天平の女帝 孝謙称徳

著者 :
  • 新潮社
3.33
  • (8)
  • (10)
  • (24)
  • (4)
  • (3)
本棚登録 : 149
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103737155

作品紹介・あらすじ

奈良時代、二度も皇位についた偉大な女帝がいた。著者渾身の本格歴史小説。「女に天皇は務まらない」と言われながら、民のため、国のため、平和の世のために生きた孝謙称徳帝。遣唐使を派遣し、仲麻呂ら逆臣の内乱を鎮め、道鏡を引き立て、隼人を傍に置いた。一人の人間として、女性としての人生も求めた女帝の真の姿とは。突然の死と秘められた愛の謎を和気広虫ら女官たちが解き明かす、感動の歴史大作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 切ないです。
    女帝は現代では、評価されてないですよね。
    唯一の女性の皇太子。
    昔は人権なんてなかったから仕方ないのかもしれないけど。
    この国で一番上の地位にはついたのに。
    切なかったです。

  • 天平期の女帝 孝謙•称徳天皇について、主に側近の和気広虫の視点から書かれた作品。
    孝謙称徳女帝に関して、著作によっては我儘娘や悪帝と記すものがある中、平等に書かれる姿勢が印象的であった。玉岡さんは特定の人物を悪く書くことがなく、変に悪印象を受けずに読めた。

  • この時代のお話はあまり読んだことがなかったので新鮮だった。中継ぎとしての女帝でなく皇太子として立てられ、即位して孝謙天皇、重祚して称徳天皇。そのそば近く仕えた女官の目を通して描かれる女帝の物語。
    頼りになる年上の男性に恋する乙女であった彼女は、大きな挫折も味わいながら、やがて男だけに政治をまかせるのでなく、女性も共に手を携えてやっていこうという理想を持つに至る。僧である道鏡を重用した女帝だが、その真の思いとは。

  • 自分の勝手なイメージで聖武天皇は素晴らしい!なんてね
    正倉院展観に行くと文化の素晴らしさにやられちゃう
    それで続く孝謙天皇もいいかもーって

    この辺りの時代は身内の争いがすごいって
    分かってたんだけど
    その背景で生き抜く女帝像に期待し過ぎたかな

    この物語はヒロインである女帝を回想する形で
    中心人物はお付きの女官たち
    女性を語らせるのはお得意の玉岡節で
    主題がきっちりして小気味いい
    問題ありありの歴史人物を悪く描かずに
    謎を解くようにしていくのはよかった
    フィクションはこの辺?と考えながら
    史実と比べながら興味深く読みました

  • H31/3/6

  • 天平の女帝、孝謙・称徳。重祚した2回の治世とも、廷臣の専横を招いた女帝。
    恋に盲目だった乙女の孝謙期と、全てを慈しむ母性へと変わった称徳期。

    彼女の死後の宮廷で、過去を思い出し現在を俯瞰する女官の目線で物語は進みます。
    良くも悪くも、一人の愛の行く末に左右された時代だったのだな、と。

    彼女の愛の生涯をたどるように進む物語の裏で、暗躍する藤原氏の権力への執着に恐れ戦く。

  • なかなか読み進まなかったが、中盤からは毒殺の犯人捜しが気になってなんとか読了。

  • 登場人物の名前がややこしくて苦労した。特にカタカナの名前の彼ら。

  • 孝謙、称徳天皇や道鏡など、歴史の授業などで聞いたことあるなー、というくらいの知識だったけど、楽しめた。
    ただ登場人物の名前が難読で覚えにくく、人物相関がわかりにくかった…。

    歴史物、ではあるけれど、女性が働くには、など現代とも共通する点もあり、はるか昔のお話が身近に感じられた。

    フィクションを交えたあくまでも「物語」なのでこれが真実とは思わないものの、歴史上の人物や事件には色々な解釈の仕方があり、それが古い時代であればあるほど100%の真相がわからないだけに「もしかしたら…」と思わせてくれる、楽しいお話だった。

    ただ、後の男性たちが女性天皇を貶めることは大いにありえそう。

  • 古代最後の女帝、孝謙称徳の物語。で、主人公は孝謙称徳かと思ったら、何と和気広虫だった。広虫の視点から孝謙称徳の心の内を慮るという凝った構成であった。しかし、毒殺のミステリーは、あまり効果的でなかった。

全25件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

◎玉岡 かおる(たまおか・かおる)作家、大阪芸術大学教授。兵庫県三木市生まれ、神戸女学院大学卒業。15万部のベストセラーとなった『夢食い魚のブルー・グッドバイ』(新潮社)で‘89年、文壇デビュー。著書には『銀のみち一条』、『負けんとき ヴォーリズ満喜子の種蒔く日々』(以上新潮社)、『虹うどうべし 別所一族ご無念御留』(幻冬舎)などの歴史大河小説をはじめ、現代小説、紀行など。舞台化、ドラマ化された『お家さん』(新潮社)で第25回織田作之助賞受賞。『姫君の賦 千姫流流』(PHP研究所)は、2021年、兵庫県姫路市文化コンベンションセンター記念オペラ「千姫」として上演。2022年5月『帆神』で新田次郎文学賞受賞。

「2022年 『春いちばん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

玉岡かおるの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×