とるとだす しゃばけシリーズ 16

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 79
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104507238

感想・レビュー・書評

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  • 薬種屋の集まりで、複数の薬を飲んだ、長崎屋の主・藤兵衛。
    意識不明になった父親のため、若だんなは治療薬を探し始める。

    しゃばけシリーズ第16弾。

    虚弱な若だんなが甘やかされ、何もしないパターンに、やや辟易していたところ。
    今回は若だんなが主体性をもち、彼なりに動いているところに、好感が持てた。

    広徳寺、蜃気楼の島、寛永寺、神田明神と、驚くほどに外出していく。
    妖たちのがんばりもさまざまで、変化のあるストーリー展開をたのしめた。

  • 「しゃばけ」シリーズも16作目。もう17作目「むすびつき」も出ています。
    若だんなの大事なおとっつぁん、長崎屋の主・藤兵衛が倒れてしまうところから。
    若だんな一太郎、頑張ります。

    藤兵衛が昏睡状態に。
    病弱な若だんなのための薬を5ついっぺんに試してみたという、親ばかならではの理由なのだが。
    薬種問屋にあるまじき行動でしょ(笑)
    何とかしようとする若だんな、時々熱を出しつつも奮闘しますよ。
    だんだん大人になってきた感じがありますね。

    江戸湾に蜃気楼が現れた。
    頑張っていた若だんなが蜃気楼の世界に飲み込まれてしまい‥?

    化け猫憑きと噂された娘をもらってくれという縁談やら。
    恨みを残して「狂骨」となったのは‥
    この話は恐ろしい。

    いつもより行動的な若だんな、合わせたように話の構造も変化に富んでいます。
    お気に入りのシリーズなのは変わりませんね☆

  • しゃばけシリーズ、なんともう第16弾!
    ますます面白い。
    効能書きの“盛り”や、文春砲みたいな「よみうり」のゴシップ記事、うわさと縁談に目の色を変えるオバチャンたち…と、現代とまるで変わらない江戸はにぎやかだ。
    そこへ、妖と神さまと坊さんも加わって…

    【薬は用法用量を守って、正しくお飲みください】
    今回はこれに尽きる。
    なのに、籐兵衛さん、薬種問屋のあなたがどうしてこんなことに…
    若だんなは、父・籐兵衛さんをなんとかして薬害から救おうと奔走!


    『とるとだす』
    上野広徳寺にて、高僧・寛朝さんが開いた薬種屋たちの集まりで事件が!
    「効能書きが多すぎる!本当に効くものだけを書きなさいっ!!!」
    寛朝様、お叱りごもっとも!

    『しんのいみ』
    江戸の沖に突然現れた島影。
    そこへ入るとだんだんと記憶が失われていくというが…

    『ばけねこつき』
    江戸の大店の従業員はほとんど住み込み。
    見習いのうちは給料も出ず、のれん分けで店でも出さなければ結婚もできない。
    この状況から起こる悲劇は多い。

    『長崎屋の主が死んだ』
    異形のものも多く登場する若だんなの身の回りだが、心底震えるような恐ろしいものが現れた。
    悲しい姿になってしまうのも、自分も人も不幸にしてしまうのも、結局は“心ばえ”の問題なのではないか。

    『ふろうふし』
    「しんのいみ」とも通じる、おとぎ話と絡んだテンポのいいお話。
    大団円。
    途中ちょいちょい熱を出したが、今回の若だんなはアクティブだった!

  • しゃばけシリーズ

    長崎屋の主が突然意識不明に!
    身体の弱い息子、若旦那を心配するあまり
    5種もの薬をいっぺんに試したせい。

    自分のせいでおとっつあんが倒れたと
    若旦那は責任を感じ
    なんとか助けるために奔走する

    若旦那がいつもに増して頑張った!!
    そして狂骨の話
    鳴家の頑張りにホロリ
    護符も、狂骨も怖かっただろうに・・・

  • 若だんなの おとっつぁん が大変な事に!Σ( ̄□ ̄;)若だんなの病を治す薬を試すため、たくさん飲みすぎて倒れちゃった\(゜o゜;)/おとっつぁんの薬を抜くため、いつものメンバーが奔走する(゜゜;)というのが大筋だけど、狂骨の恐ろしく、悲しい話が心に残った(T-T)今回は少しアクティブな若だんな(^^)少しは体が丈夫になってきているんだな♪

