夜のピクニック

著者 :
  • 新潮社
3.78
  • (1044)
  • (1208)
  • (1600)
  • (113)
  • (30)
本棚登録 : 7261
感想 : 1251
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103971054

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読み終わって最初に思った事は、青春っていいねということでした。
    いつも顔を会わせているのに、「歩行祭」でしか語れないことがあって、それによってみんながいい方向に向かっていくことがとても良かった!

  • すごくよかった。
    融と、融の腹違いの兄妹、貴子。
    そのことを隠して生活していたが、歩行際で周りの人間の手回しによって和解。感動した。
    それにしても2人ともいい友達がいるな。特に忍、かっこいいし、それでいてかわいらしいいし。
    「青春しとけばよかったな」と言う感じが、なんかリアルだなと思いました。

  • 【再読】10年ぶりくらいかもしれない。学生時代に読んだときは、表立っては何も起こらないストーリーになんとなく不満を覚えた気がする。学生時代から抜け出して読んでみたら、やっぱり何も起こらないんだけど、青春だなぁとしみじみ思った。あからさまなキラキラではないけれど、その時だけ感じられる想いが詰まってるところに青春を感じる。今よりもっと歳を重ねて読んだら、また違った感じ方をしそうで楽しみ。

  • 高校最後の行事『歩行祭』。夜を徹してただひたすら歩き続ける。友人達と語りながら、新たな道を歩き出す青春物語。

    他の人から見たら大したことのないことでも、本人にとっては誰にも言えない秘密にしていることはある。
    そんな悩みを歩行祭の疲れと共に解消し、新たな一歩を進み始める2人。仲間たちの優しさがあつく青春を感じれる。

  • 学校行事で夜通し歩く。
    これで一冊の本を書き上げるのだからすごい。

    学園生活の、青春がこの一晩の出来事に凝縮されてる感じ。

    僕からしたら、もう、決して戻ることの出来ない輝かしい高校生活。
    作中にもあったけど、ほんと『今』は今しかないから特に学生時代てのは本当に特別な素晴らしい時間だから。
    がむしゃらに、ぐちゃぐちゃに生きたらいい。

    僕は残念ながら通り過ぎてしまったから。
    だからこそ、良い思い出も、苦い思い出も輝かしいものなのかなぁ。

  • 誰も死なない、ハデな事件もない。
    でも、ものすごいことが起きた。気持ちに。

    とっても良い作品です。読み継いで欲しい本です。

    インターネットで場所を越えて、つながりがもてるようになった。
    本は、世代をも超えていく力があると思う。

    恩田 陸さんは、北村 薫さん、宮部みゆきさんと同じ感じ、人の色がした。

    「夜のピクニック」を手にとって良かった

  • 高校生活の終わりは夕焼けみたいな切なさがあると思う。不安、寂しさ、希望。みんな同じだと思っていたけど、色々考えてたんだ…と後から気づいて恥ずかしくなったり、焦ったり、感心したり。

    ラストが順弥の視点で、その真っ只中にいる本人たちは気づいていない「青春」を眺めている感じが素敵だと思う。

  • 読む前は「かがみの狐城」のようなジュブナイルSFかなと予想したが違った。高三の男女数名のそれぞれの青春の捉え方が描写されたとても良い物語でした。青春っていいねぇとしみじみできる一冊。

    夜通し80kmを走破する学校のイベント「歩行祭」の1日の中で、異母兄弟の西脇融(にしわきとおる)と甲田貴子が仲直りできるかどうかがメインテーマ。

    融の友人の戸田忍は「雑音だって、おまえを作ってるんだよ。」と融にアドバイスできるほどに、成熟した自分を自覚した上で、きちんとぐちゃぐちゃに青春を経験すべきだと考えるスマートで素直な人間。好印象。

    貴子の友人の遊佐美和子も眉目秀麗のお嬢様で、自分が本当の恋愛をしてこなかったことを後悔しつつも、榊杏奈とともに貴子と融の関係修復を願う気持の良い人間。好印象。

    貴子、忍、美和子、杏奈は他者に寛容で、それに比べると融はやや意固地になってしまっている若者らしさがあり、それを自覚しているが故に自分に腹を立ててもいる。夜行祭を通してそれが溶解していく様子が読んでいて気持ち良い。

    この4人プラス海外に戻った榊杏奈がメインキャラだけど、サブキャラの存在も興味深い。高見光一郎は貴子と融をカップルにしようと躍起になっているロックなお調子者だけど、勘違いはしているものの要所で会心の活躍をするナイスキャラ。

    他、貴子と噂になった老成しちゃってる天文学部男子や、融にアプローチしてくるお邪魔女子、これぞ女子高生の会話を繰り広げる貴子のクラスメート2名など、各自の青春が垣間見れてとても良い小説。

    ハッピーエンドで読後感も良い。さすが名作。

    ※コロナでこういう青春の機会も制限されてるのかなと思うと今の子供はかわいそうだなと思った。

  • 爽やかな読後感。高校時代にタイムスリップしたような気持ちになりました。自分も一緒に歩いているような感覚がありました。

  • 「歩行祭」でのミステリーかと思いきや。
    純粋に青春小説だった。
    ちょっとした謎とわだかまりと優しさが甘酸っぱい

    大人のわたしには、もう遠い思い出でしかない風景をその場で見ている感じが良かったです。

全1251件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

恩田陸の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×