本格小説 上

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 321
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104077021

感想・レビュー・書評

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  • 読了。下巻に感想を書きます。

  • 途中まで、少しずつ読んでいましたが、
    フミ子が登場するあたりから、俄然続きが気になり、一気にラストまでつまみ読みしてしまいました。

    一通り読み終わった感想は、釈然としない面はあるものの、久しぶりに重厚な小説を読んだ気がしました。
    面白いです。

    下巻もじっくり読んだ上で、改めて感想を書きます。

  • 英訳が出たという記事をみて、思い出して再読したが、やっぱり面白くて一気に読んでしまった。

  • NYで著者の少女時代に現れた謎の日本人お抱え運転手・東太郎。彼が不思議な雰囲気を持ち、正にヒースクリフの暗さを持った人物として登場する。そして著者・水村早苗の前に年月を経て現れた日本人青年が日本で聞いた不思議な話を語り始める。出だしからして期待感を抱かせます。嵐が丘の現代版ともいうべき内容が日本の戦後の変化を描き、リアリティーを感じさせてくれます。

  • アメリカで財をなした、東太郎という人の数奇な運命を描いたお話。物語は作者の私小説風に始まります。

    上巻は正直言ってちょっとだれた感じがしましたが、後半、東太郎が主人公になってからはぐいぐい引き込まれて、一気に読了しました。
    お話は、東太郎のことだけでなく、その周囲の人々のエピソードがちりばめられていて、読んだ後日本人としてすごく複雑な気持ちになりました。
    しっかりした長編が読みたい方にお勧めです。

  • 実力、筆力高いなぁ。辻邦生が相手にするだけはある。

  • 読売新聞の土曜に連載されている小説で初めて水村作品に触れました。気になっている作家ではありましたがなかなか読むチャンスがなく、新聞小説(毎日のは読んでないのですが)は新しい作家に出会ういい機会になります。丁寧で丹念に書かれていますが、決してくどくも無駄に長くもなく、よいです。舞台や登場人物も魅力的で下巻も楽しみ。

  • ものすごい力作であることは間違いないです。
    衝撃のラストが蛇足って思ってしまうのがちょっと残念。ラストがなくても傑作です。

  • 上下巻。主人公がまとった視線にからまる執着と承認の濃厚な戦後大河ロマンス。承認されて初めてその生を生きる者と、承認することによって自己を生きる者が、ダイナミックな状況の変幻を通して重層をなす語りの構造から浮かび上がる様々な人物の生き様、その日常時間の経過が細部に渡って描かれる。その語りが醸し出す雰囲気、人生の始めと終盤に至るさまはひたすら哀しくも美しくロゴスの承認をせまり、読者を魅惑してやまない。

著者プロフィール

水村美苗(みずむら・みなえ)
東京生まれ。12歳で渡米。イェール大学卒、仏文専攻。同大学院修了後、帰国。のち、プリンストン大学などで日本近代文学を教える。1990年『續明暗』を刊行し芸術選奨新人賞、95年に『私小説from left to right』で野間文芸新人賞、2002年『本格小説』で読売文学賞、08年『日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で』で小林秀雄賞、12年『母の遺産―新聞小説』で大佛次郎賞を受賞。

「2022年 『日本語で書くということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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