青い鳥

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著者 : 重松清
  • 新潮社 (2007年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104075072

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青い鳥の感想・レビュー・書評

  • 吃音障害をもった国語の臨時赴任教師の村松先生。


    先生は国語の先生なのに、うまく喋る事が出来ない。
    だからこそ先生は本当に本当に大切な事しか話さない。


    様々な悩みを抱えた生徒にそっと寄り添い、ヒントを与えてくれる。
    何のかりものでもなく先生自身の言葉で、、、


    私も学生時代色々な悩みがあった。
    悩みが深ければ深いほど、
    誰かに相談する事も出来ず、ただただ苦しかった。
    村松先生の様に悩んでいる事を敏感に察知してくれて、
    ただ側にいてくれたら、どれだけ心が救われただろう。


    ただ側にいるだけで伝わることってきっとある。
    私もそんな風に人に接したいと思いました。

  • 暖かい作者のまなざしを感じる、涙があふれる作品です。
    自分では選ぶ事ができない、生まれや境遇からスタートした人が人生を生き抜いていくヒントが見つかると思います。

  • 村内先生と8つの物語。

    吃音で、うまく話せない国語教師の村内先生。
    先生は、心の中で『助けて』と叫ぶ生徒の為
    沢山の学校を渡り歩いています。

    どんなに言葉が詰まっても
    本当に伝えたい事、伝えなければならない事は
    伝えたいと思う気持ちと、受け止めたいとい思う気持ちがあれば
    必ず伝わるのですね。

    これまで、いくつか重松さんの作品を読みましたが

    意図的であれ、過失であれ
    何か過ちを犯してしまった人は
    例え被害者に許してもらったとしても
    自分が犯した事を、決して忘れてはいけない。

    という想いが、含まれている作品が多いなと感じます。

    酷い事をした人、言った人は
    多少の罪悪感はあっても、時間が経てば忘れてしまう事が多いですが
    された人、言われた人は、どんなに時間が経とうとも
    思い出す時間が減ったとしても、
    決して「忘れる」ことはないのです。

    個人的には『おまもり』の話が、一番胸にジーンときました。

  • 中学校が舞台。問題を抱えた子どもに大切なことを伝えるために村西先生はやってくる。現実に存在するには少し無理がある先生だけど、人が一人ぼっちでも壊れないためには、こういう人がいてくれたらいいなぁと、私は本気で思った。学校でも社会でも、その流れに乗れない、乗りたくない、乗るのが辛い、そんな事は誰にでも起こりえる。その時にそれでもいいんだよと、寄り添ってくれる存在は、何も他人でなくてもいいはず。自分で自分を認めてあげる、その後押しをしてくれる本だと思う。じんわりと胸に火をともしてくれる素晴らしい本。

  • 村内先生は大切なことしか教えない
    先生は吃音というのがありながら、生徒に一生懸命吃りながらも、伝えようとする姿、それをしっかりと受け取っている生徒の姿にとても感動しました
    私自信吃音があり、先生の伝えようとする気持ちや、伝えたいのに上手く伝えられないもどかしさなど、共感する部分が多くあり、そういったのも含め、お気に入りの一冊です。

  • 「青い鳥」
    村内先生は中学の非常勤講師。国語教師なのに吃音を持つ先生の、一番大切な仕事は、ただ「そばにいること」。「ひとりぼっちじゃない」と伝えること。


    「青い鳥」を読んで、ふと自分には「恩師はいるのか」と考えてみました。そして自分なりに「恩師か分からないけどいるな」と思えた時、この「青い鳥」に登場する生徒達と少しだけ心を通わせることが出来たかなと思いました。


    この「青い鳥」は2007年に書かれています。よって、この作品にはその当時の重松氏自身の中学生や彼らが時間を過ごす中学校への考え、印象、想いが込められていると思います。しかし、その重松氏の想いは恐らく2011年の中学校と生徒にも届けるべきではないかと思います。


