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著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 708
感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103668091

感想・レビュー・書評

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  • 山田詠美はいつも平易な文体で鋭い本質を突く。

    それは例えば「大切な人の死は魂を成長させる」こと。

    ペットの死を契機に叔父からはお酒が抜け、母の死を通じて家族の絆はいっそう深まった。

    ならば死はいかにして弔われるべきか?

    考えても考えても結論は出ない。

  • 9.11で母を亡くした兄弟。大切な人、母と離婚した父、アル中の叔父、それぞれが9.11や母の死を受け入れながら前向きに生きていく。なくしちゃいけない大切なもの。

  • 本を読んだのに、映画を観た後のような。
    活字を追いながら同時に映像が再生されているの。
    人の思考を邪魔しない無駄のない文。
    面白い体験。

  • 9・11のことを日本の作家が書くならば

    絶対山田詠美に書いてほしいと思ったけど

    半分位、思い通りの出来だった。

    ただ、ロビンの年齢設定が17歳なのが違和感があるのと

    どうしてこのタイトルなのかそれだけが疑問に残る。。。

  • 再読。

    たとえなにを失ったとしても、小さなことが世界を繋いでいく。
    目を背けなくなる瞬間は確実に訪れたとしても、世界は美しい。
    それを知っている子どもたちは成長する。


    911、死、喪失を題材にした創作の中で、一番リスペクトしてます。
    だいすきです。

  •  9.11で母親をなくした双子の、それぞれの成長を描いた物語。
      異国の風習も情感もわからないけど、それでも響くものはある。

  • 9.11のテロは、アイデンティティが激しく揺さぶられる事の象徴、という気がした。規模や影響力は異なっても誰の身にも起こりうる、そんな出来事。悲しみからは遠ざかりたい!だけど忘れる事はしたくない!葛藤しながら成長していく双子の兄妹。男と女、大人と子供、白人と黒人といった対比で描かれる世界には色々な要素が詰まっている。主人公の兄妹は素直で正直で、それもいい・・☆ 読み終わった後は、すがすがしい爽やかな気持ちになる作品。

  • 9.11.で母親をなくした兄妹が、前向きに一生懸命に自分の道を進んでいく。つらいことや思い通りに行かないことはたくさんあるけれど、少なくとも給料日は幸せになれる人生も良いのではないか。そう思わせてくれる一冊。

  • これふっつーにすんごいおもしろい!!アメリカンな恋愛がすんごい素敵だと思いました。

  • グラウンドゼロを背景とした家族の物語。ロビンとハーモニーの双子が繰り出す青春模様だ。ものすごく突然に肉親を失うという傷は涙とそれ以外の大きな感情を伴う。それらを救うものは何かということ、愛ということ、青春時代の必然性を強くメッセージにした小説だ。

著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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