそれまで姿を現さなかった人物・・・。まあ、登場して無かった訳ではないし、文中で杏那にミステリーの手法として語らせてたからOK。すれにずーっと気になってた人物でもあったしね。
    そんなこんなで軽く読める内容のはずなんだけど、なんだか時間がかかってしまいました。

  • 作者お得意のアナグラム炸裂。ファンタジー仕立ての密室ミステリー。フェアといえばフェアだけど、例のパークが重なって、発想は面白いけど、もっと別のオリジナリティあふれる話が読みたい。

  • 某ネズミの国+某スタジオジャパンを彷彿とさせるテーマパークで不思議な世界に迷いこんだ杏那と重役の殺人事件に挑む優。杏那はもとの世界に帰ることができるのか。優は事件の謎を解くことができるのか。
    パークの情景は、現実のパークのイメージもあって想像しやすいのだが、地理感覚は当然ながら全くないので訳がわからなくなるし、塔の作りは最後までよくわからなかった。そもそも、彼氏と進展したい!と意気込んだデートで、平気で立ち入り禁止らしき場所に踏みいる女子高生ってどうなのか。自分ならお断りだが。設定がぶっとんでいるのはよしとしても、ミステリ部分はわかるはずもなく、犯人もわかるはずもなく、犯人?が杏那を襲った理由やファンタジー世界の方でのオチはひどい。ファンタジー部分は大人に辛く、ミステリや謎解き部分は子どもに難しく、対象年齢のわからない本だった。

  • ファンタジーによる世界観の中でのミステリというのは嫌いじゃない。世界観そのものがミステリの制約でもあり、トリックの肝となりうるから。本作はそういうレベルまで昇華しきれていないように感じる。そもそもの世界観そのものが、テーマパークにありがちなものであり、深みが感じられない。キャラクタもどこかで見たことある感じのものばかり。
    唯一、現実とファンタジーが重なる点が重要なファクターになっている点だけは面白かったが、それ以外は・・・・。現実パートが弱すぎてバランスが悪いので、唯一の面白かったポイントも生かし切れていないように思う。本格ミステリを書きたいわけではないのだろうとは思うが、これではご都合主義すぎるし、理解もしにくい。従来の作風とは違う色を出そうとして上手くいかなかった。
    前三作のように七河迦南には、社会派っぽい背景の中に人間の少し深い闇をえぐるような作品の中にトリッキーな要素を詰め込んでほしい。

  • 巻末の参考文献にも明記されているけれど、この話の舞台ハッピーファンタジアは読めば誰にでも分かるレベルでディズニーリゾートを模している。
    私自身はナルニアもゲドも指輪物語といった海外ファンタジーは好きだしそれを扱ったテーマパークがあればいいなとも思う。でもそのイメージを頭の中に描くにはリアルのディズニーが強過ぎる。
    そのせいで杏那やパークスタッフがいくらハッピーファンタジアの魅力を語り、キャラが世界の危機を訴えても借り物感が拭えない。

    そして身勝手に解放されてないエリアに立ち入った上に、いくら好きだからといってファンタジーの世界に入り込んだのをさして驚く事もなく受け入れる杏那や、いきなり探偵の真似事を始める部外者の優に対して怪しむ事もなくペラペラと内情を語るスタッフに違和感が。
    魔方陣やアナグラムそのものはよく出来ているのに、それを難なく杏那や優が解いてしまう辺りを含めて全体的に御都合主義過ぎて最後まで物語に入り込めず、読み手として置いてけぼりにされた気分だった。

  • 今年初読書。ミステリに真っ向から取り組んだ一冊かな?もっと長編にしてもよかったのではいろいろもったいないです。

  • ファンタジー好きなので、杏那パートは楽しみながらサクサク進みました。パズルの要素と、名作へのオマージュという嬉しいオマケ付き。
    反面、優パートの全部盛り的巧妙トリックが飲み込みきれず...しかしミステリマニアなら唸るところなのでしょうね。
    本格ミステリもファンタジーもこなしてきた玄人読者への、「挑戦状」と呼ぶに相応しい読みごたえです。

  • 現実に起こる事件と隣接する世界で起こる事件。
    浦安のテーマパークを思わせる世界観で
    ファンタジーの要素たっぷり。
    ミステリの部分も魔法陣やアナグラムなどパズル的。
    今までの作品を期待して読むと
    ちょっと期待外れにかも…

  • 杏那は恋人で研修医の優とともに、大好きなテーマパーク・ハッピーファンタジアにデートでやってきた。ふとした好奇心からパーク内の研究施設に入ってしまう。落し物を拾うために優と分かれてエレベーターに乗り、開いたドアの向こうはまるで違う世界、パークの主人公、ハッピーパピーが実在する世界だった。一方、戻ってこない杏那を待つうちに優は研究施設内の殺人事件に巻き込まれてしまう。

    七河さんの新刊だ!!と喜び勇んで読んだものの、これはちょっと合わなかった……。登場人物が多くて、そもそもファンタジーパートの世界観も飲み込みきれず、ついていけなくなること多々。終盤になってトリックとか謎とか現実とリンクしてくるとやっと勢いがついたのだけど、ちょっと残念。

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