アナザー・ワールド: 王国その4

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103834083

感想・レビュー・書評

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  • ニノが前作の主人公の雫石の石の強さを受け継いでいて、傷つきながらも進んで行く姿はとても共感できた。

  • これまでの王国の主人公、雫石の娘、ノニの物語。
    ノニも可愛くて魅力的なんだけど、雫石や楓、片岡さんのその後の人生をみれたことが一番良かった。
    特に最後、ノニと片岡さんの混浴の場面で片岡さんが珍しく真面目に語るところ。前回の雫石との旅行を思い出した。
    やっぱりよしもとばななさんは、たいていオチがないし、時々主人公の思考がとまらないあまりにひとりよがりに思えてしまうときもあるんだけど、でもいつもうまく例えようのない、なんだかいい贈り物を手渡しされた気持ちになる。
    このお話もきっとこの先何回も読みなおすんだろうなあ。
    ぽかぽか気分になれる、幸せな物語。

  • 王国シリーズのラスト。

    はじめはなんの話?って感じでわからなかったけれど

    よくよく読み進めるとみんな出てくる。

    王国シリーズの中ではこの本が一番好きかなぁ。

    今、自分が現実に抱えている焦りや自己否定感を

    やさしく「いいよいいよ~」と受け止めてもらった気がする。

    社会的なものや形式ばったものがどれだけ意味があるのかなって。

    ある意味ぶっとんだ家族の形が織りなすストーリーを前に

    自分ちっぽけだよなぁって痛感した。

    自分がやりたいこと、やりたいように、あるがままでいいねんなぁ。

    そう思う。

    これ読み終わったら、「イルカ」「なんくるない」も読みたくなった。笑

    貪欲~www

  • 図書館の本

    内容(「BOOK」データベースより)
    視力の弱い占い師のパパ、薬草茶作りの達人のママ、そしてパパを愛するパパ2…。3人の親の愛を一身に浴びて育った片岡ノニは、陽光降るミコノス島で運命の出会いをした。その相手は、“猫の王国の女王様”と死に別れた哀しみの家来・キノだった。

    なぜ今私の手元にこれが来たのか考えなければいけないのだと思うエピソード満載。
    片岡でありたいけれども、雫石なんだろうと思って読んできたけれど、ノニに出会わなければいけない気もしてきた。
    ノニとキノのその後も見たい。
    おばあちゃんも、楓も去り際があっぱれ。
    終わってしまうのは痛いけれどもう少しこの人を読み下げてみたいと思った。

  • 2012.8.30読了。

    自然と共に、揺れ動きながら生きていく。たぶん、乗馬をしてなかったら読後の気持ちはまた違ったものになっていただろうと思う。

  • 『視力の弱い占い師のパパ、薬草茶作りの達人のママ、そしてパパを愛するパパ2…。3人の親の愛を一身に浴びて育った片岡ノニは、陽光降るミコノス島で運命の出会いをした。その相手は、“猫の王国の女王様”と死に別れた哀しみの家来・キノだった。』

  • 『みんな、実はいろんなものに
    愛されたり
    支えられたりしてるのに、
    ちっぽけな自分の悩みで
    いっぱいになっているのな。
    人間ってほんと贅沢なものだよ。』

  • 「簡単に言うと、ノニが来たら、幸せだなって思って、顔色を見て、健康だなって思って、嬉しく思って、おいしいものを食べさせたり、喉の渇きを癒してあげたり、そういうことを大事にするってこと。自分の中をきれいにしておくことしか、人間にはできない。 もしもノニが来てめんどうくさいなとか寝ていたいなとか、うとましいなと思う自分だったら、私は自分の中にほこりがつもっていると思い、掃除をするだろう。 その掃除を続けていくことでしか、世界になにかをあげることは、できない」

    「だって、よく知らないけれど、単にお仕事を断っただけでしょ?しかもさっき話してた類いのことだよね。それは道が分かれただけだし、それはよくあることだからね。なんでも大きく広げようという考えの人もいるのよ。
     あのさ、人間のことはいまだにあんまり得意ではないんだけれど、植物だってただいい感じに癒したり、きれいに咲いたり、命を投げ出したりしてくれてるわけじゃないのよ。どろどろの土から養分を吸い上げて、隣の草を枯らし、ただはびこって、種をまき散らして、なにがなんでも生きているのよ。動物の糞に混じってでも。そして醜い争いや命のぶつかりあいや、自分を害するものを棘で刺したり、毒を吐いたりしてるのよ。
     人間だって同じじゃない?いろんな面があって、全部が大きく混じりあって、そのるつぼのなかで出会ったり別れたり気が合ったり合わなかったり下手すると殺しあったりしてるわけだから、植物と同じなんだよ。生きてるってことは、そんなこと。いいことやきれいなことや真っ白いことばっかりじゃない。でも、それぞれ生きてる。自分は自分のよしとすることを、静かに、もくもくとするしかないし、自分のよしとしないことが起きたら、静かに離れればいい。」

    「今いるところよりも遠くに行けそうだし。」
    「そのためにはもっともっと心を開かなくちゃいけないんだろうなあ。」

    でも、多少の夢を見ることはできる。未来は決まってない。

  • いいタイミングでこの作品に出会えてよかったなぁ

  • 王国三部作の後日談といった感じ。

    雫石の娘の目線から見た三人の姿が描かれとてもおもしろかった。

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著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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