ソロモンの偽証 第I部 事件

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (741ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103750109

感想・レビュー・書評

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  • ボリュームに見合った読み応えのある作品。
    単純な事件かと思われたものが、実は奥が深く、転がりだした事態は止まらない。
    読む手が止まらなくなる。
    何より中学生たちが真に迫る。
    ステレオタイプではない、内面の揺れ幅がリアル。
    早く続きが知りたくなる。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-2434.html

  • 宮部みゆきさんの「ソロモンの偽証」1部、『事件』読了。真っ白い雪の降り積もったクリスマスの朝、中学二年の生徒が遺体で発見された。刑事を父に持つ文武両道の藤野涼子、その友人の倉田、藤野に憧れる野田など、まずはクラスメートの関係が描かれる。自殺か他殺か、学校、警察、マスコミを交え、少しずつ見えてくる事件の断片。登場人物は多いがとても読みやすく、本の厚さのわりにすんなり読めた。まだ序章という感じで第2部の『決意』に進みます!

  • 第3部にまとめて。

  • 雪の日に、学校で起こった少年の転落死。
    自殺と思われたその事件は告発文が届いたことで他殺の様相を
    見せる。本当の原因はなんなのか?
    1つの事件を発端に、色々な事が起きていく。
    それぞれが抱える悪意が本当にリアル。
    それに飲み込まれてしまう人。抗おうとする人。
    登場人物が多いのに混乱しないで読めるのは、個々の人物描写が細かく丁寧だから。
    宮部みゆきさんの書く小説はこれがほんとうに上手い。
    分かりやすく感情移入しやすい。ここがしっかりしているから
    次々に起きる事件も都合がいいなーという違和感をあまり感じない。

    第2部が早く読みたいよー。

  • 学校と言う閉鎖された空間で起きる悪意の連鎖。
    人の悪意が呼ぶものはやはり悪意でしかない。

    第一部だけで740Pというボリュームながら一気読み。
    早く第二部にとりかかりたい。
    感想は三部まで読了後に。

  • 悪いことを悪いことと認識している大出と自分のやっていることは正義であり悪いことではないと思い込んでいる三宅とでは悪の質が違うという名古屋刑事の指摘が鋭い。
    三宅樹里の友人だった浅井松子の死が不憫でならない。
    そして、担任の森内の隣人・垣内の悪意がただただ不気味。

  • あの雪の日に立っていた理由はなんだったのか。きっとこれはまだ後にならないと出てこないんでしょう。
    中学校で転落死した不登校の生徒。普通に扱えば、それは自殺で済んだことが、次々と事件を引き起こします。
    それは不良グループを懲らしめたい怪文書だったり、隣人に逆恨みをする者の悪意だったり、ネタとして取り扱うマスコミだったりと、まさに呪われているんじゃないかと疑うほど次から次へと事件が連鎖します。
    それに翻弄される学校と生徒たち。
    宮部さんの作品は、真実と正義は一つじゃない、どれも正しくあって、どれも正解じゃないというような印象を受けます。以前読んだ作品によって、人によって正義は変わり、見方によって真実は変わるのだと私は思うようになりました。
    続きが気になる作品でした。

  • たった10ページ読んだだけで、
    がっつりつかまれました。

    早く先が知りたい!
    とはいえ700ページ以上なんで持つには
    辛いところです。

    宮部さんのお話しはキャラクターが
    分かりやすくていいですね。
    こんなにハマったのは『英雄の書』以来。
    あと2冊も楽しみです!

  • 図書館にて。
    ずっと読みたくて、存在を知った時即予約。
    3冊まとめてやってきた。
    「理由」も分厚かったけど、3冊ワンセットはさすがにボリュームがすごい。
    宮部みゆきらしい、登場人物1人1人しつこいくらいの丁寧な描写が懐かしいと感じられるくらい、ファンがずっと待っていた作品だと思う。
    私自身がこの人のファンタジー小説が苦手で、特に「ボツコニアン」を読んだ時はもうだめかと思っていたけれど…本当に良かった!泣
    それぞれの場面で視点を変えつつ三人称で描かれているけれど、時々天の声のように入る作者の声。突っ込みともとれる言葉があったり、裏を示唆するような言葉があったり、下手な作家ならともすれば邪魔になったり言い過ぎだったりして失敗しがちだけれど、この人の描写はぴったりとはまっていてそうそうこれこれ!と思ってしまった。さすが宮部みゆき節だと思う。
    伊坂幸太郎作品とはまた違う、作品の底に流れる怒りのようなものがいつも好き。重たいテーマではあるけれど、勧善懲悪ではないとこともリアルで引き込まれる。そう、人には裏が確かにある。
    ああ、後何時間で全部読み切れるんだろう?!
    読み終わるまで何もできないことを覚悟しなくては…。

  • この分厚い一冊が導入部であり、三分の一なのだから、長い話だ。

    だが、その長さは全く苦痛を感じさせない。
    中だるみも回りくどさもない。
    噛みしめるように、この長さを楽しみながら読める。

    いつもながらの、しっかりとした、心に響く人物描写、心理描写。
    バブル崩壊寸前の社会の浮かれっぷり、狂いっぷり。
    そして、長すぎる子どもと大人の間の時を、必死に泳ぎ渡ろうとする中学生たち。

    怖いほどに、続きが楽しみだ。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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