- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104075072
感想・レビュー・書評
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吃音でほとんど喋らない、大事なことしか言わない村内先生がひとりぼっちの子にそっと寄り添う物語。
いじめられっ子、いじめっ子、家庭に問題がある子の様なさみしい子供が自分をちゃんと見てくれる先生に心の奥で惹かれ助けられていく。
今思えば、自分は小さい頃どれだけ家族や友達に愛をもらっていて幸せだったのか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本を柄にもなく斜にも構えずただ読んで泣いてしまった。まあ、恥ずかしい。
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言葉にしてなかなか表現できない感情を言葉にして伝えるのが非常に上手いなあと思う。毎回重松さんの作品を読み終える度、自然と優しい気持ちになれる。そしてまた人に優しくなれるようなそんな気持ちにもなる。
特に中高生に読んでもらいたい作品。自分も中高生の頃に出会いたかった作品であり作家さん。 -
『青い鳥』
-重松清-
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重松清と言えば涙。
だけどこの作品には涙はそんなに溢れなかった。
が、最後の「カッコウの卵」で溢れ出た。
ひとりぼっちになりたくないから嘘をつく。
わたしも誰かにそばにいてほしい。
声の温もりが伝わる近さ。
村内先生みたいな人と出逢いたかったな。 -
ステキな先生のお話でした。私の周りにも吃音の友達がいますが、今までと変わらず、自然な付き合いをしていきたいと思います。
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「静かな楽隊」まで読んだ
残り3作未読 -
読む前の期待感が大きすぎたのか、あまりグッとこず。。
中学生くらいに読んだら、先生という職業に憧れたかもしれない。 -
大切な言葉しか話さない吃音症の先生との奇跡。
久々に苦々しい気持ちで読み進めました。
数多い作家さんが中学生という複雑な多感な人物を描いていますが、
重松清は中学生の等身大の心の闇を忠実に描いていてそして抉るように苦々しい印象を与える作家さんだと感じました。
今回は8作の短編があり各短編の主人公は中学生ですが、この短編に共通して出てくる先生が謎めいた非常勤教師「村内先生」です。
今まで読んだ重松作品の中では、もちろん重々しい場面もありますが比較的爽やかな印象を受けました。
それは村内先生という不思議な先生が「ただ、寄り添うこと」を念頭に置いて、傷付いた生徒達を見守っているからです。
幾分か救われる話でもあり、そこに分かりやすい愛が見えるからです。
最初に重松清作品を触れるのには優しく入りやすい本かもしれません。
(私は「疾走」という深く抉るような本が初めて触れた重松作品だったので…)
私は短編の中で「おまもり」と「カッコウの卵」が特に印象深かったです。
「おまもり」は加害者の父親を持った娘の心の成長が大きく描かれている印象。
「カッコウの卵」は大人になった少年が恩師である村内先生と再び出会う話。
短編すべてに村内先生が出ていても、村内先生が何者なのか年齢も家族構成も一切明かされていません。
ある心に問題がある生徒が1つ乗り越えると同時に他校に異動になる特別非常勤教師。
その不思議な村内先生と生徒の心の授業に思わず感情が暖かくなります。 -
いつも言葉がつっかえる非常勤の国語の先生が出会う
複雑に揺れ動く心をもつ子どもたちとの短編集。
先生はたいせつなことだけ話します。先生は味方ではありません。
だけど敵でもありません。家族以外にいちばん近くにいるのです。
先生の言える言葉ー寂しい、うれしい。
言えない言葉ー悲しい、苦しい。
先生の出す言葉が、揺れ動く子どもたちの心を確かにつかむ。
…これって、物語じゃなくても、深い。
重松清が描く、子どもたちの心の機微の真骨頂