    それだけ「青い鳥」は私達が考えるべき話題をテーマとしていますし、たいせつなことしかしゃべらない村内先生の存在もとても大きくなり、読み続けるとより一層彼を尊敬し、彼の温かみを感じます。


    私としては村内先生の時折見せる先生口調がとても印象的でした。基本的には黙って笑みを浮かべるシーンが多いのですが(そこに悲しみを含めることも)、ひとりぼっちになってしまいそうな生徒の前に「間に合った」と言って現われ、大切な言葉を詰まることなく話す姿には勿論いち読者として感動を覚えます。


    しかし、その大切なことを話している中で「~しろよ」という口調には生徒の傍にいる存在としてだけではなく、一人の大人としての側面を見た気がしました。


    また「カッコウの卵」で締める流れも良いです。


    こんな先生に会ってみたいです。

  • 重松清さんの本をどれか読みたくて、数冊あった中から装丁で選んだ本です。

    中学校の臨時国語教師「村内先生」をめぐるお話で構成されています。

    悩める中学生にそっと手をさしのべる村内先生。
    吃音障害をもっている国語教師。
    だからこそできること、わかることがある。

    私も村内先生みたいな先生に出会いたかったなぁ。

    どもりながらのセリフで不覚にも笑えるのも好きです。
    そしてどの話でも必ず涙腺がやばくなる。
    とても素敵な本でした。

  • 「大切じゃない大切なことはないんだよ。」

    どうしたらこんなに優しい話ができるのだろう。
    不思議に思うほど、とても心温まる物語だった。

    そばにいること、たいせつなことを教えること。
    村内先生が生徒に与えるのは、思春期の子供たちに必要なことばかり。

    道を踏み外しそうになったとき、どうしていいかわからなくなったとき、村内先生みたいな先生がそばにいてくれればどんなに心強いだろう。

  • 吃音のために、ウマく喋れない村内先生がひとりぼっちの生徒を救う物語。

    「救う」と言っても、そばにいるだけ。

    多くの生徒には支持されない。その存在を覚えてもらうことすらないだろう。それでも、村内先生に救われる生徒は確かに存在する。非常勤講師として、学校を転々としながら、またひとりぼっちの生徒のそばに寄り添う。

    読みながら、昔の中学校の先生がよくホームルームで言っていた言葉を思い出した。

    「キミたちのお父さんやお母さんより、とは言えない。しかし、キミたちが思っている以上に先生は、キミたちのことを気にかけている自信がある」

    そうなのかもしれない。

  • 初めて本読んで泣いた。
    1話目『ハンカチ』のラストシーンは何度読んでも感動。

  • 吃音の先生と生徒たちの小説。
    先生は吃音のため、言葉を上手く喋れないし、生徒たちからもからかわれたりもするが、ひとりぼっちの生徒に寄添い、大切な事や大事なことを教えてくれる。
    じんわりする小説です。読めて良かった。

  • [17.8.16:追記レビュー(文庫化もされています)]

    『きよしこ』

    芦田愛菜さんがこうして、重松さんのこの著書を紹介して頂いたからこそ

    『青い鳥』との共通項である

    一番のテーマとリンクしていることを、このレビューを通して、再確認できました。

    〈学校が舞台〉

    阿部寛さんが扮していたのは、臨時教師で赴任した、吃音の国語教師役。

    重要なキーパーソンの生徒役、本郷奏多くん。

    この二人を軸に、2つのキーと(きよしこと同様)なる『テーマ』が交錯し展開されていく物語。

    ある生徒の机を元の位置に戻す行動を起こすことで、ささやかながら、何も言わず、教師が真っ向から立ち向かっていく姿。

    このシーンは、今一度、こうしてまとめつつ、印象的に残った場面だったことを覚えるほどです。

    これ以上は、言葉では言い表せないので、このあたりまでにします…

  • 孤立したり、問題があって不幸な子どもがいる学校に村井先生という吃音がある先生が、その問題を作った先生が休職したり入院したりしている間の臨時の先生としてやって来て、その子どもの心の中に寄り添い、その先生のいたことで、問題を抱えた子どもたちが立ち直ったり、次のステップに向かっていく力を見守り寄り添います。

