海峡の光

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 412
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103977032

感想・レビュー・書評

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  • 正直、これほどまでに美しい文章が書ける方とは思っていませんでした。最後まで読み手の想像力を掻き立てる素晴らしい作品。

  • (2000.08.02読了)(2000.07.26購入)
    (「MARC」データベースより)amazon
    少年刑務所で看守として働く「私」の前に現れた一人の受刑者。彼は子供のころ「私」を標的にして執拗に繰り返されたいじめの煽動者だった。人間の悪の根源に迫り、「ここに文学がある」と絶賛された97年上半期芥川賞受賞作。

    ☆関連図書(既読)
    「ピアニシモ」辻仁成著、集英社文庫、1992.05.25
    「そこに僕はいた」辻仁成著、新潮文庫、1995.06.01
    「母なる凪と父なる時化」辻仁成著、新潮文庫、1997.03.30
    「冷静と情熱のあいだ Blu」辻仁成著、角川書店、1999.09.30

  • 細かく書くなぁというのが率直な意見。主人公が見る情景から心境を示唆するなど国語の教科書に使われそう。
    内容としては主人公の葛藤が本当に細かく良く書かれており、それがゆえに息がくるしくなった。難しくもあり、濃い一冊。
    辻さんは函館が好きなんですね、きっと

  • 今まで読んだ辻さんの作品とは異なっていて、
    なんかこういう内容も流石だなと思いました。

    函館の刑務所での話で、そこで働く主人公。
    受刑者が昔、自分をいじめていた嫌な奴。
    立場が逆転したけども、それでも優越感に浸る事は出来ない。
    彼が何を考えているのかさっぱりわからないから。

    本当に彼(受刑者)は、どうしたいというのだろうか。。。

  • 第116回芥川賞受賞作。

    主人公斎藤の働く函館の刑務所に、
    小学校時代彼を苛めた花井が入所してくる。
    小学校時代とかわらぬ花井の模範的な態度の中に
    潜む悪魔にいまだとらわれ続ける男を描いた作品。
    全体的に暗い。
    灯りのない冬の函館の堤防を彷彿とさせるような話。

    主人公がいつ復讐を完了してくれるのか
    ドキドキ見守ったがそんな気配もなく…
    どちらに優越感を与えられる結果になったが微妙な終わり方。

    しかし根が善良な斎藤が卑劣で奇怪な花井に
    立場として優越を感じながらも
    精神的に勝つことはできない淀みが
    この小説を一層暗くしていることは間違いない。

    花井を想像するとぞっとする。
    『わからないか。俺はここにいたいのだ』
    仮出獄が決まる度、刑を伸ばそうと奇怪な行動にでる。
    正直気持ちが悪くなるような登場人物だった。

    小学校の思い出が人の根本を支配しているようなそんな気持ちが自分にもあったのでのめり込めた作品。
    わからない人にはつまらないかもしれません。

  • 読んだのは、だいぶ前だから、詳細は覚えていないが、全体的に暗くて、でも考えさせられたような記憶だ。

  • 芥川賞作品
    青函連絡船の客室係を辞め函館の刑務所の看守になった男の前に、小学生時代にいじめられていた同級生が受刑者として入所してくる。
    昔のトラウマを抱え、それぞれの思惑が交錯する。

    暗い!重い!
    感想、あまりなし!!

    初めて辻仁成の本を読んだ。
    エコーズのときに、袖を切ったジージャンで歌う姿が何よりかっこ悪かった。
    その印象があり、作家となっても、もうひとつ本に手が伸びなかった。

    もう1冊くらいよんでみるかな?

  • 函館などを舞台とした作品です。

  • かつて同級生だった囚人と看守の話。芥川賞とってるし、感情や函館の様子が描写されてて、読みごたえはあると思います。

  • 図書室に何やらたくさん蔵書が並べられていたので何となく借りてみたのですが。借りた後、母に色々聞いてああ、あの人か、と思いました。とりあえず作品を読むのは初めてでした。

    なんと言うのか。最後まで読んだんですけれどもね。
    何だか良くわからなかった、と言うのが正直な感想です。青函連絡船に思い入れのある人だと違うのかなあ?

    主人公は過去の花井君にとらわれるあまり、今、目の前に実在する花井君のことをきちんと認識して無かったのではないか?そんなことを思いました。

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著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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