  • 初出 2017年「小説新潮」
    人気のしゃばけシリーズ16作目

    長崎屋の主藤兵衛が薬種屋の集まりで、若旦那の病弱を治すという薬を何種類も飲まされて、人事不省に陥る騒動から始まる5話。

    江戸湾に蜃気楼が現れて、藤兵衛を元に戻す「枕返し」を探す若旦那が呑み込まれ、蜃気楼の主の蛟龍が龍になって天に昇る時に戻ってくる第2話。
    「化け猫付き」と噂されたお嬢さんを嫁にもらってくれと押しかけて来た染物屋の主人と奉公人の話は、怪異譚ではなく主従の信頼と失望が原因の第3話。
    4話目はちょっと怖い。怨みを抱いて井戸で死んだ「狂骨」に呪われて襲われたため、若旦那が原因を突き止める。
    最後は大黒天から、常世の国の少彦名に薬を貰うよう勧められて若旦那は空を飛んで行くが、少彦名は江戸に来ていてひと騒動。

    いつもの心優しいファンタジー。
    若旦那が店の帳場に座ったり、父親のために頑張ろうとする姿が、もう少年ではなく成長したなあと思えるし、初めて母から頼りにされて感動したのはちょっとこっちも嬉しくなった。

  • 複数のお薬を一度に飲むのは、怖い。
    うっかり扉のタイトルを読んでしまい、気が動転してしまう。で、読むのを一旦止めたけど、やっぱり気になり、最後まで一気に読んでしまった。寛朝様も寿真様も杓子定規ではなく、融通のきく判断をなされるのが好ましい。
    「ばけねこつき」若だんなが金次達にもちこまれる縁談を華麗に解決する手腕に驚いた。さらに金次は上手に他の人に押し付けちゃうのだから、やっぱり世慣れているなぁ。私はこんなふうに解決できないや。
    「ふろうふし」など、最近では兄や達がいなくても、若だんなと妖だけで解決する場面も増えてきて、若だんなも頼もしくなってるなぁ。

    16巻も読了し、最新刊が近づいてきたので、ここらで別冊も読んでみようと思う。
    それにしてもこれだけ毎月連載を書ける畠中恵さんは本当すごい。そして、長期間楽しめることが本当にありがたい。

  • シリーズ16弾の本作に気付かず
    17弾を先に読んでいた。
    それでも特に支障なかったけど
    サブタイトルで数字入れてくれないかな~。

    [図書館・初読・1月31日読了]

  • 半日で読了(*^_^*)
    若だんなのおとっつぁん、藤兵衛が倒れ、回復するまでを短編で綴る。
    ・とるとだす・・・薬種屋の集まりで藤兵衛が倒れた原因は?
    ・しんのいみ・・・蜃気楼の島へ行ってしまった若だんな。
       果たして江戸に帰れるのか?
       “さみしがり屋”がキーワード。
    ・ばけねこつき・・・押しかけ縁談と化け猫の関係は?
       身を粉にして働いたのに何も得られなかった無念。
       いえいえ、得たものはあります。
       それがハッピーエンド?に繋がるのだから。
    ・長崎屋の主が死んだ・・・無念・無常の恨みが理不尽な怪異となる。
       その祟りの矛先の相手は?不条理が怖い作品。
    ・ふろうふし・・・つまり、不老不死。久々に神仙登場!

    人、妖、神仙の想いとすれ違い。
    人は一人ではない、助けを求めれば誰かの手が伸びる。
    それにしても、若だんな。身体は弱くても心が強くなったね。

  • 動くかな!?
    と思ったら動かず。
    ほっとしたような。
    モヤモヤするような。

    狂骨の話は、人の想いと恨み、久しぶりに怖いお話でした。
    こういう話はしゃばけとしてもっとあると良いと思う。
    妖と暮らす長崎屋だからこその闇との向かい方が見れる気がするから。

    最後の話はauとコラボしてるのかと思ったぜ。

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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