    そういう話が短編で何話か続き、この先生が吃音であるが故に沢山のことを語るのではなく、態度やそばにいてあげる事、そして吃音であるが故、大事なこをしか話さないので、より子どもたちに話すことが伝わり響き、解決されていき、最後には必ずまた元の先生が学校に戻ってきて村井先生は子どもたちの前から去っていくというストーリーのお話しが繰り返していきます。

    それぞれの話が、色々な子どもたちの話でそれなりに単独で成立しているのだけど、何か物足りなかったけど、最終の一編を読んだ時。ここに至るためにそれまでの話がすべて繋がったような気がしました。わたしは、涙ボロボロ出ました。

    ぜひ読んでもらいたい一冊です。

  • ハンカチ
    ひむりーる独唱
    おまもり
    青い鳥
    静かな楽隊
    背景ねずみ大王さま
    進路は北へ
    カッコウの卵

    どれもうるうるさせやがってー。

    中学のころ、
    人を傷つけてきたのかと、今頃。
    ごめん。

  • 吃音の村内先生が心に傷を負い孤独な生徒の側に寄り添い大事なことを教えていく話。
    「たいせつなことと、正しいことって、違う」
    「たいせつだけど、正しいこと、あるよな。しょうがなくて正しいこと、やっぱりあるし、ほんとうは間違ってるのに正しいことも、あるよな。……正しくなくてもたいせつなことだって、あるんだ。でもたいせつじゃない、たいせつなことは、絶対にないんだ。たいせつなことは、どんなときでもたいせつなんだ。中学生でも高校生でも。おとなでも子どもでも。」
    すごく印象深い言葉。
    "そばにいる"って物理的にそばにいるってことだけじゃない。そう想わせてくれる作品。村内先生みないな考えの大人になって人と接したいな。
    ドラマ化してくれないかは…。

  • 「静かな楽隊」まで読んだ
    残り3作未読

  •  村内先生と教え子たちの短編集。
    最初はピンとこなかったんだけど、読み進めるうちに、村内先生の魅力に夢中になりました。
     吃音があるから、「大切な事だけしか言わない」
    その大切な言葉によって、ひとりぼっちで苦しんでいるたくさんの生徒たちが救われていくのは、心がとっても温まって素晴らしかった。
     この続編をぜひとも読みたいと思います。

  • 涙は「心の渇きを潤してくれる」。なんとなく心がかさついてくると不思議と泣ける本に出会う。

    「カッコウの卵」は泣ける。

  • 悩める中学生のそばに居てあげる、中学校臨時教師の村内先生の話。
    8つの短編で成り立ってるんだけど、電車で読み始め、いきなり1編目で涙が・・・あとは家で落ち着いて読むことにしました。
    8編とも村内先生の話で良かった。いきなり似たような違う話が出てきたらどうしよう?と、村内先生が登場するまで、毎回不安でした。
    こんな、そばに居て、たいせつなことを教えてくれる先生が来てくれる学校はいいな!悩める生徒に会えたら「間に合った」と思う先生。
    ほんとは村内先生は一人しかいないんだれど、本を読んだ一人一人の中にいる村内先生、「間に合って良かった!」

  • せつないようで、とてもあたたかい話

    読みながらこういう話がドラマ化されたらいいのにと何度か思った。テレビの中の熱血で誰からも最終的には慕われる先生も悪くはないけど、クラスの中の本当にしんどい思いをしている子のそばにそっといてくれる村内先生のような先生も必要だと思う。


    村内先生がそんなふうにできるのは、話の中では触れられていないけど、きっと吃音であるがゆえに過去に様々な経験をして、誰にも本当の苦しみをわかってもらえないひとりぼっちの子の寂しさがいたいほどわかるからだろう。

