語り女たち

著者 :
  • 新潮社
3.10
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本棚登録 : 234
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104066056

感想・レビュー・書評

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  • 設定もさることながら、一つ一つの物語に、とても思い入れを感じながら読むことが出来た。
    どの女性も、それぞれの物語を持っていて、とてもすてきだなと感じた。

  • 幻想的な味わいの短編集。夜中にじっくりゆっくり読みたい一冊。謡口早苗さんの挿画も魅力的。
    好みの作品は「歩く駱駝」と「闇缶詰」。やはり私は少しホラー的な味わいのある作品が好みですね。一方で微笑ましい「笑顔」もなかなか良いかなあ。ほんわかとした雰囲気がやはり「ああ、北村さんだなあ」という印象。

  • 屋敷に一人ずつ、女性を呼んで 喋ってもらうという形式で書かれた本。

    不思議でぞっとする話、心温まる話、内容は様々。

    北村薫の得意分野!女の人の一人称。
    北村さんの描く女性は本当に魅力的だと思います。
    話の内容も、気持ちよく浸れるかんじ。

    河童?な彼氏の話がいいですね

  • ○2009/10/24 
    これぞ余韻。いい。こういう形態がやっぱりツボにはまる。最高。妙な独白から始まる序章からもう引き込まれた。雰囲気も、畳みかけるように出てくる不思議な体験談もそれをしっかり引き継いでて、かつエピソードごとにちゃんと話になっててオチもついててよい。「眠れる森」が一番好き。
    ちゃんと語り女(かたりめ)さんたちにも特徴らしい特徴があって気分が変えられるところもいいかも。
    読み終わるのが惜しいと無理やり半分で切り上げてしまうほどだった。連作短編奇憚もっとこい。
    「夏の日々」の中の気に入った一節。
    ”薄暗くなりかけた空を、より暗くするように、葉はこんもりと茂っています。真下に立つと空が見えません。黒ずんだ視界と、重なる葉の境界が、もうじき溶けて一緒になるでしょう。”

  • 数年ぶりに北村薫さんを読みました。
    語る女のひとたち。

  • ある空想癖を持った金持ちの男が、古代アラビアの王様の様に
    話をするためだけに女性を募集して聞いた17の話
    現代のアラビアンナイトといった話です
    17の話は基本的に奇妙で懐かしく、ほのかに切ない感じ
    過去の北村薫作品の様な理路整然とした筋もなく、こう感じろと強制させることも無い物語が並びます
    一編一編が染み渡るような短編小説でした

    個人的には、円紫さんシリーズや覆面作家シリーズといったわかりやすいミステリを書いている北村薫作品の方が好き
    あとまぁ、もう少し時間も気持ちも余裕があるときに
    まったり読むべきと思った
    通勤読書に向いた本ではないかな
    寝室に置いておき、何となく寝付けない夜に服用する感じで読む
    まさに、千夜一夜物語として読むべきだろう

  • 17人の女たちが、半ば隠遁している男に請われて話す幻想的で
    謎めいた物語・・・。
    時には甘美で時には不気味な物語の数々にそれぞれ気品があって、
    不思議な余韻が残る。

  • 人公の男性が17人の女から聞いた17の話が順にのっている短編集。
    どの話も不思議で、じんわり涙が出てくるあたたかな感動のお話も。

    ただ残念なのは(カラーイラストや文字の為だろうか?)この本の紙質がつるつるなこと。

著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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