血も涙もある

著者 :
  • 新潮社
3.23
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本棚登録 : 970
感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103668176

感想・レビュー・書評

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  • 意外とあっさりしていて、テンポよく読めた。

  • 善悪とか道徳とか倫理とかって、自分が思うのと人が思うのとは全然違うのかも。

  • 山田詠美「血も涙もある」https://shinchosha.co.jp/book/366817/ 妻と年下の夫とその愛人、愛人は妻の部下、という大人の三角関係で、どろどろを予想したら乾いた皮肉たっぷりのコメディで、意地が悪くて、おもしろかった。関係は常に1対1、本当は部外者には想像も及ばず介入やジャッジの隙もないはずのもの(おわり

  • 初、山田詠美。テンポが良くて読みやすかった。
    妻の立場だったら辛いなと思いながら読んでいた。最後は不倫の話とは思えないさっぱりさでよかった。桃子みたいな子、側から見てる分には清々しくていいけど、周りにいたらやだなあ。太刀打ちできない。

  • 「有名人の不倫が激しくバッシングを受けるようになたのはいつからだろう。『恋愛のことは当事者にしか分からず、世間一般のルールは当てはめられない。倫理にあらずなんて誰が決めるの?』かねて疑問に思ってきた作家は新作『血も涙もある』で、妻と夫、夫の恋人の3人の関係をユーモラスで残酷な恋愛小説に仕立てた。」という日経夕刊の記事をたまたま目にし、かねがね同様の疑問を抱いていたので、何かそこに考えるヒントがあるかと思い、手にしてみた。

    結論から言えば、ヒントになりそう?なものが、ありそう?だなあ・・・と感じられなくもなかったが(せっかく単行本を買って時間を使って読んだんだからそう自分に言い聞かせなければ、やるせない)、深く考えさせる材料、目新しい視点、この方向で考えを深めていこうと思わせる切り口などは、全くなかった。この意味で、がっかり。もっとも、冒頭のような、実は重いテーマにどこまで踏み込めるのか、元から半信半疑ではありましたが…。

    そもそも、作者にしてみても、自らが立てた問いに対して、十分踏み込めているとは言えないだろう。習作ですというならともかく。というわけで、こんな作品で仮に書こうと思っていたものが書けたと感じているとしたら、作家として最低。売れないイラストレーターである作中の夫が、売れないくせに、意に沿わない仕事は断る、そのかわり引き受けた仕事は必ず満足いく作品として仕上げて見せる、それが自分のプライドと書いていたのとは真反対。

    山田詠美の作品は初めて読んだ(と思う)ので、これだけであれこれ言うのはアンフェアかもしれないが、作家に持っていてもらいたいと勝手に願望している、人間力というか、他にはない視点というか、分析力というか、洞察力というか、そういうのがないんだろうなあ、あるいは、テーマに負けたんだろうなあ。

    まあ、とはいえ、全体として小ぎれいにまとまっているし、恋人、妻、夫それぞれの視点から順繰りに語らせている体裁もなんとなくおしゃれだし(といっても特に目新しい手法でもないけど)、物語の中後半あたりからの展開とか、特に最後の結末とか、それなりに読ませるし、そして、敢えて使っているだろう下品な性的表現にニヤニヤしちゃう一定層もいるんだろうということで、まあ、そういう意味での、暇つぶし的な消費財としての「コンテンツ」としては、”よく”できているのかもしれないけど。とはいえ、所詮、その程度の作品。

  • これぞ山田詠美!
    しかし、自分の方が歳を取ったからなのか、男女の不倫、恋愛にあまり興味を持てず・・・

    不倫小説であるのにさっぱりした読後感。

  • 心の内から湧く独り言のように進行する「韓国が嫌いで」の後に読んだので、これもまた、一人称で読みやすく、入り込みやすいと思いました。ただ、人が入れ替わるので、ある日のある場面が何度も再現され映像になったら面白そうです。割と密室劇でドラマ向き。「人生なんて、傷口から流れる血を舐めてくれる人と、流れる涙を拭ってくれる人が側にいてくれるだけでこと足りるんじゃないのか?そうだろう?ミーちゃん。(P224)」で、これまでの輪舞が終わるので、またかっこいいです。

  • 体の中に流れている血や涙という液体は
    必ずしも構成物質が同じではなく、
    愛情、憎悪、羨望、嫉妬といった感情が血液の中のヘモグロビンを循環していて、三者三様の容態を示している

    何が自分の人生なのかについては
    自分から出てくる涙や血から知ることができるのだ

  • 桃子がけっこう好きだ。と、思う私は、
    血も涙もないやつなのかもしれない。と、思った。
    みんな、○○ぶりっこ。
    手を引くタイミングは大切だ。

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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