    私もそういう「たいせつなこと」がわかるひとになりたい。

    言葉が上手く出てこず授業を満足にできない村内先生は、多くの人からすれば「正しくない」とうつってしまう。
    しかし、大切なのはそういう部分ばかりではないのだということが、ぼんやりと胸の中におさまった気がする。


    ☆☆☆
    「いじめはひとを嫌うからいじめになるんじゃない。ひとがたくさんいるからいじめになるんじゃない。ひとを踏みにじって苦しめようと思ったり、苦しめていることに気づかずに苦しくて叫んでいる声を聞こうとしないのがいじめなんだ。」


    「間に合ってよかった。」


    「たいせつじゃないたいせつなことは絶対ないんだ。たいせつなことはどんなときにもたいせつなんだ。」

  • 言葉にしてなかなか表現できない感情を言葉にして伝えるのが非常に上手いなあと思う。毎回重松さんの作品を読み終える度、自然と優しい気持ちになれる。そしてまた人に優しくなれるようなそんな気持ちにもなる。
    特に中高生に読んでもらいたい作品。自分も中高生の頃に出会いたかった作品であり作家さん。

  • 言葉をうまくしゃべれないから、大切なことしか言わない。

    私たちは言葉をうまくしゃべれるから、たいせつじゃないことを無駄にしゃべっている気がする。心からの声、気持ち以外の部分を、話さなくてもいいようなことを、中身のないようなことをしゃべる。

    たいせつなことをわかってくれる存在がいることは幸せだ。たとえずっと側にいなくても、その後の人生に息づいていくんだなぁと思う。

  • そばにいること
    ひとりぼっちじゃないこと

    私は教師じゃないけど、親としてこれだけのことをちゃんと伝えられれば子供は大丈夫なんじゃないかと思う。

    ただこれが難しい。
    ついつい余計なことを言っちゃうし、大事な時に気づいてやれなかったりするし。

    私なりにたいせつなことを伝え続けよう

  • <本当に伝えたいことを伝える>
     
     作者の初期作品集の「ナイフ」を思い出した。

     「ナイフ」を読んで、私は作者の小説を読み出したのだ。

     短編集かと思ったら、連作で、非常勤講師の村内先生が、いろんな中学を回っていく、という話だ。


     「間に合ってよかった」と村内先生は言う。

     その子の「そばにいる」ために彼はやってくる。


     学校では言葉が出なくなった千葉知子さん。

     教師をナイフで刺してしまった斉藤義男くん。

     交通事故で人を死なせてしまった父親を持つ須藤杏子さん。

     いじめで自殺未遂をした同級生のことを考える園部くん。

     私学に落ちて、公立校でクラスのボスになってしまったあやちゃん。

     自殺した父親をもつ富田洋介くん。

     進学率100%の発行から、公立校を受けようとする篠沢涼子さん。

     両親に捨てられ、同じ境遇を持つ千恵子と結婚したてっちゃん。

     

     村内先生は、吃音を持っている。なかでも、「カ」行と「タ」行と濁音がきつくなる。

     あまりしゃべらない先生。でも、気がつくとみんな魅かれていく。「ひとりぼっちじゃなくなっていく」。


     どの話も良かったけれど、須藤杏子さんの話で、泣いてしまった。

     交通事故を起こして、車に乗ることを止めて、毎年死なせてしまった人のお墓参りに行っている父親。しかし、その家族にとっては迷惑でしかない。
     友達と合わせることで自分をなくしていく彼女がいて、そこに村内先生が転勤してくる。少しずつ、彼女は自分をとりもどしていく。
     そして、父親が背負っているものを自分もいっしょに引き受けることを決めて、父親だけではなく、家族4人でお墓参りにいくことを実現させる。
     そのことでで、父親が得たものとは…。そして、彼女が 見つけたものは…。

     私は声を出して泣いた。

     

     

    2009-03-28 / 小川三郎

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